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24.5.17公明新聞にME/CFSの啓発デー

5月17日付の公明新聞に、「筋痛性脳脊髄炎 啓発デー(12日)に患者ら~実態知り、研究促進を」と題する記事が掲載されました。

全身に及ぶ症状で日常生活を送ることが困難になる慢性疾患「筋痛性脳脊髄炎」(ME)。世界で少なくとも5500万人の患者がいると推計される同病の世界啓発デー(12日)に合わせ、日本など各国関係28団体からなる世界ME同盟が、研究促進などを求める患者の声を発信しています。

ME/CFSはウイルスや細菌が免疫系に作用することが発症に関係しているとも考えられており、新型コロナウイルスの感染の後遺症にもMEとみられる例があります。WHOは同病を神経系疾患と分類しており、国際疾病分類で正式に認めてから今年で55年になりますが、詳しい病態は不明で、承認された治療法もありません。

世界ME同盟などはSNSで「#GlobalVoiceForME」(世界中のME患者の声)とハッシュタグを付け、患者らの体験談メッセージ動画を発信するなどして▽病気の認知▽研究の促進▽患者への敬意―について呼びかけています。

同盟に加盟するNPO法人筋痛性脳脊髄炎の会の理事長で同疾患患者の篠原氏は「患者たちは世界中でひどい扱いを受け、『怠け者』『詐病』などと言われてきた。患者を救済するための研究の促進や社会保障の充実を」と強調します。

MEについて公明党は、篠原氏らの声を聴き、研究を進めるよう国会で訴えるなど、対策に取り組んでいます。

世界のME患者らによるメッセージ動画はこちらからご覧いただけます

※公明新聞様のご厚意で全文の掲載を許可していただきました。

24.4.26TBS NEWS DIGに英国のコロナ後遺症

4月26日付のTBS NEWS DIGに、「英国民200万人がコロナ後遺症 半数が2年以上持続 男女比では女性が多い結果に」と題する記事が掲載されました。

イギリス国家統計局が去年11月から今年3月にかけて行った調査によると、イングランドとスコットランドに住むおよそ200万人がコロナ後遺症を訴え、そのうち38万人を超える人が「日常生活に著しい制限を受けている」と回答しました。また、症状が続いている期間については、51%の人が「2年以上前から」と回答しています。

ロイター通信によりますと、イギリスでは新型コロナの感染拡大以降、働いていない、あるいは求職活動をしていない人の割合を示す「不就労率」が増加していて、そのうち9.1%がコロナ後遺症を訴えているということです。

24.5.12World ME AllianceのイベントがYouTubeで

5月12日はME/CFSの世界啓発デーです。当会が加盟しているWorld ME Alliance(世界ME同盟)が5月10日(日本:11日)にZOOMで開催した、啓発イベント「国境を越えて~World ME Allianceより世界中の患者の声」が、YouTubeで視聴できるようになりました。多くの方にご覧いただきたいと思います。

スピーカーの方々の国:南アフリカ、イタリア、イギリス、フランス、アメリカ、北アイルランド、ドイツ、ポルトガル

視聴する際、日本語の字幕を表示させることができます(翻訳は完璧ではありません)。

【手順】
設定をクリック⇒字幕⇒英語(自動生成)⇒字幕⇒自動翻訳⇒日本語を選択

イベントはこちらからご覧いただけます

24.5.12World ME Allianceからビデオメッセージ

5月12日はME/CFSの世界啓発デーです。

当会が加盟しているWorld ME Alliance(世界ME同盟)は、5月12日に啓発のためのビデオメッセージを発表しました。

Twitter: https://twitter.com/WorldMEAlliance/status/1789551173105553447?t=rAWYAhJ7RglzedA3xxlxng&s=19

YouTube: https://youtu.be/o0IEUesvLXs?si=QG9Ux4EJw1nGTzEZ

Facebook: https://www.facebook.com/share/v/eV27uLxQAS3KSuAo/

LinkedIn: https://www.linkedin.com/posts/worldmealliance_worldmeday-globalvoiceforme-mecfs-activity-7195316960471973888-Gnt0?utm_source=share&utm_medium=member_android

※YouTubeで視聴する際、日本語の字幕を表示させることができます (翻訳は完璧ではありません)。
 設定をクリック⇒字幕⇒自動翻訳⇒日本語を選択

世界保健機関(WHO)が筋痛性脳脊髄炎を正式に認めてから55年になりますが、未だに治療薬も治療法もありません。そして、さらに何百万人もの人が、COVID-19が引き金となりMEを発症しています。現在、世界中で5500万人が体を衰弱させるMEの影響に耐えながら生きていると推定されます。私たちは病気の認知、研究、敬意を求めます。私は日本(その他の国々)のME患者です。これは世界的な健康危機です。MEの世界啓発デーのために、私たちと共に行動してください。私たちは世界中のME患者の声です。

24.5.7日経メディカルにコロナ後遺症

5月7日付の日経メディカルに、「COVID-19後遺症と血漿ニューロフィラメント軽鎖濃度」と題する記事が掲載されました。

4月22~28日に最もツイート数が多かったのは、Molecular Psychiatry誌の論文「Long COVID: plasma levels of neurofilament light chain in mild COVID-19 patients with neurocognitive symptoms」(COVID-19後遺症:神経認知症状があるCOVID-19軽症患者での血漿中のニューロフィラメント軽鎖濃度)でした。

ニューロフィラメント軽鎖は、神経細胞に特異的な構造蛋白質で、神経軸索損傷のバイオマーカーとして知られており、脳脊髄液中の濃度と血漿中の濃度には密接な相関があります。この研究では、急性期のCOVID-19は軽症でしたが、慢性的な神経認知症状がある患者を対象に、血漿中のニューロフィラメント軽鎖(pNfL)濃度が、COVID-19後遺症のマーカーとして有用かどうかを検討しています。

組み入れ対象は、2020年12月11日~2022年12月20日にブラジルの大学病院を受診して、PCR検査で診断が確定した18~60歳のCOVID-19患者で、急性期に入院する必要がなかった人。参加者は、シンボル・ディジット・モダリティ検査(SDMT)、疲労度評価尺度(FSS)、病院不安・抑うつ尺度(HADS)を用いて後遺症の評価を受けました。

63人の患者を後遺症の評価対象にしました。平均年齢は39.21歳、49人(77.8%)が女性でした。37人(58.7%)は基礎疾患がなく、高血圧患者が14人(22.2%)、肥満が9人(14.3%)でした。後遺症の症状で訴えが多かったのは、疲労44人(69.8%)、認知機能障害41人(65.1%)、不安33人(52.4%)、抑うつ25人(39.7%)でした。

SDMT、FSS、HADS-A、HADS-Dの4種類の検査で、少なくとも1つは後遺症症状がある患者は、健常人対照群に比べpNfL濃度が有意に高かったです(P=0.0031)。

SDMTで認知機能障害ありと判定された患者は、なしの患者よりもpNfL濃度が高く、FSSで疲労の後遺症ありと判定された患者は、なしの患者よりもpNfL濃度が高くかった一方、HADS-Aで不安症ありと判定された患者や、HADS-Dで抑うつありと判定された患者は、有意差はありませんでした。認知機能障害は悪化するほど、疲労も悪化するほどpNfL値が高くなり、中枢神経系の損傷が大きいことが示唆されました。

これらの結果から著者らは、急性期には入院せずに済んだCOVID-19軽症患者でも、後遺症をもたらす中枢神経系の病変がある患者ではpNfL濃度が高いと考えられ、継続的なモニタリングと治療支援が必要な患者を特定するのに役立つと結論しています。

24.5.2Care Netに酪酸産生菌と感染症の関連

5月2日付のCare Netに、「腸内での酪酸産生菌の増加は感染症リスクの低下と関連」と題する記事が掲載れました。

腸内で酪酸産生菌が10%増えるごとに、感染症による入院リスクが14〜25%低下することが、オランダとフィンランドの大規模コホートを対象にした研究で明らかになりました。アムステルダム大学医療センターのRobert Kullberg氏らによるこの研究結果は、欧州臨床微生物学・感染症学会で発表予定です。

酪酸は、ビフィズス菌や乳酸菌などの「善玉」の腸内細菌が食物繊維を分解・発酵させる際に産生される短鎖脂肪酸の一種です。米クリーブランド・クリニックの説明によると、酪酸は大腸の細胞が必要とするエネルギーの大部分(約70%)を供給しており、消化器系の健康に重要な役割を果たしているといいます。

重症の感染症による入院患者において腸内細菌叢に変化が生じることは珍しくなく、また、前臨床モデルでは、好気性の酪酸産生菌が全身感染症に対して保護効果を持つことが示されています。酪酸産生菌は入院患者では減少していることが多く、またこれらの菌は感染症以外の腸疾患に対しても保護効果を持つ可能性が考えられます。

