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18.9.1事務所移転のお知らせ

この度、2018年9月1日をもちまして、事務所を移転することになりました。新しい住所や連絡先等は、9月1日にお知らせ致しますので、それ以降は新しい住所にお願い致します。尚、メールアドレスは変わりませんので、引き続き cfsnon@gmail.com が使用可能です。

今後ともどうか宜しくお願い致します。

NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会

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18.8.9日弁連の重症度分類撤廃を求める意見書

日本弁護士連合会のHP「難病医療費助成制度における重症度分類の撤廃を求める会長声明」が、8月9日付けで公表されました。2015年1月に難病法が施行され、経過措置が満了した今年の1月以降、助成打切り、または申請断念の患者が、従前の2割近く出ています。

「難病法」では、医療費助成の対象疾病の数を増加させる一方、軽症者を助成対象から原則外すこととしましたが、同法施行前から助成を受けてきた患者については、2017年末まで病状の軽重にかかわらず助成を続ける3年間の経過措置がとられてきました。今般、厚生労働省による集計の結果、経過措置適用者約72.7万人のうち、引き続き認定を受けたのは約57.7万人(79.4パーセント)に留まり、約15万人が不認定もしくは申請なしであることが明らかとなりました。

難病法は、疾患ごとに定められた重症度分類という基準を満たした重症者のみを医療費助成の対象としていますが、発症初期の段階から、症状の維持改善のため高額な医療費を要することもあるため、難病者の医療費の多寡は、症状の軽重とはさほど関係がありません。軽症であっても、医療費助成が受けられないことで、有効な治療法の断念を余儀なくされ、症状の重症化を招き、生活の質を著しく低下させ、かえって治療費を増大させ、長期的には財政負担をより増加させる要因ともなります。

報道によれば、軽症と認定されて打ち切られたことにより、難病者の生活に以下のような深刻な悪影響が生じています。
・一度助成が打ち切られると、後に重症化した場合であっても、医療費の負担の大きさのために再度の受診を躊躇してしまい、早期の治療につながらない。
・毎年の受給者証の更新時期に行政から送られてくる更新書類には、各疾患の患者会情報などが同封されており、難病者にとって病気などの貴重な情報源だったが、助成が打ち切られるとこうした情報も届かなくなり、難病者は孤立を深めることになる。
・指定難病に罹患していれば障害福祉サービスの対象となるところ、医療費助成の受給者証が発行されなくなるために、それまで利用していた障害福祉サービスも同時に打ち切られるケースも生じている。

このような不利益を被る難病者が約15万人も生じる事態は、「難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保及び難病の患者の療養生活の質の維持向上を図り、もって国民保健の向上を図る」(難病法1条)という法の目的に逆行する事態であるといわざるを得ません。

難病法はその附則において、法律の施行後5年以内を目途として必要な見直しをするとしています。かかる施行後5年以内の見直しにおいては、国は難病者に対し、症状の軽重にかかわらず等しく尊厳ある個人として生きることを保障する観点から、意見書記載のとおり、重症度分類の撤廃を含めた抜本的な法改正を行うとともに、従来医療費助成を受けていた難病者に深刻な悪影響が及ばないよう、難病法の運用を見直し、早急に適切な救済措置がなされるべきです。

会長声明の全文はこちらからご覧頂けます

18.8.8国際学会からの見解についての記者会見

8月8日に厚生労働記者クラブにおいて、「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班が発表した「日本における筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)治療ガイドライン」案に対して、国際ME/CFS学会から正式な見解が届いたのを受けて、改めて当会の意見を表明するために、岩井副理事長、事務局の近藤と共に記者会見を行いました。読売新聞、日経新聞、共同通信、時事通信等の方が出席してくださいました。

当会では昨年12月14日に記者会見を開き、治療ガイドライン案に反対の意を表明しました。研究班はパブリックコメントを募集しましたので、当法人では英語のHPを開設(https://mecfsjapan.com/)し、海外の専門医や患者団体からもパブコメを募集したところ、ME/CFS研究の世界の中心である国際ME/CFS学会から正式な見解が届きました。

