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17.11.1ME/CFSの会ニュースNo.33発行

2017年3回目のME/CFSニュースNo.33を発行致しました。2014年に当会で製作を開始した、日本のME/CFS患者の実態を描くドキュメンタリー映画『この手に希望を~ME/CFSの真実~』の初めての試写会を10月22日に開催致し、盛会のうちに終了致しました。早くそのご報告をしたいと思い、急いで会報を発行しました。今後、各地で上映会を計画する予定です。また、年明けにはDVDも完成させたいと思っています。ME/CFSの会ニュースNo.33を多くの方にご紹介いただければ幸いです。

・盛会だったドキュメンタリー映画の初試写会
・試写会のアンケートのご紹介
・ノルウェーでのリツキシマブの第三相試験終了
・世界神経学会議で山村隆先生発表
・高木厚生労働副大臣との面談
・東京保険医協会と東京都との交渉
・全日本民医連のHPで初試写会を紹介
・新しい難病対策課長へのご挨拶

ME/CFSの会ニュースNo.33はこちらからご覧いただけます

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17.10.15「すべての人の社会」に初試写会の案内

JD(日本障害者協議会)の機関誌「すべての人の社会」448号のインフォメーション欄に、「初試写会 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)を描くドキュメンタリー」と題して、ドキュメンタリー映画「この手に希望を~ME/CFSの真実~」(監督:有原誠治)の初試写会の案内を掲載して頂きました。

日本の患者会が製作した初のドキュメンタリー映画「この手に希望を~ME/CFSの真実~」:日本では慢性疲労症候群として知られていますが、60年前から筋痛性脳脊髄炎と呼ばれ、世界的に神経免疫疾患と認められています。厚生労働省の実態調査で約3割が寝たきりに近い重症患者であることが明らかになりましたが、重症患者はほとんどが家から出ることもできないため、実態は闇に葬られてきました。日本では診察する医師さえまれですが、いま世界中の研究者が根治薬の開発にしのぎを削っています。

日時:10月22日(日) 13:30〜16:30
会場:TKPカンファレンスセンター・バンケットホール6G

筋痛性脳脊髄炎の会理事長の挨拶、山村隆/国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部部長、細田満和子/星槎大学副学長の話と交流

17.9.29ME/CFSの会ニュースNo.32発行

2017年2回目のME/CFSの会ニュースNo.32を発行致しました。2014年から当会で製作を開始しました、日本のME/CFS患者の実態を描くドキュメンタリー映画の初めての試写会を、10月22日に開催致します。今後、各地で上映会を計画する予定です。また、アートを通じてME/CFSの認知を高める活動であるMEプロジェクトの第2弾が、11月4日に開催されます。2018年の通常国会提出を目指した国会請願活動にも取り組んでおり、この病気の正しい認知が広がることを願っています。ME/CFSの会ニュースを多くの方にご紹介いただければ幸いです。

・当会製作のドキュメンタリー映画の初試写会
・野島那津子さんの研究論文のご紹介
・保団連学術活動交流集会で申理事発表
・日本病巣疾患研究会で申理事発表
・内科学会雑誌に山村隆先生の記事掲載
・「すべての人の社会」446号に記事掲載
・国会請願署名にご協力のお願い
・日本初のMEプロジェクトに参加
・日暮里でのMEプロジェクトのご案内

ME/CFSの会ニュースNo32はこちらからご覧いただけます

17.8.10内科学会雑誌に山村隆先生の記事掲載

2017年8月号の日本内科学会雑誌は、「内科診療に潜む脳炎・脳症」の特集を組んでおり、国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部長である山村隆先生が、「自己免疫性脳炎・脳症の臨床」と題してEditorial(巻頭辞)を書かれています。そこで、筋痛性脳脊髄炎にもふれていますので、ご紹介致します。

内科診療において遭遇する脳炎・脳症のうち、感染性脳炎は診療ガイドラインが活用されていますが、本特集号で取り上げた脳炎・脳症は診療指針となる情報がかなり限られています。しかし、傍腫瘍脳炎や橋本脳炎等の自己免疫性脳炎・脳症はそれほど稀な疾患ではなく、内科的治療(免疫治療)によって著明な改善が期待できますので、初期診療にたずさわる医師には十分な知識が求められます。

