2022年3月に発行した「COVID-19とME/CFS」の小冊子に最新の情報を大幅に加筆し、タイトルも「Long COVIDとME/CFS」に変更し、第二版を発行致しました。“コロナ後遺症”の対応にあたっておられる医療・福祉関係や行政の方々に、ME/CFSという病気を正しく理解していただき、診療や研究に役立つ資料を提供するために、Long COVIDとME/CFS関連の情報をまとめました。
本小冊子に対して、日本におけるME/CFS研究の第一人者でいらっしゃる、国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部特任部長の山村隆先生より、「世界でもトップランクの内容かと思います」とのコメントをいただきました。
米国のイエール大学教授(免疫学)の岩崎明子先生に本小冊子をお送りし、「篠原様のお仕事は多数の人々を助ける結果になると期待しております。アメリカから応援しております」とのメールを頂きました。
COVID-19を契機にME/CFSを発症する方が急増していることは、世界的に注目を集めていますが、日本ではほとんど知られていません。ME/CFSは2014年の厚生労働省の実態調査において、約3割の患者が寝たきりに近いという深刻な実態が明らかになっており、今後の社会的影響は計り知れません。
一日も早く患者の方々が診断や治療を受けられるようになり、COVID-19を契機にME/CFSを発症する可能性を調べる実態調査が実施され、COVID-19とME/CFSに焦点を絞った研究や治療法の開発が、神経免疫の専門家を中心に行われるようになることを心から願っております。多くの方に読んでいただき、ご活用いただければ幸いです。
米国国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長が、COVID-19後に長引く症状は筋痛性脳脊髄炎の症状に似ていると発言したことが、2020年7月にCNNニュースで取り上げられ、COVID-19とME/CFSの関連は世界的に認知されるようになりました。
ME/CFSの集団発生は歴史的にウイルス疾患の流行後に起きており、世界中で8000人がかかった2002~2003年の最初のSARSの流行後、回復した369人の患者の27%が、数年後にME/CFSの診断基準を満たしたことを一つの研究は示しています。こうした今までの科学的エビデンスを基にすると、COVID-19の全感染者の約1割がME/CFSを発症すると推計されます。
Long COVIDとME/CFSの関連を調べる研究は進み、国内外の多くの専門家は、ME/CFSの診断基準を満たすLong COVIDと、パンデミック以前のME/CFSは同じ病態だと表明しています。ハーバード大学医学部教授のアンソニー・コマロフ先生、米国国立衛生研究所(NIH)のME/CFSの主任研究者であるアビンドラ・ナス先生、イエール大学免疫学部教授の岩崎明子先生、ドイツのシャリテ医科大学免疫学部教授のカーメン・シャイベンボーゲン先生、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部長の山村隆先生などです。
日本では2015年より国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部において、神経免疫疾患としてのME/CFSの研究が行われており、2021年7月にはNCNP病院にコロナ後遺症外来が開設され、20228月の段階で100名以上がCOVID-19関連のME/CFSと診断されています。
小冊子は600円(送料込み)でお分けすることもできますし、ダウンロードしてご活用いただければ幸いです。
小冊子「Long COVIDとME/CFS」(2022年10月発行)はこちらからご覧いただけます。
小冊子「COVID-19とME/CFS」(2022年3月発行)はこちらからご覧いただけます。
※当法人では今まで7冊の小冊子を発行してまいりました。新しい小冊子を含め8刷セットでお申込みをされる場合には、送料込みで2000円となります。お振込みをされる際には、必ず NPO 法人「筋痛性脳脊髄炎の会」に送り先の住所・氏名をお知らせください。当会から発行した7冊の小冊子のご案内は、こちらからご覧いただけます。
【お申し込み先】
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※本書は公益財団法人洲崎福祉財団の助成を受けて作成致しました。