21.9.1英国NICEにガイドライン発表を要請

9月1日付のVirology Blog(ウィルス学ブログ)に、「誤りによる治験:英国国立医療技術評価機構(NICE)に速やかにME/CFSのガイドラインを発表するよう強く要請する手紙」と題する記事が掲載され、9月1日にNICEの最高責任者であるギリアン・レング教授宛に、デビッド・チューラー博士が送った手紙が公開されました。

手紙は、ハーバード大学のコマロフ先生、デポール大学のジェイソン先生、国際ME/CFS学会会長のフリードバーグ先生、同副会長のチュー先生、英国ME協会顧問医師のシェパード先生など、世界中の126名が署名しています。チューラー博士は2015年10月に、「誤りによる治験: PACEによるCFSの研究の厄介な真相」と題する記事をVirology Blogに掲載しています。

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親愛なるレング教授

新しいME/CFSのガイドラインをNICEに速やかに発表するよう強く要請する手紙を添付していますのでご覧下さい。この手紙には、イギリスやアメリカ、その他の国々の科学者・臨床医・学者・他の専門家の方が署名しています。

先週、医学誌メイヨ―・クリニック・プロシーディングに発表された、この疾患のための別のガイドラインについて言及する良い機会です。この文書「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群:診断と症状の管理の要点」は、米国ME/CFS臨床医連合によって書かれました。現在の議論の大きな背景を強調する意見の中で著者たちは、「アメリカや他の国の政府、主要な医療団体は最近、ME/CFS患者の治療の選択肢として段階的運動療法と認知行動療法を取り消しています」と指摘しています。

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親愛なるレング教授

英国国立医療技術評価機構(NICE)は、様々な疾患に対して、エビデンスに基づく臨床ガイドラインを作成することを委託されています。NICEは科学的エビデンスに関する独立した権威機関として高い評価を得ていますので、そのガイドラインは国内ばかりか世界中の医療に影響を与えます。

2017年よりNICEは、現在、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と呼ばれる疾患の新しい臨床ガイドラインを策定中です。この任務を達成するためにNICEは、様々な視点を代表するバランスの取れた委員会の委員を選び、関連する研究の徹底的なレビューを実施しました。そのレビューは、段階的運動療法と認知行動療法という最も普及している治療法を支持する知見の質について、「非常に悪い」もしくは「悪い」と判断しました。

8月18日(水)に発表されるはずであった新しいガイドライン策定にあたり、委員会は綿密で最新の評価について適切に検討を行いました。予定されていたこのイベントの前日になって、突然に延期を発表しました。新しい情報があったからではなく、現状維持の方を好む強力な医学の権威者らによる明白な反対があったからです。NICEが外部の圧力に屈して、最後の最後になって計画を変更するとすれば、大きな問題です。

このような最終段階になって変更を加えることや発表を中止することは、提供されている研究と一致したケアを受ける患者の権利よりも、様々な専門職の既得権が優先することを示しているのではないでしょうか。この件に関する科学者・臨床医・学者やその他の専門家のグループとして、これ以上先延ばしにすることなく新しいエビデンスに基づくME/CFSのガイドラインを発表するよう、NICEに強く要請します。

※英語の原文はこちらからご覧いただけます