自己免疫性脳炎・脳症は、症状の進行が比較的遅いことがあり、血液検査の異常に乏しく、脳MRI画像所見が乏しいこともあり、診断が困難です。時には内科的治療が試みられないままに、「身体表現性障害」や「詐病」等の診断で、精神科や心療内科へ紹介されることもありますが、その背景には、MRI画像所見に依存しすぎる現在の医療の問題があります。一方で、脳MRI画像に異常のない症例の診療に有用な指針がないことや、教科書的な神経症候学が時に誤った判断の原因になっていることも指摘しておかなければなりません。

この10年間で、自己免疫性脳炎・脳症に合併する様々な自己抗体が発見され、診断マーカーとして利用できるようになっていますが、実地診療において測定できる抗体の種類には限りがあり、感度や特異性の問題も残され、検査結果が出るまでに数週間~数ヶ月かかることもあり、実用的な価値には課題が残ります。臨床的な事実とエビデンスによって早期治療が良好な予後につながることは明らかですので、臨床経過及び脳MRI画像、髄液、脳波検査等の結果が自己免疫脳炎・脳症の診断を示唆すれば、抗体検査の結果を待たずに早期治療を行うべきであると提言するposition paperが発表されています。

自己免疫性脳炎・脳症に関連する自己抗体で、病原性が証明されたものは少ないですが、抗体介在性の自己免疫疾患に準じた治療(ステロイドパルス療法、血液浄化療法、IVIgなどの有効性を期待できます。海外では難治例に対してリツキシマブによる治療が推奨され、抗NMDA受容体抗体脳炎については、治療アルゴリズムも提唱されています。

これからも新たな自己抗体が発見され、それを契機にして原因不明の神経疾患の解明が進むことが想像されます。病因や病態について様々な議論のある筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群や「子宮頸がんワクチン後にみられる中枢神経関連症状」では自己抗体同定の試みが進み、既に一定の成果が上げられています。今後、さらに科学的な検証が継続され、問題の本質が明らかにされることが期待されます。

17.8.15「すべての人の社会」446号に記事掲載

篠原 三恵子
JD(日本障害者協議会)の機関誌「すべての人の社会」446号の、連載「日本国憲法と私」欄第11回に、「難病者の基本的人権の保障を望む」と題する記事を掲載して頂きました。

難病対策委員会は、2013年1月に難病対策の改革についての提言をまとめ、「難病は、その確率は低いものの、国民の誰にでも発症する可能性があり、生物としての多様性をもつ人類にとっての必然であり、科学・医療の進歩を希求する社会の在り方として、難病に罹患した患者・家族を包含し、支援していくことが求められている」との基本的な認識を示し、難病対策が国民全体の課題であると表明しました。「難病の治療研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指す」ことを難病対策の改革の基本理念とし、これを基に2014年に難病法が成立しました。

難病法が施行され、対象疾患が56疾患から330疾患(2017年4月現在)に拡大されましたが、指定されない難病はその恩恵を受けることができません。それに対して日本弁護士連合会は、難病者の人権保障の確立を求める意見を、2015年に発表しました。「国は、難病者の基本的人権を尊重し、障害者権利条約の求める共生社会の実現に向けて、障害者基本法に基づき、難病者を支援する各種法制度を有機的総合的に推進するために難病者に関する法制度を抜本的に改革すべきである」とし、 『難病者』の概念について、障害者権利条約を受けた改正障害者基本法に即し、『難病者』とは、『難病による心身の機能障害及び社会的障壁により、日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者』とする」ように求めました。

憲法第10章は最高法規と規定され、第97条は「憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と書かれています。

2014年には厚労省によって、ME/CFSの患者の実態調査が行われ、約3割が寝たきりに近い重症患者であるという深刻な実態が明らかになりましたが、未だに指定難病になっていません。患者数が人口の0.1%程度に達しないこと(18万人未満)と、客観的な診断基準が確立していることという指定難病の要件を満たさないからです。WHOで神経系疾患と分類されているこの病気の研究が、当法人の働きかけによって、専門医である神経内科医によって本格的に開始されたのは、つい2年前のことです。

