21.2.22TBS「NEWS23」でCOVID-19後のME

2月22日にTBSテレビの「NEWS23」で、「“コロナ後遺症”、記憶障害も・・・脳内で何が?」と題して、COVID-19後にMEを発症することが取り上げられました。  

未だに分かっていないことが多く、治療法も確立していない“コロナ後遺症”。脱毛や嗅覚障害だけでなく、中には記憶障害が続いているケースも。ウイルスが脳に深刻な影響を与えている可能性が見えてきました。

去年11月に新型コロナの「陽性」と判明した25歳の女性。「軽症」で1週間ほどホテルで療養しましたが、その後、脱毛やひどい倦怠感といった症状が続いていており、さらにひどくなったのが“物忘れ”です。自分の携帯番号を思い出せないなど、これまでに経験のない記憶力や思考力の著しい低下のため、女性は日常生活に支障をきたし、未だに職場にも復帰できていません。

“コロナ後遺症”に苦しむ多くの患者を診療してきたクリニックで患者1098人の症状を分析したところ、「倦怠感」や「気分の落ち込み」に次いで「思考力の低下」を訴える人が82%にのぼりました。

神奈川県内に住む48歳の女性は、去年3月に発熱や咳など、コロナとみられる症状が出ましたが、当時、PCR検査を受けられませんでした。ところがこの1年間、記憶障害に加え、ひどい倦怠感や全身の痛みなどが続いており、立ったままでいることが難しく、食事の支度も座って行っています。1日の大半を横になって過ごし、外出も最低限しかできません。

発症2か月後の PCR検査は陰性でしたが、女性を診断した国立精神・神経医療研究センターの脳神経内科の山村隆特任研究部長は、女性の症状は“コロナの後遺症”であるとみており、診断のポイントとなったのは「脳の異変」です。「集中力がない、記憶力がない、認識力がない、場合によっては一時的に頭の中にもやがかかった状態、『ブレインフォグ』とも言いますが、そうした状態になっていると思いました。」

女性の脳血流を示した画像には、血流低下を示す青い部分が見られ、このうち最も大きいのが運動や認知・学習に関わる部分で、これが様々な異常を引き起こしているとみられています。新型コロナの流行が始まって以降、こうした脳の異変が見つかる患者が相次いでいるといいます。「同じようなパターンで発症している方が私のところに20人ぐらいいらっしゃり、彼女はCOVID-19の感染に関係した『筋痛性脳脊髄炎=ME』だろうと思っています」(山村医師)

「筋痛性脳脊髄炎」は日本では「慢性疲労症候群」とも呼ばれ、重症化すれば寝たきりの状態となる神経難病で、ウイルスなど感染症をきっかけに発症すると言われています。新型コロナウイルスは肺などの呼吸器だけでなく、脳の免疫にも異常を及ぼし、その結果、脳に炎症が発生。この炎症が、倦怠感や記憶障害など様々な症状を引き起こしているというのが、山村医師が考える発症の仕組みです。

「気のせいとか、心の病だから別の病院に行けと言われていると治療がすごく遅れてしまう。早い段階でこういう病気だと診断し、それなりに色々な対応をしていくと、回復されるケースが増えてくると思います」(山村医師)

48歳の女性は、感染拡大初期に検査が受けられなかった人たちがいることや、PCR検査で『陰性』だったとしても、“コロナの後遺症”が起こりうることを知ってほしいと話します。「家族の理解が、すごく大事だと思います。見た目に分からず、普通に座っていたら『元気そう』と思われてしまいますが、実際、体調にむらがあり、ひどい時は起きられないことがあるので、後遺症にかかって苦しんでいる人たちのことを分かってほしいです。」