21.9.13差別解消法の団体ヒアリングで発言

障害者差別解消法の一部を改正する法律が今年5月に成立し、公布の日(令和3年6月4日)から起算して3年を超えない範囲内に施行されます。この改正法の施行に向け「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針」を改定するに当たり、内閣府の障害者政策委員会の場で関係団体からヒアリングがオンラインで実施されました。

28の障害者団体から3回にわたってヒアリングが行われ、13日前半は当法人の他に、全国肢体不自由児者父母の会連合会、全国重症心身障害児(者)を守る会、全国「精神病」者集団、全国脊髄損傷者連合会、全国手をつなぐ育成会連合会、日本弱視者ネットワーク、日本身体障害者団体連合会、日本てんかん協会、DPI日本会議が、3~5分ずつ意見を述べました。

当法人からは3つの点に絞って話しました。障害者差別解消法では、対象の障害者を「身体障害、知的障害、精神障害、その他の心身の機能の障害がある者」とし、難病に起因する障害を含むとしていますが、実際には障害者総合支援法の難病の対象規定により、多くの難治性疾患が除外され、合理的配慮を受けられません。障害者差別解消法の「基本方針」では、障害を理由とする不当な差別的取り扱いをしないとしており、政府・国会による法制度の見直しをふくめ、福祉サービスの対象を病名ではなく、生活の困難さに応じて支援する仕組みに変え、難治性疾患によって困窮する全ての人に必要な合理的配慮が提供されるよう、抜本的改革を行っていただきたい。

日本は国内人権機関を設置していません。筋痛性脳脊髄炎は、一部の医師が世界的な理解とは異なる情報を流すことによって、患者が合理的配慮を受けることを著しく困難にしています。憲法で表現の自由が認められているという理由で、これを阻止することができず、情報の間違いを証明することは患者だけでは不可能です。裁判に訴える方法もありますが、毎日の生活の基盤を失っている患者にはハードルが高すぎます。すべての障害者差別をなくし、障害者差別解消法に実効性をもたせるために、日本も障害者権利条約の選択議定書も批准すべきだと考えます。

新型コロナのパンデミックにより、多くの障害者が生まれています。筋痛性脳脊髄炎は世界中で集団発生を繰り返しており、今までの科学的エビデンスを基にすると、新型コロナの全感染者の約1割が筋痛性脳脊髄炎を発症すると推計され、日本でも10万人以上の新たな患者が生まれる可能性があります。コロナ後遺症は筋痛性脳脊髄炎だけではなく、全感染者の3割とも4割ともいわれ、その実態は分かっていません。米国ではバイデン大統領が今年7月に、後遺症に苦しむ人々が差別から守られるよう、米国の各省庁が連携すると語りました。日本においても、この新たな障害者が差別から守られ、合理的配慮が受けられるよう対策を協議すべきだと考えます。

その後、質疑応答が行われ、障害者政策委員長より「対象疾患になっていない場合、差別解消法の対象とはならないと解釈すべきなのか、差別解消法はもう少し幅広に障害を捉えてよいとの解釈に立つかは重要ではないか」とし、厚労省障害保健福祉部企画課と内閣府参事官の方に尋ねました。

企画課の方は回答を控えました。内閣府参事官の方は、「合理的配慮の対象については、定義に当てはまる方々について広く対象となるとお考えいただければと思います」と答えられました。委員長は、「差別解消法の対象の範囲は、今の定義と整合性があれば良く、総合支援法が提供するサービスとなるかならないかは独立に考えうると理解してよいと解することができると思います。そのことが基本方針の中で現状不明確であるとすれば、明確化していくことが必要だと思います」と答えられました。

当方は、「総合支援法の対象疾患になっていないと、福祉サービスを受けられず、実際には合理的配慮を受けられないというのが現実ですので、その矛盾は是非、解消していただきたい」と改めて発言しました。委員長は「合理的配慮は、今回から事業所にも提供を義務付けています。どのようにして合理的配慮を求めていくかという意思表明の問題など、貴重なご指摘をたくさんいただいておりますので、それは基本方針の中で考えていきたいと思います」と答えてくださいました。

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