いつまで待てば、憲法で保障された基本的人権が守られるようになるのでしょうか。すべての難病者の基本的人権が、一日も早く保障されるようになることを切に願います。

 

 

 

 

17.8.8野島那津子さんの研究論文のご紹介

日本学術振興会特別研究員として東京大学所属の野島那津子さんが、日本保健医療社会学論集第27巻2号(2017年1月発行)に、「診断のパラドックス~筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群及び線維筋痛症を患う人々における診断の効果と限界」と題して、報告論文(本文9ページ)を発表してくださり、5月に日本保健医療社会学会の第11回学会奨励賞(園田賞)に選出されました。

2014年に「家計経済研究Autumn号」にも、論文を発表して下さいましたが、診断の効果の時間的変動や、当事者と他者との間に及ぼす影響は十分に検討されていませんでした。この論文は、全国の15人のME/CFS患者と16人の線維筋痛症(FM)患者を訪問して、インタビュー調査が行われました。本論文は、患者の語りから、診断が当事者にもたらす影響について検討し、安心感の獲得、思い/苦しみの正統化、自責の念からの解放といった効果が生じていた一方で、診断後も患いに対する他者の評価は低いままであり、病名を伝えても病気と見なされないという「診断のパラドックス」が生じていることがわかりました。診断のパラドックスは、病者の周囲による脱正統化作用の大きさを浮き彫りにし、診断それ自体の正統性が脆弱であることを示唆しています。

【診断の効果】
ME/CFS、FM、化学物質過敏症などの病気に共通するのは、当事者が身体的症状を訴えても検査で異常が確認されないため、何らかの身体疾患を疑う当事者と、それを認めない医師との間に緊張が生じることです。診断がつかない場合には、詐病や怠惰を疑われたり、心理学的説明や何らかの精神疾患の病名が付与されたり、「誤診」されたりし、当事者の「現実」が否定されるという意味で、ときに症状と同様に、あるいはそれ以上の困難として病者を苦しめます。仕事や学校などの通常義務が果たせなくなり、多くの場合は医師や家族など周囲の人々からますます疑いの目で見られ、心無い言葉をかけられるなど、他者から否定的評価を受け続けることになり、病者に不安や屈辱を生じさせることは想像に難しくありません。それゆえ、診断の効果として真っ先に挙げられるのは、安心感の獲得です。

診断によって安心感を得られるのは、医学的権威のもとで正統な「病気」だと医師に認められるからに他ならず、逆に言えば、医学的に認められない患いは、病者の社会的地位を不安定にまたは消失させ、自己やアイデンティティを危機に陥れます。ME/CFS患者やFM患者は、診断以前に別の病気と診断されているケースが少なくありませんが、精神疾患等の病名は、病者の身体感覚にそぐわないばかりか、身体症状を無効化するものとして患者には受け入れがたく、そうした捉え方では身体症状を適切に説明することができないという、病者の身体のリアリティに由来します。

外出できない背景には「正統な」理由があることが証明され、「自分が悪いことをしていないんだ」と思うことができた方や、周囲から「怠けている」「だらしがない」と評価され、学校の課題などやるべきことができない自分を責めていたのが、診断されることで自責の念から解放された患者さんの例が挙げられます。病名診断は、体が思うように動かない原因が自分の意思や精神にあるのではなく、自分ではどうしようもできない身体にあることの証明として経験され、患いが道徳的ないし精神的なものではなく、医学的ないし身体的なものであることを証明するものとして、自責の念からの解放という効果を当事者にもたらしていることが確認できます。

【診断の限界】
診断は、病者が精神的安定を得るきっかけとなっていますが、他者とのかかわりにおいて、必ずしも肯定的な効果を及ぼしていません。診断後に福祉サービスを受けられないか保健師に相談したところ、「愚痴なら聞きに来ます」と言われショックを受けたケースでは、病者が礼儀を欠いてはならないと無理して坐って話をしたために、保健師には見た目以上に考慮すべき対象とはうつりませんでした。病気の深刻さが伝わらないのは、相手が親密でない他者だからというわけではなく、実際に日々、病者が苦しんでいるのを知っている/見ているはずの家族でさえ、深刻な病気と見なさないケースが多いです。頻繁に入院している事実を知りながらも、FMと診断されたことを伝えた姉に、「死なないんじゃ、大したことないじゃん」と言われた方もいます。