・国際ME/CFS学会では、このガイドラインによって日本のME/CFS患者に危害が及ぶ可能性を懸念しております。
・「日本におけるME/CFS治療法ガイドライン」案において、段階的運動療法(GET)をME/CFSの治療法として推奨していることを、当学会では懸念しています。
・ガイドラインは、認知行動療法、ヨガのような行動療法アプローチや、さらにME/CFSの包括的治療法として抗うつ薬のような薬物治療で構成されているために、この文書によって医療従事者の間でME/CFSはそのような介入によって治癒又は回復することができる精神的な疾患又は心因性疾患であるという間違った信念を強化されるのではないかという、貴団体の懸念を共有します。

現在、研究班はAMEDへの研究報告書を作成中です。国際学会が一患者会の求めに応じて見解をまとめるほど「患者にとって危険なガイドライン案」を提案した研究班が、どのような報告書をまとめるのか、当法人では大いに憂慮しています。

「そもそもなぜ国際的な認識と日本の認識がずれてしまったのか」「国内でCFSとされているものと国際的なCFSとは違うのか」「ガイドライン案には推奨評価はないのか」「国際的にはウイルス感染後に発症するとされているのか」「山村隆先生の研究班の研究の方向性は、国際的なガイドラインにそったものなのか」等の質問が出されました。

18.8.8新しい難病対策課長補佐へご挨拶

8月8日に、この病気の資料や「この手に希望を~ME/CFSの真実~」のDVD等を持参し、岩井副理事長と事務局の近藤と共に、厚労省健康局難病対策課に新しく着任された福田誠一課長補佐(ME/CFS担当)へご挨拶に行って参りました。

まず、札幌の上映会に厚労省から後援を頂いた御礼をお伝えしました。そして、この病気の病名や中核症状、厚労省の実態調査の結果米国国立衛生研究所における研究ネイチャーダイジェストの記事などを見て頂き、世界的にME/CFSは神経免疫系疾患と認識され研究が進んでおり、日本でも国立精神・神経医療研究センターの山村先生の研究班がAMEDに誕生したことなどや、当会で製作したドキュメンタリー映画の上映会を各地で開催していることなどを説明させて頂きました。

また、「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班が提案した「日本におけるME/CFS治療ガイドライン」案に対して、国際ME/CFS学会から正式な見解が届いており、研究班の報告書が国際的なレベルのものであることを期待しているとお伝えしました。2014年に成立した難病法は、2年後に見直しが行われることになっていることや、指定難病検討委員会で現在、何が検討されているか等の情報交換もさせて頂きました。今後も厚労省と連携して研究を進めていくことができるよう、良い関係を構築していきたいと思います。

18.7.30ME/CFSの会ニュースNo.35発行

2018年2回目のME/CFSニュースNo.35を発行致しました。山村隆先生が班長の研究班がAMEDに誕生し、神経系疾患としての研究促進を求めた当会の請願が衆参両議院で採択されました。また、当会で製作したドキュメンタリー映画「この手に希望を~ME/CFSの真実~」のDVDも完成し、多くのメディアに取り上げて頂くこともできました。

クラウドファンディングに多くの皆さまからご支援を頂き、おかけで札幌で開催された日本神経学会学術大会に患者会ブースを出展し、最終日には上映会を開催することができました。当会では海外の患者団体との連携を強め、WHOに働きかけを開始致しました。また、世界的に有名な科学誌ネイチャーにME/CFSが取り上げられました。ME/CFSの会ニュースNo.35を多くの方にご紹介頂ければ幸いです。

