21.6.1神戸新聞にB細胞解析で診断の可能性

6月1日付の神戸新聞に、「B細胞解析で診断可能に~筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群」と題する記事が掲載されました。

長期間の強い疲労感や脱力などで、普通の日常生活を送れなくなる慢性疲労症候群は、いまだに診断が難しく、治療法の開発が進んでいませんが、このほど国立精神・神経医療研究センター神経研究所の山村隆免疫研究部部長は「この病気の新たな免疫異常を発見し、8~9割の精度で診断できることが分かった」と明らかにしました。

山村部長らはこれまでの海外を含めた研究から、ME/CFSを脳機能の異常や自己免疫疾患とも関連する神経免疫疾患としてとらえ、異物を攻撃する抗体を作るリンパ球のB細胞に着目して研究を進めました。B細胞は極めて多様な抗原に結び付くことができる受容体を表面に発現します。

免疫研究部の佐藤和貴郎室長らが、この受容体を作る遺伝子の多様性や偏りの違いを健常人と患者で網羅的に解析し、比較しました。その結果、患者ではいくつかの受容体遺伝子の頻度が高い集まりがあることが判明。次に頻度の違いから患者を当てられるかを追試すると、80%以上で患者を診断でき、再現性もあることが分かったといいます。

佐藤室長は「患者では特定の受容体遺伝子が血液中で増加していることが分かった。今後、診断の指標になりうると思う」と話しています。