病気の深刻さは、周囲の人々には診断されたという事実だけでは伝わらず、診断されようがされまいが、患いそのものに対する周囲の評価は低いままであることがわかります。診断され患う姿を見せているにもかかわらず、その実態が他者に伝わらない状況は、病者のリアリティがないがしろにされているという意味で、病の経験が診断以前と同様に毀損されていると言えます。こうした事態は、診断以前と同様に病者に大いなる精神的苦痛を呼び起こしますが、診断されていることを告げても病気と見なされないケースもあり、「病気」と認知されているだけでも良いのかもしれません。

FMで激痛に襲われた時に、妹に「痛くないと思ったら痛くないんだから」と言われた一言は、「気のせいだ」と同種の言葉であり、疲労や痛みといった目に見えない症状は、すべて病者の想像の産物に過ぎないことを含意しています。家でぐったりしていると、家族に家事を免れたいがために仮病を装っていると非難されるという、ME/CFSの患者さんの場合には、「医学的に証明されたわけではない」とか、バイオマーカー不在の事実を持ち出して、家族が病気の存在を否定します。ME/CFSと診断後に障害年金について行政に相談に行って、「そんな病気はありません」と言われた方も。診断されて、病気であることを証明できると思った矢先に、他者から患いを矮小化され、場合によっては病気の存在そのものを否定されてしまいます。

【診断のパラドックス】
ME/CFSやFMの診断の効果は、他者とかかわる場面で限界を呈するとともに、病気の実在をあらわすところの病名が病気の不在をあらわすという「診断のパラトックス」が生じています。診断の限界及びそのあらわれ方を診断のパラドックスとして提示する本論文は、時間的・対他的限界性を考慮して診断の効果を同定する必要性を提起しています。診断のパラドックスは、周囲の人々による「患い/苦しみの脱正統化」と呼びうる事態です。通常、病名診断を得た病者は、「患者」の地位を与えられ、社会の是認のもとでさまざまな義務を免除され治療に専念するとされますが、ME/CFSやFMの診断は、他者とのかかわりの中では「患者」であることを必ずしも保障せず、日常的な義務が免除される理由にもならず、病者の患い/苦しみは、いったん診断によって正統化されるものの、その正統性を信用しない他者によって脱正統化されてしまいます。このことは、診断そのものの正統化作用の脆弱さを示唆しています。

【おわりに】
診断以前は診断さえされれば他者に納得してもらえるという希望がありましたが、診断されても病気と見なされないという事態は、当事者をジレンマに陥れます。こうした背景には、社会的認知の不足、バイオマーカーの不在、症状の不可視性などの要因が考えられ、今後は診断のパラドックスが生じる背景、パラドックスのメカニズムを解明する必要があります。また、「病気」の社会的実在性がどのようにして担保されるのか、その諸条件が検討されるべきです。

17.6.30MEプロジェクトをYouTubeにアップ

6月18日に「五反田の家」で、アートを通じたME/CFSの啓発イベントであるMEプロジェクトが、日本で初めて開催されたことはご紹介致しました当法人が製作中のドキュメンタリー映画の有原誠治監督が撮影・編集を行い、YouTubeにアップ致しました。

~MEプロジェクト~
Merry Fullerence メリーフラーレン
・ピアノ Tinaさん
・ボーカル Rikaさん
コンテンポラリーダンス 牟田のどかさん

今後、3人の方は、色々な場所で啓発活動を行って下さることになっています。次のMEプロジェクトは、11月4日に日暮里で開催予定と伺っています。YouTubeを多くの方にご紹介頂き、この病気の認知が広まるよう、ご協力をお願い致します。

 

YouTubeは下記のURLからご覧いただけます。https://youtu.be/H62D4zrn1G4