21.3.5毎日新聞に新型コロナ後遺症

3月5日付の毎日新聞に、「新型コロナ患者 退院後調査~長引く若者の後遺症~嗅覚・味覚障害、脱毛の症例」と題する記事が掲載され、当会のアンケート調査も取り上げて頂きました。

新型コロナウイルス感染症の後遺症の実態が徐々に明らかになってきました。若年層は重症化しにくいとされていますが、長期にわたって続く脱毛や倦怠感などの症例が国内外の医療機関から報告されています。国内では感染時にPCR検査を受けられず「コロナ患者」として扱われない人たちの苦しい状況も浮かび上がってきました。

国立国際医療研究センターが2月4日に報告した調査結果によると、若年層を含む76%の新型コロナ患者が、退院後も嗅覚障害や脱毛など何らかの後遺症を訴えていました。同センターの国際感染症センター長は「若い人でも一定数苦しんでいて、多様な症状が月単位で長引き、回復者の生活の質を低下させる」と述べました。

後遺症の原因について調査した医師(臨床感染症学)によると、「新型コロナウイルスがどの臓器から侵入し、感染したかによって、障害の出方が異なると考えられるが、わかっていない部分も多く、確立した治療法はない」と話します。国立国際医療研究センターは今月から約500人を対象とした追跡調査を実施する予定といいます。

後遺症の期間の長さも問題視されています。武漢の医師らが1月8日付の英医学誌「ランセット」に発表した研究結果によると、新型コロナ患者約1700人(平均57歳)の76%に、退院から半年たっても後遺症と見られる症状があったといいます。倦怠感や筋力低下(63%)、睡眠障害(26%)、脱毛(22%)でした。厚生労働省も昨年8月から調査に乗り出し、症状だけでなく、後遺症の持続期間などについても調べています。

新型コロナウイルス感染症の後遺症で特に問題なのは、感染時、新型コロナへの感染が疑われながらもPCR検査を受けられなかった人の存在です。京都大大学院の20代女性は、38度台の発熱やせき、倦怠感が続き、保健所から紹介された医療機関を受診しましたが、PCR検査を受けられませんでした。その後、何度も保健所や自治体の発熱センターにかけ合い、検査を受けることができたのは1ヶ月後で、結果は陰性でした。女性は大学を休学しており、現在も脱毛や発熱、関節痛、思考力の低下、頭痛などの症状に悩まされています。

NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会が昨年5~8月に後遺症とみられる症状を抱える患者を対象に実施したインターネット調査によると、PCR検査を受けられなかった主な理由(回答者213人)は、「医療機関に拒否された(125人)」「熱が37.5度以下だった(88人)」「保健所に拒否された(46人)」「渡航歴がなく濃厚接触者でない(43人)」「医師による判断(41人)」「CT、レントゲン、血液検査で異常がなかった(18人)」「肺炎症状がない(16人)」でした。

後遺症を研究している国立国際医療研究センターの医師は「特に昨年3~4月頃はPCR検査を受けられなかった人がおり、当時感染し、長期間、後遺症に苦しんでいる人は一定数いる」と推察。後遺症を診察する難しさについて「主観的な症状が多く、客観的な物差しがないため、人から『たるんでいる』と言われることもある。金銭面も含め、社会がどう支えていくか課題は多い」と話します。

後遺症の外来をしている北里大東洋医学総合研究所所長は「PCR検査を受けられずに苦しんでいる人が多く、陽性かどうかに限らず対応している」と話しています。