21.1.8Next AvenueにCOVID-19とME/CFS

1月8日付のNext Avenue(米国のデジタルプラットフォーム)に、「COVID-19から回復した多くに、他の破壊的な症候群が続く可能性がある~ME/CFSが増加している」と題する記事が掲載されました。

48歳のリサ・シャンクス氏は、新型コロナウイルスのために入院することはありませんでしたが、発症して9ヶ月たち、ME/CFSと診断されました。「長期に及ぶCOVID感染後の症状を経験している人々は、すでに驚くほど多いことを考えると、5%のみが最終的にME/CFSの診断を受けるようになるとしても、多くの人々やその家族、介護をする人に非常に大きな影響を与えるでしょう」と、ソルトレイクシティの研究と治療のNPO団体ベートマン・ホーン・センターのイェルマン博士は語ります。

実際、ウイルス感染は軽症だった人を含む多くのCOVID-19患者が、体を衰弱させるME/CFSの症状を経験しています。米国アレルギー・感染症研究所所長のアンソニー・ファウチ博士が2020年7月に、多くの人がME/CFSに不気味なほどよく似たウイルス感染後疾患を発症するだろうと推測したことが、これによって裏付けられました。

ME/CFSの診断・治療・予防について熱心に研究しているオープン・メディスン・ファンデーションは、SARS、EBウイルス、ウエストナイルウイルスのようなウイルスに罹患した11~50%が、ME/CFSを引き起こしたと語っています。COVID-19は、2003年のSARSの集団感染の原因となったウイルスと同様にコロナウイルスですので、医療の専門家達は近い将来に多くの新しいME/CFS患者が増えることを懸念しています。

COVID-19のようなウイルス性疾患が慢性的に体を衰弱させる病気にどうやって移行するのかは、まだ十分に理解されていません。発症している間はサイトカインと呼ばれる炎症マーカーが大量に産生され、過活動状態のままになり、これらの物質の雨を持続的に血流に注ぎ込みます。ウイルスが根絶されたとしても、このサイトカインストームによって、抗体が体を攻撃し、ME/CFSのいくつかの症状を引き起こす過度な自己免疫反応をもたらします。

「感染や傷害が治癒した後には『病気の反応』が遮断されますが、ME/CFSの発症は、このプロセスの障害を示している可能性があると、多くは考えています」とイェルマン博士は語ります。「この障害されたプロセスが解消されなければ、慢性的な変化や、代謝・免疫・神経経路に機能障害をもたらします。」

段階的運動療法は、ME/CFS患者にとって有害なことが分かっています。ME患者・介護者・家族の国際団体である#MEActionの編集者であるアドリアン・ティルマン氏は、「この病気の患者は、自身の引き金や限界を尊重することを身に付けるために、ペースの調整を学ぶ必要があります」と語ります。「ほんの少しでも無理だと感じたら中止して、休むことです。ペースの調整は、症状を著しく悪化させうる「無理してクラッシュする(倒れ込む)」サイクルを避けることに役立ちます。」

現在、ME/CFSのための臨床検査や画像検査はなく、診断を困難にしています。パンデミックの初期にCOVID-19の検査を受けられなかった多くの人にとっては、COVID-19に罹ったこと、そして長引く症状がウイルス感染後ME/CFSを反映している可能性があることを医学的に立証するのが難しいことが多いです。正式な診断がないと、適切な医療的ケアや傷害給付金を受給することが困難である可能性があります。

一般に認められた治療法はありませんが、時間の経過と共に症状が改善する方もいます。ペースの調整、十分な休養、体調を回復させる睡眠、健康的な食事は重要です。症状を緩和させうる薬もあります。

COVID-19の危機は、ウイルス性疾患後になぜME/CFSへ移行する人がいる一方で、無傷で回復する人がいるのか、また予防戦略や治療法を開発する可能性を研究する良い機会を提供していると、専門家達は語っています。米国政府は「長引くCOVID」の研究のために、国立衛生研究所(NIH)に、11億5000万ドルの研究費を承認しました。オープン・メディスン・ファウンデーションとthe Solve ME/CFS initiativeは、ME/CFSの病因と経過をより理解するために、COVID-19後の患者を研究しているところです。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます