21.4.3Newsweekにコロナ後遺症患者の苦悩

4月3日付のNewsweekに、「『ウイルスは検出されず』でも重い症状が何カ月も…偏見とも闘う長期患者の苦悩」と題する記事が掲載されました。サブタイトルは「検査を受けてもただの心理的な症状と周囲に相手にされず、二重に苦しむロングホーラーの闘いの記録」

2020年3月、ヨーロッパから帰国後10日ほどしてインフルエンザのような症状が出ました。病院に行き、検査を受けましたが、結果は陰性。ビッグデータを扱う社会疫学者である私は、偽陰性だと確信しました。それから4カ月余りたった今も、症状は続いています(編集部注:この体験記が執筆されたのは20年8月)。

新型コロナに感染し、当初の症状が治ってウイルスが検出されなくなっても、長期間後遺症に悩まされる人が増えており、「ロングホーラー」と呼ばれ、私もその一人です。後遺症の典型的な症状の1つは疲労感ですが、ほかにもさまざまな症状が表れ、「ブレインフォグ(脳の霧)」と呼ばれる神経系の症状に悩まされる人もいます。

当初、私がかかった医師は診断がつきかねているようでした。検査は陰性でしたし、熱もなかったのですが、一応、呼吸器疾患と診断されました。3月末までには症状はだいぶ落ち着きましたが、その後また急変。救急治療室に運ばれ、ようやく新型コロナと診断されました。その後何週間もカーテンを閉め切ってベッドに寝たきりで過ごし、光や音の刺激が耐え難かったです。

なぜつらい症状が続くのか、必死でネットを検索するうちに、新型コロナの後遺症に苦しむロングホーラーたちのサポートグループの存在を知りました。そうしたグループのサイトをいくつかのぞいて、インフルエンザよりもひどい症状があるのに、入院を断られる人が大勢いることや、新型コロナは神経毒性を持つ疑いがあり、血液脳関門を突破して脳内に入り込む数少ない病原体と考えられることも知りました。

伝染性単核症や慢性疲労症候群と似た症状を訴えるロングホーラーも多く、症状はさまざまでも、多くの後遺症患者に共通する悩みは、医師に訴えても「気の持ちよう」で片付けられ、二重に苦痛を受けることです。7月、インディアナ大学の研究チームがオンラインで行った患者の聞き取り調査を基に、新型コロナの後遺症とみられる100余りの症状を発表。米疾病対策センター(CDC)は7月末、基礎疾患のない若年層でも後遺症が出ることがあると警告を発しました。新型コロナに感染して回復した人でも、抗体を持たない人は多いです。

多くのロングホーラーと同様、私も普通の生活に戻りたいと思っていますが、今もひどいだるさや「脳の霧」、頭痛などの症状があり、1日のうちの多くの時間は体を休ませています。ロングホーラーが感染前と同じペースで仕事をこなすのは難しく、かといって障害者枠に入るかどうかは微妙です。「若年層に見られる(ウイルス消滅後も)長く続く症状が慢性疾患かどうかは数カ月、1年、あるいはそれ以上待たないと分からない」と、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は述べています。

経済的な安定は健康の維持に欠かせず、ロングホーラーが仕事を続けられるよう、雇用者はぜひ体制を整えてほしいです。長期にわたって体調が優れないストレスに加え、失業の不安が重なれば、精神疾患を引き起こす恐れもあります。新型コロナのリスクを解明し、より有効な予防や治療方法を確立するためにも長期に及ぶ後遺症の研究は欠かせません。