アーカイブ

17.3.7テレビ東京で放送されます

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e5%b1%b1%e6%9d%91%e5%85%88%e7%94%9fhp関東地方に限られますが、3月7日(火)夕方3:55より、テレビ東京のL4YOUという番組の後半で、ME/CFSが取り上げられます。ME/CFSを神経系疾患と捉え、本格的に研究をしてくださっている国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生が生出演されます。

日時   3月7日(火)夕方3:55からの番組後半
テレビ局 テレビ東京
番組   L4YOU(エルフォーユー)
番組HP   http://www.tv-tokyo.co.jp/l4you/
テーマ  疲れが取れない…疲労回復徹底研究!慢性疲労症候群とは
ゲスト  佐藤藍子
専門家  国立精神・神経医療研究センター 山村隆先生

「なんだか最近疲れが取れない…とお悩みの方に疲労のメカニズムと対策法、疲労回復食材をご紹介。また、近年研究が進む慢性疲労症候群とはどんな病気なのか解説します。」

フェイスブック、twitter、ブログ等で、多くの方にお知らせいただければ幸いです。

※よほど大きな事件がない限りは放送されますが、万が一、中止の場合もございます。

17.1.30国際ME/CFS学会会報に実態調査掲載

菜の花国際ME/CFS学会のニュースレターVolume 10,Issue 1に、2015年7月の「ノーマライゼーション」に掲載された患者の実態調査の記事とその補足を英語に訳したものを、「日本政府により委託されたME/CFS患者の全国調査」と題して、Reserch(研究)欄に掲載して頂きました。

「2014年に日本の厚生労働省は、日本全国のME/CFS患者の実態調査を委託しました。この結果、日本のME/CFS患者の30%は重症患者であることが明らかになりました。NPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」理事長の篠原三恵子氏は、実態調査について補足し、実態調査の結果を要約してくれました。この調査は元々2015年7月号の『ノーマライゼーション』に掲載されたものです。」

(科学の共通語としての英語のステータスにも関わらず、英語で出版あるいは翻訳されないために、英語圏の科学界や医学界にとって、ME/CFSに関する貴重な調査が”失われて”います。従って、もしあなたが英語以外の言葉で書かれた興味深い研究論文を読み、その結果を今後のニュースレターのために要約して下されば、歓迎致します。)

【実態調査の補足】
日本では、この疾患をストレスが原因の疲労の病気として捉えた研究が、今も継続されている。2010年には、40%の患者は完治し、5年以上症状が続いている患者の多くは学校や会社に復帰できるとする発表さえあった。このため、重症患者は必要な家事支援を受けられず、医療からも行政からも顧みられることはなかった。こうした状況で、患者会の強い働きかけにより厚労省による実態調査が行われ、初めて深刻な実態が明らかになった。

中等度~重症患者の日常生活は、多くが家族の支援に依存している状況にあることが明らかになり、家族・親戚など近親者のサポートが日常的に受けられない一人暮らしの患者の日常生活困難度の深刻さを考えると、本疾患に対して早急な支援体制構築・対策が急務であると考える。本疾患は進行性疾患ではないが、重症化する患者も多いことから、環境因子が悪化の一因となり得ると考えられる。また、重症化を防ぐために、重症患者に加えて中等度困難者から支援・介入を行なう意義が高いと考える。

電話や訪問での聞き取りにより、身体障害者手帳を取得後、寝返りもできないほど重症で日中は家族が仕事のために誰もいないにもかかわらず、行政より居宅介護を1日1時間しか認められないといった事例や、行政より居宅介護が認められても、ヘルパー不足により介護者が見つからず、ほとんど介護が受けられないといった事例もあることが判明している。こうした問題の解決も急務である。苦しんでいる患者を救済し、実際に患者の生活の質の向上にむすびつく研究が遂行されることが切に求められている。

※掲載にあたって、学会副会長のLily Chu先生とやり取りしましたが、他の人種にもME/CFS患者がいることは知っていますが、欧米の研究論文の95%は白人対象の研究であるため、アジア圏の患者に関するこの情報は、非常に貴重だと言って頂き、今度も日本の状況を投稿してほしいと頼まれました。

17.2.1保団連誌の診療研究に申理事の記事掲載

17-2-1%e6%9c%88%e5%88%8a%e4%bf%9d%e5%9b%a3%e9%80%a3%e3%81%ae%e8%a8%ba%e7%99%82%e7%a0%94%e7%a9%b62016年10月の保団連医療研究フォーラムにおける、当法人の申偉秀理事の発表が優秀演題に選定され、保団連(全国保険医団体連合会)の月刊誌(全国10万人以上の医師・歯科医師が購読)への投稿を依頼されました。この度、保団連誌の「診療研究」に、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の日常診療~実態調査概要と今後の治療も踏まえて」と題して、5ページにわたって記事が掲載されましたので、ご紹介致します。

