21.5.25東京・中日新聞にME/CFSの免疫異常

5月25日付の東京・中日新聞に、「感染症後の発症目立つ だるい 痛い 筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群~コロナ後、症状訴える人も 」と題する記事が掲載されました。

新型コロナウイルスに感染した人に、「筋痛性脳脊髄炎・慢性疲労症候群(ME/CFS)」が疑われる症状を訴える例があります。ME/CFSには治療法はなく、国内には専門医も少ないのが現状。一方で、血液を使った確定診断につながる可能性のある研究成果が4月末に発表され、今後に期待が集まっています。

神奈川県の40代の女性は、昨年3月初めに微熱とだるさを感じましたが、総合病院であらゆる検査を受けましたたが、異常は見つかりませんでした。今年2月、国立精神・神経医療研究センターの山村隆医師のもとを訪れ、ようやく診断が確定しました。山村さんは国内で感染が拡大して以降、女性のように検査を受けられなかった人、検査では感染が確認されなかった人を含め約30人を、コロナ後のME/CFSと診断しました。女性はほとんどの時間を横になって過ごしており、パートは辞めざるを得ませんでした。

2014年度の厚生労働省のME/CFS患者の実態調査で、一日の半分以上を横になっている重症患者が約3割、家事が「できない」「少しだけ」と回答した患者が7割、通院以外の外出が「ほとんどできない」「全くできない」人が46%と、深刻な実態が明らかになっています。通常の血液検査や脳画像検査では異常が出ないため、診断されていない患者も多くいるとみられます。

発熱などの風邪症状に続いて発症する例が多く、感染症の原因となるウイルスや細菌との関連は、以前から言われていました。このため、各国の専門家がコロナで患者が増える可能性を指摘しています。

こうした中、注目を浴びたのが、4月末に同センターの研究グループが発表した「ME/CFS患者に共通する免疫異常の発見」です。さまざまな細菌やウイルスを認識するため、免疫を担うリンパ球の一種であるB細胞には多くの種類の「受容体」があります。これを健康な人と比べると、患者では6種類の受容体の数が増えていました。増えたのはインフルエンザウイルスやマラリア、新型コロナウイルスに感染すると増えやすい受容体でした。今は経験豊富な医師の判断に頼らざるを得ませんが、血液中のB細胞受容体を調べれば確定診断ができるようになる可能性があるといいます。

単なる疲労として捉えられるなど誤解や偏見に苦しむ患者は多く、「早期に診断できれば福祉サービスなどにもつながりやすい」と山村さん。「感染と免疫異常との関わりを手掛かりに、治療法にも結びつく研究が広く行われるようになってほしい」と話します。