21.5.11Medical &Test Journalに診断マーカー候補

5月11日発行のThe Medial & Test Journalに、「ME/CFSの診断、マーカー候補を発見~国立精神・神経医療研究センター」と題する記事が掲載されました。

国立精神・神経医療研究センターは4月27日、オンラインによる記者会見を開催し、ME/CFSの免疫バイオマーカーの候補を発見したと発表しました。血液中の「B細胞受容体レパトア」を次世代シーケンサーで解析する手法により、特定のファミリーが患者群で増加することを突き止めました。ME/CFSの発症原因は未解明のため、今後は病院などでの診断が可能になり、患者の救済につながるとして臨床導入を目指しています。

発表したのは、神経研究部特任研究部長の山村隆氏と、免疫研究部室長の佐藤和貴郎氏。成果は「Brain Behavior and Immunity」のオンライン版に掲載されました。概要を説明した山村氏は、血液や画像による検査では異常が検出されないため診断は病歴の聴取と臨床症状の評価に頼っている現状を紹介。「医療の均てん化、明確な疾患概念の確立などにつながる画期的な成果」と話しました。

研究グループは、次世代シーケンサーを用いた網羅的な「B細胞受容体(BCR)レパトア解析」を実施し、国際的に使用される診断基準を満たした患者群では、血中の「IGHV」というBCRファミリーが、健常者群よりも増えていることを確認しました。このファミリーの遺伝子を調べると「IGHV3-30」「IGHV3-30-3」などの出現頻度が、健常者群よりも有意に高いことも分かりました。別の集団を対象にした追加試験も実施。「再現性があることを確認した」(佐藤氏)としています。こうしたBCRレパトアの偏りが治療反応性と関連する可能性もあるとして、山村氏らは治療法の開発が進むことにも期待を寄せました。

毎年5月12日はME/CFSの国際啓発デーと定められており、山村氏は「その意味でも良いタイミングで論文を発表できた」と話しました。