申理事のプロフィール:1990年東京大学大学院医学系研究科修了。1989~1991年文部省学術振興会特別研究員、1991~1994年ハーバード大学血管内科研究員、1995~2001年東京大学保健センター助手を経て、2001年から関町内科クリニック院長。

ME/CFSは、脳と中枢神経に影響を及ぼす多系統にわたる複雑な慢性疾患であり、患者のQOL を著しく低下させる重大な疾患であるにもかかわらず、客観的診断指標がないために、医療者から心因性、詐病扱いを受けてきた。また患者数が多いとの理由により指定難病の対象外とされ、患者は疾患による苦痛に加え、社会から疎外され孤立している。かかりつけ医として、現状を打破するために患者会活動に参加した内容を報告する。

米国NIHは、「ME/CFSはいかなる種類の労作でも激しい症状の再発につながる全身性の労作不全を特徴とする、後天的な多系統にわたる慢性疾患であり、免疫障害・神経機能障害・認知機能障害、睡眠障害、自律神経系の機能障害を含み、激しい疲労を伴う著しい機能障害が引き起こされる。また、広範囲の筋肉痛・関節痛・咽頭痛・リンパ節圧痛や頭痛などがみられ、ある罹患時期に4分の1の患者は寝たきりか家から出られず、多くの患者では発症前のレベルの身体機能を取り戻すことはない」とHPに発表している。

このように極めて重篤な疾患であるのに、日本では医療関係者ですら正しく理解しておらず、診療にあたる医師もごく限られ、患者は医療機関から疎外され、社会からも孤立していた。1990年米国留学中にME/CFSを発症、帰国後2006年から寝たきりに近い1人の女性患者が、2008年に国内で困難の下で生きている他の患者と出会い、翌年ME/CFSを題材にした米国映画を翻訳・上映し、2010年に数人で患者会「慢性疲労症候群をともに考える会」を立ち上げ、2012年にはNPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」となった。

英国では1955年に集団発生があり、1956年に筋痛性脳脊髄炎(ME)という病名が「ランセット」に提案された。1980年代に集団発生があった米国では、CDCが研究を始めたが、心因性疾患との認識が医療人や社会で根強かった。その後、治療とされた認知行動療法や段階的運動療法の有効性は否定された。米国で1988年に命名された「慢性疲労症候群(CFS)」は病態を表さず、現在は世界的にME/CFSと呼ばれることが多い。

米国では、2015年に大増額された予算でNIHが国立神経疾患・脳卒中研究所が主導する多施設研究を行うと発表。その背景には、近年ME/CFSに特異的な脳画像所見が報告されるようになったこと、ME/CFSに特異的な免疫異常も多く報告され、並行してノルウェーでの免疫調整剤リツキシマブを用いた臨床試験が顕著な効果を示していることがある。

患者会ではこれら知見をもとに、ME/CFSの病態解明と治療法開発に神経内科の関与の必要性を、2015年の日本神経学会総会で訴え、視神経脊髄炎を免疫調整剤で治療した実績を持つ国立精神・神経医療研究センターの山村隆先生の協力を得ることができた。また、脳卒中後麻痺に効果のある経頭蓋磁気刺激法で実績のある国際医療福祉大学の角田亘先生の協力も得られ、実際症状の改善を得ている。患者会では重症心不全の高度先進医療である和温療法を用いた入院治療(静風荘病院天野顧問)を推奨しており、ME/CFS患者で顕著な効果を報告している。

2010年に篠原患者会代表が東京保険医協会を訪問、協会として支援を開始した。筆者は一開業医として、篠原代表が翻訳した海外文献、診断基準、講演録などの医学監修、上映会での講演、医師会・保険医協会での発表、厚労省、東京都など行政要請行動での医学的説明、研究協力者との打ち合わせなどをしながら、徐々にME/CFS患者の外来治療を始めた。

