21.3.2朝日新聞にCOVID-19後のME/CFS

3月2日付の朝日新聞夕刊に、「コロナ後遺症、外来に続々~強いだるさやせき『出口見えぬ苦しさ』、検査受けられなかった人も」と題する記事が掲載され、COVID-19後のME/CFSについても取り上げられました。

新型コロナウイルスに感染した後、強いだるさや熱、呼吸苦などの「コロナ後遺症」に、長い間苦しむ人がおり、医療機関が対応を始めています。

昨春、「コロナ後遺症外来」を始めた東京のクリニック院長によると、症状を訴える人は男性より女性が多く、年代別では20代から40代が中心といいます。患者の多くが体のだるさや痛み、頭痛、息苦しさを訴え、「出口が見えない苦しみに、気分の落ち込みを訴える人も少なくない」と話します。クリニックの受診者には、昨春の「第1波」の時に発熱やせきに苦しんだものの、保健所に相談してもPCR検査を受けることができなかった人が少なくありません。また、一定割合の患者に「ME/CFSに似た症状が見受けられる」と言います。ME/CFSは、強いだるさとともに日常の活動能力が低下。集中力や注意力が散漫になり、ふらつきが見られることもあり、脳内の神経炎症も起きているとされます。

国立精神・神経医療研究センターの山村隆特任研究部長によると、ME/CFSは、これまでヘルペスや風疹などのウイルス感染症が治った後に発症する人がいることがわかっています。カナダでは2003年にSARSの感染が相次ぎ、感染から1年以上後の調査では、感染者273人のうち少なくとも22人にME/CFS様の症状があったといいます。山村さんは「SARSと新型コロナウイルスは遺伝子の約8割が共通しており、ME/CFSは十分に起こりうる」と指摘します。

岡山大病院は2月15日、「コロナ・アフターケア外来」を開きました。医療機関からの紹介制で、総合内科・総合診療科の医師が担当します。後遺症を診る医療機関が少ない中、皮膚科、精神科や耳鼻咽喉科など様々な診療科と連携しやすい大学病院として、受け皿になる必要を感じたといいます。週2回の外来に対して既に10件近い予約が入っており、「開設直後から紹介患者が多く、社会的ニーズを感じる」。受診する患者のプライバシーに配慮して、どの診察室か特定されないようにするなど、工夫しているといいます。

聖マリアンナ医科大学病院は1月、「新型コロナウイルス感染症後外来」を開設しました。診断後2カ月を超えてもつらい症状がある人を診ることにしており、診療所などからの紹介状が必要です。

北里大学東洋医学総合研究所も、「漢方オンライン風邪外来」で「コロナ後遺症」の診療を始めました。ウイルス検査で陰性だったが体調不良が続く人も診るといいます。

ただこうした医療機関はまだ少なく、後遺症について研究を進める日本呼吸器学会理事長の横山彰仁・高知大教授は、「まずかかりつけ医に相談をしてほしい。いない場合は、コロナ診療をしている病院の総合診療科や内科を受診するといい」と話します。

厚生労働省は後遺症について、「呼吸器」「症状全体」「味覚・嗅覚」のテーマ別に研究班を立ち上げており、成果がまとまり公表されるのは4月以降になりそうだといいます。