21.8.25米国ME/CFS臨床医連合からの報道発表

米国ME/CFS臨床医連合は8月25日に、「ME/CFSのための臨床的ガイダンス改訂版は、長引くCOVID-19患者にも役立つ可能性がある」と題して、報道関係者にプレスリリースしました。

米国ME/CFS臨床医連合発行の「ME/CFSのための臨床的ガイダンス改訂版」は、軽症のCOVID-19であった症例でも長引くCOVIDのために体調不良が続く患者達にも役立つ可能性があります。米国国立衛生研究所のアンソニー・ファウチ先生は、「長引くCOVIDはME/CFSを強く連想させる」と発言しましが、これは驚くことではありません。何十年にもわたって科学者たちは、一部の患者は感染に続いて体調不良が長引くことに注意を払ってきました。最近の調査研究は、10%以上の成人が急性期のCOVID-19に続いてME/CFSを発症する可能性を示唆しています。しかし、正確な臨床的ガイダンスと医療提供者の認識不足のために、ME/CFS患者は臨床的ケアにアクセスすることに苦労してきました。新しいME/CFSの多くの症例の出現は、どこの臨床医もこの疾患について学ぶ緊急の必要性を生み出しました。

米国ME/CFS連合による臨床的ガイダンス改訂版は成人に焦点を合わせており、下記を含みます。
・より正確に診断するために、労作後の消耗(体調不良)や他の重要な特徴を満たすことが必要な新しい診断基準
・診療の際の質問や身体検査の結果、そして診断のための検査の有効活用の仕方
・考慮すべき別の疾患の可能性や併存疾患
・薬物療法と非薬物療法
・以前は推奨されていた認知行動療法と段階的運動療法は有害である可能性があり、今では推奨されない理由についての考察

ME/CFSのための米国医薬品局(FDA)承認の治療法はなく、実際、大規模な無作為化試験が実施された治療法はほとんどありません。病態修飾療法がないために、回復する患者は5%にすぎませんが、本著者らの経験から、適切なケアを受ければ症状の改善は可能です。この報告書では、著者たちが推奨することに合意した様々な有効な治療法を要約しています。

著者であるルシンダ・ベーテマン先生は、「COVID-19後にME/CFSを新しく発症した人を含め、ME/CFS患者の健康・機能・生活の質を改善するために、臨床医が行うことのできる多くの方法があります。このガイダンスは、ME/CFSの診断基準を完全には満たさなくとも、COVIDが長引いている患者にも役立つ可能性があります」と指摘しています。

ME/CFSは、多くの場合、EBウイルスやSARSのコロナウイルスを含む、ウイルスや他の感染症後に発症する、多系統に及ぶ慢性疾患です。すべての年齢・性別・民族・人種・社会経済的背景を持った、83.6万~250万人のアメリカ人が罹患していると推定されています。顕著な症状は労作後の消耗(体調不良)で、ほんのささいな労作後でさえも様々な症状が再燃し、機能が低下します。さらにME/CFSは、大幅な機能障害、重度の疲労、疲労回復のなされない睡眠、認知機能低下、起立不耐症や他の様々な症状を引き起こします。患者の神経系・免疫系・自律神経系・エネルギー代謝系の機能が低下し、70%の患者は働くことができず、25%の患者は寝たきりか家から出ることができないと推定されます。ME/CFS患者の91%までは、診断されないままです。

当連合:米国ME/CFS臨床医連合は、累計すると何百年もの時間を費やし、何千人もの患者を診療してきたME/CFSの専門家である臨床医で構成されています。CDC(米国疾病管理予防センター)やNIH(米国国立衛生研究所)から資金提供を受けた研究の主任研究者たちであり、米国医学研究所や政府主催のME/CFSの委員会の委員を務め、ME/CFSの臨床ケアの手引書の著者でもあります。昨年来、COVID-19に罹患した患者達を研究し、診療にあたっています。

この記事は医学誌メイヨ―・クリニック・プロシーディングに発表されたもので、こちらからご覧いただけます。ルシンダ・ベーテマン先生による動画はこちらからご覧いただけます

医学的な質問のみ:Email: info@mecfscliniciancoalition.org

※プレスリリースの英語の原文はこちらからご覧いただけます