患者会では2016年10月に米国のME/CFS専門家、国立精神神経医療研究センターの山村隆先生、鄭忠和前鹿児島大教授(和温療法開発者)を招請して「ME/CFSも治療の時代へ」と題する国際シンポジウムを開催した。ハーバード大コマロフ教授は、米IOM(医学研究所)が全世界9000以上の論文をレビューし、「ME/CFSは生物学的ベースの疾患である」と結論付けたことが米国医学会を納得させ、国を挙げて研究に動き出した経緯を報告。前国際ME/CFS学会長のクライマス教授は、ME/CFSの基礎・臨床面での知見と現在進行形の臨床試験について報告し、同疾患が神経免疫疾患であることを強調した。講演内容と共に患者に勇気を与えたのは、日本神経学会代表理事の高橋良輔京都大教授の開会あいさつであった。高橋教授は、コマロフ教授と山村先生と共同で、ME/CFSの神経系異常についての論文を執筆し、日本神経学会誌へ掲載する予定である。

今まで患者たちは、病院を受診しても普通の検査では異常が認められないために「心因性」疾患として心療内科、精神科へ紹介されることも多々あった。見慣れぬ疾病の診療には腰が重いものであるが、治療法の開発、診療拠点の構築の途において、是非日常診療への参与を諸先生へお願いしたい。

全文はこちらからご覧いただけます。HPから全文をダウンロードする許可を下さった保団連に感謝致します。

17.2.1東久留米市広報に記事掲載

images篠原 三恵子
市民に障害者差別解消法についての理解を促すために、東久留米市では広報に「障害などの当事者が考える差別・配慮について」の欄を設けています。2月1付けの広報のその欄に、「病気に起因する障害も対象です」と題した原稿を掲載して頂きました。

4月から障害者差別解消法が施行されましたが、難病や難治性疾患に起因する心身の機能の障害も、障害者差別解消法の対象であるのをご存じでしょうか。難病患者の多くは、体力がないために活動を制限せざるを得ず、無理をすると悪化し、体調に波があるために継続的活動が困難です。さらに、体調が不安定で短時間しか活動できない等の困難を抱えていますので、社会参加するためには、障害(病気)の特性に応じて、一人ひとりの体調や体力に応じた合理的配慮が必要です。

平成26年に厚労省よりME/CFS患者の実態調査が行われ、寝たきりに近い重症患者が約3割もいるという、深刻な実態が明らかになりました。昨年には障害者総合支援法の福祉サービスの対象疾患が拡大されましたが、依然、ME/CFSなどの多くの難治性疾患が除外されています。そのため、ME/CFS患者は社会参加どころか、命を維持していくことさえできないほど重症化しても、必要な介護を受けられない方、必要な車椅子を支給されず、月に一回の通院で体力を使い果たす方や、それすらできない方もいます。登校拒否と思われ、義務教育すら保障されなかった小児患者もいます。その他、患者達には医療を受ける権利、選挙権を行使する権利、働く権利等、他の人と平等に社会参加する権利が保障されていません。

難治性疾患によって日常生活又は社会生活に相当な制限を受けているのに、病名により除外される難治性疾患があることは、差別ではないでしょうか。福祉サービスの対象は病名で区切らず、生活の困難さに応じて支援する仕組みに抜本的に変え、疾患によって生活のしづらさがある全ての人に必要な合理的配慮が提供されるようになることを願っています。

17.1.15「すべての人の社会」に請願採択の記事

img134JD(日本障害者協議会)の機関誌「すべての人の社会」439号のトピックス欄に、「衆参両院でME/CFSの請願採択」と題して、当法人の請願が衆・参両院厚生労働委員会で採択されたことを掲載して頂きました。

請願事項は、「国立精神・神経医療研究センター等の神経内科の専門家が参画して、客観的な指標を含む診断基準作成と治療法開発の研究を促進し、全国の神経内科および神経内科に連携する診療科が診療に当たる体制を早期に整えてください」「国内外における治療法の研究の状況を踏まえつつ、リツキシマブアンプリジェン等の治験を含む治療法開発の研究を早急に促進してください」

筋痛性脳脊髄炎の会理事長は、この請願が採択されたことにより、一日も早く治験が開始され、日本全国で神経難病と認められるようになることを願うと話しています。

16.12.30ME/CFSの会ニュースNO30発行

16-12-30mecfs%e3%81%ae%e4%bc%9a%e3%83%8b%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%b9no302016年3回目のME/CFSの会ニュースNO30を発行致しました。今年の秋は、患者会にとってとても嬉しい出来事がいっぱいでした。国際学術シンポジウムを盛会のうちに開催することができましたし、筋痛性脳脊髄炎議員連盟も発足して頂き、請願も衆参両院で採択されました。ME/CFSの会ニュースを多くの方にご紹介いただければ幸いです。