今回の研究では、試験参加者の便サンプルを用いて腸内細菌のDNAシーケンス解析を行い、腸内細菌叢の組成や多様性、酪酸産生菌の相対存在量を評価しました。さらに、国の登録データを用いて、便サンプルの採取から5〜7年間の追跡期間中に生じた感染症による入院または死亡について調査しました。

腸内細菌叢と感染症リスクとの関連を検討したところ、腸内細菌叢の中に占める酪酸産生菌の量が10%増えるごとに感染症による入院リスクは、オランダコホートでは25%、フィンランドコホートでは14%低下することが明らかになりました。

こうした結果を受けてKullberg氏は、「ヨーロッパの2つの独立したコホートを用いたこの研究で、腸内細菌叢の組成、特に酪酸産生菌の定着は、一般集団の感染症による入院予防と関連していることが示された」と結論付けています。また、研究グループは、「今後の研究では、腸内細菌叢を調整することで重症感染症のリスクを低減できるかどうかを検討する必要がある」と述べています。

24.3.27ファイザー機関誌で患者会紹介

ヘルスケア関連団体のネットワークづくりを支援するファイザー株式会社発行のニュースレター「まねきねこ」63号(3月27日発行)で、当法人をご紹介いただきました。

筋痛性脳脊髄炎(ME※1)は、脳と中枢神経に影響を及ぼす神経免疫系の難病で、機能障害は全身に及び、患者の生活の質を著しく低下させる重篤な疾患です。WHOは神経系疾患と分類していますが、日本では慢性疲労症候群(CFS※2)と呼ばれてきました。最近では自己免疫疾患であることを示唆する論文が多く発表されており、間もなく治療薬の治験も始まろうとしています。多くの患者がウイルス感染後に発症することで知られ、新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(コロナ後遺症)との関連も注目されています。病気の正しい認知を広め、研究促進や社会保障の充実を目指して活動する「NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会」について、理事長の篠原三恵子さんにお話を伺いました。

※1 ME:Myalgic Encephalomyelitis
※2 CFS:Chronic Fatigue Syndrome

社会生活が困難になる神経免疫系の難病
筋痛性脳脊髄炎(ME)は、日本では慢性疲労症候群(CFS)と呼ばれてきましたが、『疲労』という言葉から、この病気の深刻さの理解が妨げられ偏見が助長される恐れがあり、近年では国内外でも筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(以下、ME/CFS)と両名併記することが一般的です。

ME/CFSは、脳と中枢神経に影響を及ぼす重篤な疾患で、軽い身体的・知的活動などによってさえ急激に体が衰弱し、回復に非常に時間がかかる労作後の消耗(PEM)と呼ばれる症状が特徴です。他に、睡眠障害、頭痛・筋肉痛、思考力・集中力低下、筋力低下、起立不耐性、体温調節障害、光・音・食物・化学物質等への過敏性などの症状が持続し、社会生活を送るのが困難になります。篠原さんは1990年、アメリカ留学中にME/CFSを発症しました。それまで健康であったのに、起き上がることもできない日々が続き、いっぺんにさまざまな症状があらわれ、生活が激変しました。

疾病啓発や情報提供に取り組む
ME/CFSは専門家も少なく、詳しい病態は未だ不明な病気です。一般の検査では異常が検出できず、指定難病や障害者総合支援法の対象疾患にもなっていません。患者たちは社会の無理解と偏見に苦しみ、社会保障を受ける道も閉ざされてきました。この現状を打開し、安心して治療を受けられ、希望をもって生きていくことができる環境をつくっていきたいと考えて、2010年2月に任意団体「慢性疲労症候群をともに考える会」を立ち上げ、その後、活動の充実を目指して2012年6月に「NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会」になったそうです。

活動としては、病気の実態を描いたドキュメンタリー映画の製作や上映会開催、医療講演会やシンポジウム、患者の交流会などを行ってきました。また世界的に信頼されている診断基準や最新の海外の情報を翻訳して小冊子を発行し、ホームページに掲載することを通じて、病気の啓発にも取り組んできました。医療制度や社会保障制度の確立と充実を求めて、国や地方自治体への働きかけも行ってきました。ネットワークを広げるために日本障害者協議会(JD)やME国際同盟(World ME Alliance)にも参加しています。

また、神経難病の専門家である神経内科医による研究開始を願い、医師や日本神経学会にも働きかけを続けた結果、2015年に国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所において研究が始まりました。2016年10月には国内外のME/CFSの研究者を招いて、同法人主催で国際学術シンポジウムを開催しました。