・山村隆先生の研究班が採択されました
・衆参両議院で請願が採択されました!
・英語のHPにも請願採択の結果掲載
・ドキュメンタリー映画のDVDが遂に完成!
・クラウドファンディングへの支援に感謝
・神経学会(札幌)に患者会ブース出展
・ネイチャーダイジェストにME/CFSの記事掲載
・ガイドライン(案)に対する国際学会の見解
・診療指針作成への市民参加の記事
・啓発イベント#MillionsMissingに参加
・ME国際同盟がWHO事務局長に公開書簡
・世界保健総会でIAFMEがサイドイベント

・医療制度研究会のセミナーで講演
・札幌市で上映会を開催しました
・上田市で上映会を開催しました
・清瀬市で上映会を開催しました

・済生会の広報誌に宇都宮上映会の記事掲載
・北海道新聞に映画の記事掲載
・北海道新聞に旭川上映会の記事掲載
・北海道新聞「ひと」欄に紹介されました
・中日新聞に映画の記事掲載
・北海道新聞に札幌の上映会の記事掲載
・北海道新聞の「読者の声」に上映会の投稿
・共同通信社配信の記事掲載
・札幌テレビ「どさんこワイド179」で放送
・信濃毎日新聞に映画の記事掲載
・毎日新聞に上田市の上映会の記事掲載
・信濃毎日新聞に上田市上映会の記事掲載

・薬師寺議員が参議院厚労委員会で質問
・中野議員が衆議院厚労委員会で質問
・東京都小平市で意見書が採択されました
・障全協の中央行動で年金課と交渉
・「神経内科」から「脳神経内科」に変更

ME/CFSの会ニュースNo.35はこちらからご覧頂けます

18.7.30国際学会のガイドライン(案)への見解の訳

「慢性疲労症候群に対する治療法の開発と治療ガイドラインの作成」研究班が昨年発表した「日本における筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)治療ガイドライン」案に対して、7月25日に国際ME/CFS学会から最終見解を送って頂きました。全文を翻訳致しましたのでご紹介致します。
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「日本における筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)治療法ガイドライン」案に対する当学会の見解をという貴団体の求めに応じて、この手紙を作成しました。特に政策立案者、政府官僚、医学研究者、医療従事者の方々はME/CFSの様々な症状や複雑な特徴をよくご存じないことがしばしばですので、国際ME/CFS学会では、この文書によって日本のME/CFS患者に危害が及ぶ可能性を懸念しております

当学会の「臨床医のためのME/CFSの手引き2014年版」①に言及されているように、ME/CFSは神経系、免疫系、内分泌系、自律神経系、エネルギー代謝、その他の生理学的異常を伴う、深刻で複雑な身体疾患です。これらの異常は、米国医学研究所によって2015年に発表された9000以上の研究論文のレビュー②にも示されています。これは精神疾患でも心因性疾患でもありません。世界保健機関は現在、筋痛性脳脊髄炎を神経系疾患(G93.3)と分類しています①。

「日本におけるME/CFS治療法ガイドライン」案において、段階的運動療法(GET)をME/CFSの治療法として推奨していることを、当学会では懸念しています。GETに関する様々な研究は、過度に広い範囲の患者を組み入れてしまう診断基準、客観的評価尺度の不足、治験参加者を惑わすような情報提供の疑い、参加者の治験からの脱落率の高さ、治験開始後に変更された評価基準、評価が選択的に一部のみ報告された、有害事象についての報告不足などを含む多数の欠陥により批判を受けています。

2016年に米国医療研究品質庁(AHRQ)は、GETに対するエビデンスは「不十分である」と評価を下し、多くのGETの研究に使用されている、基準の緩い「オックスフォード」診断基準は非特異的であるために使用すべきでないと勧告しています③。当学会ではGETの治験の成果には懐疑的です。米国のCDC(疾病管理予防センター)も2017年秋に同様の結論に達し、現在GET をME/CFSの推奨する治療法から削除する作業を進めています⑤。

ME/CFS患者を数十年にわたって臨床的に診てきた当学会のメンバーは、GETは有効ではないと話しており、当学会ではGETを推奨しません。何千人もの患者を対象に、数か国にわたり数年かけて様々な研究グループによって行われた調査でも、GETが実質的に有効であったとする人はほとんどいないことがわかっています。むしろ、平均して約半数の解答者は、GETによって健康が悪化したと発表しています。従って、日本のME/CFS治療ガイドラインの最終版の中でGETが推奨されないことを願います。