・盛会だった国際学術シンポジウム!
・自民党の筋痛性脳脊髄炎議連発足
・今年も請願が採択されました!
・東京保険医協会と東京都との交渉
・大フォーラムと厚労省との交渉に出席
・JD主催の憲法を語る集会で発言
・NHKの首都圏 ニュースで放送
・保団連医療研究フォーラムで申理事発表
・「みんなのねがい」の「当事者連載」④
・角田亘先生の論文のご紹介
・毎日メディカルに申理事の記事掲載
・社労士向け研修セミナーのご案内
・映画鑑賞と交流のつどい@三鷹のご案内

ME/CFSの会ニュースNO30はこちらからご覧いただけます。

16.12.15毎日メディカルに申理事の記事掲載

16-12-15mmj%e3%81%ae%e8%a1%a8%e7%b4%99医学誌ランセットに2016年4月16日付けで、「慢性疲労症候群患者の自殺リスク 一般集団の7倍」と題する記事が掲載されました。毎日メディカルジャーナルはその論文を取り上げ、論文の要約と、当法人の申偉秀理事による「慢性疲労症候群は器質的疾患~神経難病として認知し、公的支援拡充を」と題する解説を掲載しました。

【論文の要約】
2007年1月~13年12月の7年間に英国のイングランドとウェールズにおいて、慢性疲労症候群(CFS)患者、がん患者、一般住民の全死因における死亡率を比較しました。CFS患者における全死因死亡率、またはがん患者の死亡率は、性・年齢別標準死亡率において、有意な差が認められず、解析から自殺による死亡を除いても結果は変わりませんでした。ところが、CFS患者の死亡率については、有意な上昇が認められました。%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%81%ae%e7%94%bb%e5%83%8fp1

結論として、CFS患者の全死因による死亡率の増加は認められませんでしたが、自殺による死亡率の大幅な増加が示されました。このことは、臨床医がCFS患者において自殺既遂のリスクが増加していることを認識し、自殺傾向を適切に評価する必要性を明らかにしています。

【申理事の解説】
ME/CFSは、WHOで神経系疾患(ICD-10 G93.3)と分類されており、脳と中枢神経に影響を及ぼす複雑な慢性疾患です。機能障害は全身に及び、患者の生活の質を著しく低下させる神経難病で、現在のところ有効な治療法はありません。厚労省の実態調査において、患者の約3割は寝たきりに近いという深刻な実態が明らかになりました。mmj%e3%81%ae%e8%a8%98%e4%ba%8b%e3%81%ae%e9%ae%ae%e6%98%8e%e7%94%bb%e5%83%8fp2

世界的に最も信頼されている「カナダのME/CFSの臨床症例定義」において、一次性精神疾患は除外すべきとされており、CFSにおけるうつ状態は疾患罹患による二次性のものであり、視床下部-下垂体-副腎軸の動態からも区別されます。本疾患は、一般検査によっては異常が認められず、臨床診断に頼ることなどから、しばしば心因性疾患、または詐病と扱われることも多く、周囲の無理解と偏見による患者の苦しみは大きく、ほとんどの患者が職を失うにも関わらず、社会保障を受ける道を閉ざされています。このような状況において、将来を悲観して自殺を選択せざるをえない状況に患者を追い詰めている実態が、社会に知られていません。著者らも、患者がうつ病の内因性要素を持っているのではないとしています。

2016年2月に米国国立衛生研究所(NIH)は、国立神経疾患・脳卒中研究所が主導して行う多施設研究の詳細を発表しました。ウィルス感染が引き金となって感染後ME/CFSを発症し、その結果、免疫介在性脳機能障害が起きるという総体的仮設を立て、免疫機能障害を標的にした治療薬の効果を確かめ、国の承認を得ることを目指しています。その論拠として、B細胞を枯渇させるモノクローナル抗体であるリツキシマブを使用した治療後に、患者に遅発性の臨床効果があったことを示すノルウェーの2つの論文をあげています。日本においても、2015年より国立精神・神経医療研究センター神経研究所において、本格的な研究が開始されました。また、和温療法rTMS(反復的経頭蓋磁気刺激法)などの治療法の研究も進んでいます。

結論のごとく、本疾患患者の自殺傾向を十分評価することが肝要なのは間違いありませんが、そのためには患者を追い詰める原因の除去が基本です。1)本疾患が器質的疾患であることを社会及び医療者が認識する、2)専門科である神経内科医による診断と評価、3)一般医による日頃のケア、神経難病としての公的支援の拡充、4)神経難病としての研究の促進と治療薬開発に向けた臨床治験の国内での推進が、難治性といわれ将来を閉ざされている患者に希望を与え、自殺を減らす確実な道であることを銘記すべきです。