コロナ後遺症との関連が注目される
ME/CFSは、歴史的にウイルス性疾患の流行後に集団発生が起きており、患者の大多数はウイルス感染が引き金となり発症していることから、海外では2020年春頃より多くの専門家が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き金にME/CFSが多発する可能性を警告してきました

同法人では、2020年5月に厚生労働省にCOVID-19とME/CFSの研究を要望するとともに、アンケート調査を行い、日本におけるCOVID-19を契機としたME/CFSの発症を確認しました。2022年12月に改正された感染症法の参議院の附帯決議には、衆参両院で採択された同法人の請願項目「COVID-19後にME/CFSを発症する可能性を調べる実態調査、並びにCOVID-19とME/CFSに焦点を絞った研究を神経免疫の専門家を中心に開始する体制整備」が盛り込まれましたが、未だに関連する研究費は認められていません。

2014年に行われた厚生労働省による実態調査では、寝たきりに近い重症患者が約3割もいるという深刻な実態が明らかになっています。当時の推定患者数は約10万人でしたが、最近、長期に及ぶコロナ後遺症患者の約半数はME/CFSの診断基準を満たすとする論文や報道が海外で相次いでおり、かなり増えている可能性があります。ところが、日本では報道も少なく、理解や対策が進んでいないことを同法人は危惧しています。

治験が始まることを希望として
同法人は、患者が医療関係者や周囲の方から理解を得られ、必要な医療や福祉サービスを受け、希望をもって生きられる環境をつくることを目指してきました。患者さんの中には経管栄養だけでかろうじて命をつないでいる重症の方もおり、体が衰弱して病院以外どこも行かれない方も多く、とても孤独な闘病を続けています。篠原さん自身、何週間も電話やメールのやり取りすらできないこともあり、当事者として活動していくことに大きな困難を感じています。

しかし、間もなく日本においてME/CFSに対する治療薬の治験が開始されます。ME/CFSは世界的に治療法が確立されておらず、海外での治験が製薬業界の資金援助を受けられずに頓挫したこともあり、日本で製薬会社の協力のもとに治験が実現することは、世界中の患者たちにも大きな希望となるはずです。患者が何よりも望んでいるのは、体調が改善して少しでも社会生活に戻れるようになることだからです。患者を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況ですが、「ようやく治験が始まることを希望として、活動を続けていきたい」と篠原さんは語りました。

24.5.8東京新聞にCOVID-19後のME/CFS

5月8日付の東京新聞に、「コロナ5類移行1年 今も後遺症 日常生活困難~特効薬なくあぶれる患者」と題する記事が掲載されました。

新型コロナウイルス感染症の後遺症に悩む人は、5類移行から1年たつ今も多いです。症状は多様ですが、中には激しい疲労感や脱力感に襲われて、長きにわたり日常生活が困難になる人も少なくありません。国内外で研究が進み、病原体から体を守る免疫の異常が関係するとの指摘もあります。たが発症メカニズムに謎は多く、特効薬がない状況が続いています。

コロナ後遺症についてWHOは、感染後3ヵ月が経過してなお疲労感や息切れ、認知機能低下など多様な症状が2ヵ月以上続き、他の病気の診断が当てはまらない場合と定義しています。感染者の10~20%で発症し、これまで200種類以上もの症状が報告されています。

症状の類似性が指摘されているのが、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」です。簡単な家事をした後にベッドから起き上がれなくなるなど、身体的な負荷をかけると極端に体力を消耗するのが特徴。免疫が自律神経系を攻撃して炎症を起こすのが原因の一つと考えられています。

京都大学の上野英樹教授は免疫細胞の一種ヘルパーT細胞に着目します。免疫反応を促して病原体を排除したり、反応を抑えて過剰な攻撃を防いだりする免疫の司令塔です。後遺症との関連を調べるため患者血液を分析すると、動悸や呼吸困難の症状がある女性グループは、免疫反応を促進するヘルパーT細胞が過剰にあり、倦怠感や頭にもやがかかったようなブレインフォグの症状がある男性グループは、反応を抑制するヘルパーT細胞が少なくなっていました。上野教授はこの現象を「免疫の乱れ」と指摘。体内に残るウイルスの断片が促進と抑制のパランスを崩し、炎症を起こし続けていると考えます。

これまでの国内外の研究では、自己免疫反応やウイルス断片の炎症のほか、感染症で炎症を起こした臓器の機能障害、体内に潜伏していた別のウイルスの活性化などが原因と指摘されています。

