21.4.28毎日新聞にCOVID-19後のME/CFS

4月28日付の毎日新聞の連載「感染症と闘う」に、「後遺症か 強い倦怠感など継続~感染症と闘う」と題して、COVID-19後のME/CFSや国立精神・神経医療研究センターの研究チームによる論文について取り上げられました。

新型コロナウイルスの感染者らの間で、後遺症とみられる症状に悩むケースが相次いでいます。神経免疫系疾患「ME・CFS」が強く疑われるといい、国内外の専門家は「新型コロナが引き金になる可能性は十分ある」と警鐘を鳴らします。

相模原市の女性(48)は昨年3月、微熱や頭痛、息切れ、倦怠感などを発症しましたが、熱が37・5度を超えなかったためPCR検査は受けられませんでした。女性はパートを休職、半年かけて血液検査やレントゲン検査などで全身を調べても原因は見つかりませんでしたが、1月には「ME・CFS」と診断されました。現在も1日の大半をベッドで過ごしています。

ME・CFSに詳しい国⽴精神・神経医療研究センターの⼭村隆医師は「SARSなどのウイルスに感染した⼈が発症しており、新型コロナもMEを引き起こす可能性がある」と指摘します。⼭村医師も新型コロナの後遺症が疑われる約30⼈の患者をME・CFSと診断しました。⽶国神経学会誌には昨夏に新型コロナとME・CFSとの関係についてまとめた論⽂が掲載されており、⽶国で大規模な研究も始まっているといいます。

これまでの研究で、ME・CFSにかかると、認知や⾔語で重要な役割を果たす脳の中枢神経系に異常をきたすことがわかってきました。一般の病院で使用できるような診断方法はありませんでしたが、⼭村医師らのチームは今月27日、血液を調べるだけで、高精度で診断できる新たな指標を発見したと発表。「安静にして早期に治療することで、重症化を防げる」と話しています。

NPO法⼈「筋痛性脳脊髄炎の会」は昨年5〜8⽉に新型コロナの感染疑いのある⼈を対象に調査し、326⼈から回答を得ました。その結果、ME・CFSの診断基準を満たした⼈は27・9%に上ったといいます。同会理事⻑は「新型コロナ後にMEを発症するメカニズムがわかれば治療法の開発にもつながる。⽇本でも研究を進めて治療法を確⽴してほしい」と話しています。

NPO法⼈「筋痛性脳脊髄炎の会」のインターネット調査に答えた326⼈には、PCR検査を受けられなかったり、検査で陰性になったりした213⼈も含めました。新型コロナ感染者らの主な生活への影響として「仕事、学校に戻ることができない」(40.5%)、「寝たきりに近い」(12.6%)、「身の回りのことができない」(11.3%)が挙げられました。

ME/CFSは、全⾝性の神経免疫系疾患。持続する疲労のほか、睡眠障害、思考⼒・集中力・記憶⼒の低下、筋⾁痛などの症状が6カ月以上続き、健全な社会⽣活が送れなくなります。厚生労働省の2014年の調査によると約3割が寝たきりになっているといいます。SARSやEBウイルスに感染した患者のうち、一定数がME・CFSを発症しているとの研究結果が欧⽶で報告されています。