今回の日本のME/CFS治療ガイドライン案は、認知行動療法、ヨガのような行動療法アプローチや、さらにME/CFSの包括的治療法として抗うつ薬のような薬物治療で構成されているために、この文書によって医療従事者の間でME/CFSはそのような介入によって治癒又は回復することができる精神的な疾患又は心因性疾患であるという間違った信念が強化されるのではないかという、貴団体の懸念を共有します。従って、下記のことをすることにより、この文書がこうしたいかなる誤解をも生じさせないようにすべきだと当学会は信じます:

a)ME/CFSは精神的な疾患でも心因性の疾患でもないことをはっきりと明らかにすること
b)こうした治療法は補助的にすぎず、最初に行う治療法でも、根治的又は疾患を緩和させる治療法でもなく、がんや心臓病などのような他の疾患に対するのと同様に扱うべきであることを伝えること(例えば、がん患者を認知行動療法やヨガだけで治療することはない)
c)このような治療法は全てのME/CFS患者に必須ではないことを強調すること(例えば、うつ病はME/CFSの症状ではなく、併存疾患としてうつ病がない患者に抗うつ剤を処方すべきではない)

我々のこの見解が、全ての人の益になる科学的で正確なガイドラインを作成するために文書をレビューしている貴患者団体、ガイドライン作成委員会、政府機関にとって役に立つことを願っています。
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英語の全文はこちらからご覧頂けます。全文の翻訳はこちらからご覧頂けます

18.6.12札幌テレビ「どさんこワイド」で放送

6月12日(火)に札幌テレビの「どさんこワイド179」という番組で、「原因不明の病気に理解を~誤解・偏見も・・・ 原因不明の病とたたかう」と題して、夕方6時半より10分間の特集番組を北海道で放送して頂きました。旭川市の患者会や、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群に対する診療・研究ネットワークの構築 」研究班班長である国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生のお話しや、当会主催で札幌において開催した上映会などを取り上げて頂きました。

ME/CFSは、今のところ原因不明で根本的な治療がなく、寝たきりになることもある病気ですが、十分に理解されていないために、患者たちは精神的に苦しんでいます。旭川市のHさんが最初に異変を感じたのは、看護学生だった時で、40度近い熱が3日ほど続きました。念願の看護師の仕事を始めたものの、年々体調が悪化して仕事を辞めざるを得ませんでした。いくつもの病院を転々とし、診断されたのは5年前の34歳の時でした。今は薄暗い部屋の中で一日のほとんどを横になって過ごしています。

NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会は、この病気の正しい理解を呼びかけるために、闘病の様子を描いたドキュメンタリー映画札幌で上映しました。会場には予想を超える多くの方が訪れ、病気の深刻さを感じました。同NPO理事長は、「患者たちは誤解や偏見に苦しんでいます。外見からは病気の症状の辛さは分かりません。周囲の方の理解で、生活しやすくなりますので、病気のことを知らせてください」と訴えました。

この病気の研究している山村隆先生は、診療体制を整えることが急務だと語り、「国内には推定で約10万人の患者がいますので、この病気を理解して患者さんを受け入れ、色々な治療をしてくれる医師を増やさなければなりません」と話します。

旭川市で患者会を作ったSさんは、高校2年の時に発症しましたが、学校ではこの症状をわかってもらえなかったため、教育現場で病気の理解が進むように議会に働きかけることにしました。「学校などで理解されないとすごくつらいです。辛い思いをする人が一人でも減れば良いと思って啓発活動をしています」と話します。患者会では患者同士の交流を深め、実態を発表することにしました。

医療機関も含め、この病気は理解されていません。私たちにできることは、この病気を知ることです。辛い体を押しながら、患者たちのたたかいは続きます。