24.5.8Yahoo Newsにコロナ後のME/CFS

5月8日付のYahoo Newsに、「コロナ後遺症で2年間寝たきり 演歌歌手の夢挫折 治療法手探り続く」と題する記事が掲載されました。

型コロナウイルスの5類移行から8日で1年がたちましが、感染後の後遺症に悩む人は多いです。演歌歌手の相澤さん(30代)は、感染した約2年前から激しい疲労感などに襲われ、寝たきりの状態が続きます。

令和4年2月、コロナ感染し、最初は微熱などで症状も比較的軽かったですが、3週間が過ぎても改善せず、次第に強い倦怠感などに襲われました。3月、コロナ後遺症の専門外来に行き、症状の一つである「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME・CFS)」と診断されました。ME・CFSは発症後、心身に負荷をかけると極端に体力を消耗するのが特徴です。

1人暮らしが困難になり、6月には東京から神戸市内の実家に戻り、その後、症状は急激に悪化し、水を飲んでも胃腸障害を起こし、寝たきりの状態になるまで衰弱しました。10月には緊急搬送で入院し、症状はさらに悪化。体が動かなくなる恐怖とパニックで入院中に鬱病と診断されました。

退院後の3カ月間はベッドから一歩も動けず、オムツや酸素チューブを付け、向精神薬で意識がもうろうとした状態で過ごしました。今もほぼ寝たきりで、自室横にある数メートル離れたトイレに行くにも動悸が起き、それ以上に負荷をかければ、強い倦怠感に襲われ、数時間~3日間は動けなくなることもあるといいます。毎月5~6万円にもなる医療費が重くのしかかります。

医療関係者の無理解にも苦しみました。1年以上も往診した心療内科の医師が書いた他院への紹介状には「コロナ後遺症で動けなくなったと思い込んでいる」と書かれたこともあります。

24.5.9#GlobalVoiceForMEの南アフリカのウナ

名前:ウナ・アレキシア・カールセン
年齢:42歳
性別:女性
国: 南アフリカのケープタウン
病歴:20年

やっと診断がついたとき、医師は私がビルハルツ住血吸虫症と呼ばれる寄生虫感染にもかかっていることに気がつきました。私は若い頃、カブスカウトとして川をハイキングしたり、ダムで泳いだりしていたので、この感染症がMEの引き金になった可能性があります。

20代前半の頃、数週間ジムに通った後、数ヶ月も完全にエネルギーがなくなったのを覚えています。医師に話しましたが、「検査結果は異常なし」でした。このようなことが数回続いた後、医者を変えました。

2020年にジェン・ブレアのドキュメンタリー映画『Unrest』を見るまで、これが続きました。そして映画のおかけで病名がわかりました。開業医は私を神経内科医に回しましたが、MEという考えを受け入れることを拒否しました。その時に私は、専門医を見つけるために、ME/CFSのコミュニティに頼りました。

私のパートナーは完璧な権利擁護者で、MEに関して手に入るものはすべて読みました。彼女がいなければ、私はここまで到達できなかったでしょう。不幸なことに、彼女は現在Long COVIDにかかっています。

Long COVIDやMEと診断された友人や、友人の友人を見つけては、加速的に悪化しないために、何が起こりうり、どのように病気の症状を管理すればいいのか、その概略を伝えることができることを、誇りに思います。

私は20年間IT産業で働きましたが、要求される仕事の量についていかれなくなり、最終的に辞めなければなりませんでした。点滴治療と薬物療法で、私はいくらかエネルギーを取り戻しましたが、まだ恐らく85%の時間をベッドで過ごしています。トイレに自分で行くことはできますが、週に1回シャワーを浴びるエネルギーもほとんどありません。

私は#GlobalVoiceForMEとして世界の保健機関に、ME/CFSは本当の病気であると伝えたいと思います。ME/CFSは、人々を以前の自分の影に変えてしまい、人々は病気で自宅のベッドで一人でいる私たちの姿を見ることがありませんから、誰も気にも留めないようです。私たちは姿を見られず、心にも留まらないべきではありません。Long COVID患者の数はCOVID-19感染者の10~30%のようですし、その半数が診断基準を満たしたMEを発症しており、それは見捨ててしまうには人類のあまりに多くの割合です。その人たちは次のアインシュタイン、モーツァルト、ダヴィンチ、チス・バーナードかもしれませんが、治療法が見つけなければ、その可能性を果たすことは決してできないでしょう。

英語の全文はこちらからご覧いただけます