18.3.25立川で上映会開催

3月25日(日)に立川駅前「アレアレア2」6階アレアホールにおいて、ドキュメンタリー映画『この手に希望を~ME/CFSの真実~』(監督;有原誠治)の上映会を開催致しました。患者9名(車いすの患者4名)、家族6名、医療関係者1名を含む50名近い方がお越し下さいました。

患者である当法人の篠原理事長が司会を務め、簡単な自己紹介や病歴、患者会の活動などを紹介した後、「この手に希望を」の上映に入りました。10分間の休憩後に篠原理事長より、発症当時の様子や日本で受けたひどい扱い、映画を通して、重症患者の実態、深刻な神経難病であるという正しい認知、神経内科の先生による研究促進、患者の福祉サービスの必要性などを訴えたいと話しました。

2015年に開催された日本神経学会学術大会に初めて患者会ブースを出展したのをきっかけに、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生に研究を開始して頂けることになりました。山村先生は京都大学医学部を卒業され、その後、ハーバード大学やドイツにも留学されており、2010年よりNCNPの多発性硬化症センター長。2007年の米国臨床免疫学会では副会長、2010年第22回日本神経免疫学会では会長を務められました。現在、国際神経免疫学会理事、日本神経免疫学会理事、日本臨床免疫学会理事などの役職にあり、有名な医学雑誌に多くの研究論文を発表されています。

今回の上映会では、山村先生に40分近くお話し頂きました。ME/CFSの病因・病態はかなりわかってきており、新薬で治療できる時代がやってくること、2014年の厚労省の実態調査において、多くの患者さんが発熱や急性感染症が契機となって発症していること、ME/CFSはオーファン・ディジーズ(孤児のような病)であること、この病気の本態は脳の炎症なので脳神経内科が診るべき病気であること、MEは神経免疫系の疾患であり、先生の研究により病態に関する新しい知見が得られていること、血液検査で診断できるようになれば指定難病になる可能性があること、病歴が短い方の方が治療効果が高いので早期の診断が大切であること、欧米と日本人では体質や生活習慣が違うので日本人のデータを集めることが必要であること、重症度に相関する検査データが得られていること、「この手に希望を」の映画を医療関係者に見てもらうべきであること、日本でも地に足のついた研究を促進することが重要であることなどをお話し下さり、「先が見えてきているので希望を失わないように」と結ばれました。

患者に女性が多いのではないかとの質問には、「自己免疫系の疾患は女性に多く、女性ホルモンが関係している」と。また、全国で診療している医師の一覧がほしいとの希望が出されました。