20.3.17パンデミックにおける障害者

障害者の権利に関する特別報告者であるカタリーナ・デバンダス氏は、3月17日にコロナウィルスと障害者に関する声明を発表しました。国際連合人権高等弁務官事務所(ジュネーブ)のHPに掲載されています。

現在、新型コロナウイルスのパンデミックが起きていますが、障害のある人々を保護するために必要なガイダンスとサポートを提供するための取り組みはほとんど行われていないと、障害者の権利に関する国連特別報告者であるカタリナ・デバンダス氏は勧告しました。

「障害を持つ人々は、自分達は取り残されていると感じています」と国連の人権問題の専門家は述べました。 「社会距離戦略や自己隔離などの拡散防止対策は、食事や着替え、入浴等を他の人の支援に頼っている彼らにとって、不可能であるかもしれません。」

「こうした支援は彼らが生きるために不可欠であり、加盟国はこの危機が続く間、安全な方法で支援の継続を保証するために、追加の社会的保護措置を講じなければなりません。」

国連の専門家は、障害のある人々が接触や感染のリスクを減らすことができるよう、合理的配慮が必須であると強調しました。彼らが確実に所得を保障されるためには、自宅で仕事をすることや有給休暇を取得することを許可されるべきです。この期間、家族や介護する人々が障害のある人に支援を提供するために、合理的配慮を必要とする場合もあります。

「障害のある人々やその家族がより弱い立場に追いやられたり、貧困に陥るリスクを減らすためには、追加の財政的援助へのアクセスも重要です」と説明しました。

「障害を持つ多くの人々は、停止されたサービスに頼っており、食料や医薬品を備蓄するのに十分なお金がなかったり、宅配の追加費用を支払えないかもしれません。」

健康上の理由で緊急時権限を使用することによって悪化する、感染の高リスクや外部からの監視の欠如を考慮すると、施設や精神障害者の施設、刑務所の障害者の状況は特に深刻であるとも、デバンダスは指摘しました。

「制限は最小限にとどめ、公衆衛生を守るために最も干渉的でない手段を使用すべきです」と彼女は語ります。 「愛する人とのコンタクトを制限することは、施設内でのいかなる虐待やネグレクトに、障害をもった人々を無防備にさらすことになります。」

「加盟国は、彼らが経験する構造的差別ゆえに、この集団の人々にに対して高度の責任を負っています。」

国連の専門家は、障害のある人々の生存は優先事項であることを再確認するのは当然であると強調し、医療資源が不足しているときに、障害を持つ人々が救命措置を含む医療へのアクセスを差別されないよう保障するために、加盟国は公衆衛生の緊急事態に対応する明確なプロトコールを確立することを要請しました。

「パンデミックに立ち向かうためには、コロナウイルスを予防し封じ込める方法に関する情報に、誰もがアクセスできることが重要です」と彼女は説明しました。

公共の保健機関からの一般大衆向け助言キャンペーンや情報は、手話でも、アクセス可能なデジタル技術、キャプション、中継サービス、テキストメッセージ、読みやすくわかりやすい言葉等をを含むアクセス可能な手段、モード、および形式で、一般の人が入手できるようにしなければなりません。 」

「障害者団体は、新型コロナウイルスへの対応のすべての段階において、意見を述べ関与すべきです」とデバンダス氏は締めくくりました。

デバンダス氏の訴えは、ハンセン病患者とその家族に対する差別の撤廃に関する特別報告者であるアリス・クルーズ氏と、高齢者のすべての人権の享受に関する独立専門家であるローザ・コーンフェルトマットによって支持されました。

英語の原文はこちらからご覧頂けます