21.1.14MedscapeにCOVID-19とME/CFS

1月14日付のMedscapeに、「慢性疲労を嘲るスティグマ(汚名・烙印)のように長引くCOVID患者が増えている」と題する記事が掲載されました。

「COVID-19が長引いている人」の一人であるマーゴット・ゲージウィットヴィエ氏は、激しい疲労、ブレインフォグ、頭痛と闘い続けており、症状はもっとやろうと無理をすると悪化します。米国中のCOVID-19患者の10人に1人もが、最初の診断後に何週間も何か月も続く症状を報告しており、ほとんどすべての人がゲージウィットヴィエ氏のように神経系の問題を報告しています。

国立衛生研究所(NIH)の神経内科医であるアビンドラ・ナス先生は、こうしたCOVID-19が長引いている人々の経験を身近に感じますし、ME/CFSを思い起こします。ナス先生は長年、慢性疲労に関連する長引く神経系の問題に関心を持っていました。ME/CFS患者の推定4分の3が、症状はウイルス感染後に始まったと報告し、和らぐことのない極度の消耗、脈拍や血圧の調整困難、痛み、ブレインフォグで苦しんでいます。ナス先生は初めて新型コロナウイルスについて読んだ時に、感染者の一部の人にウイルスが様々な症状を起こすことを心配し始め、ゲージウィットヴィエ氏のようなCOVID-19が長引いている人々の経験を聞くにつけ、ますますいぶかるようになりました。

イギリスの調査によると、COVID-19が長引いている人々と違い、ME/CFSの多くの患者が診断を受けるには少なくとも1年かかります。それは、研究者達には病気の初期段階を研究する機会がほとんどなかったことを意味します。「患者がずっと以前に起きた可能性のあるどんな感染にかかったにしろ、どうやってそれに感染し、何に感染したのか、初期においてどんな影響があったのかを、我々がME患者を診る時に知るすべはありません。我々は2年もたってから患者を診るのですから」とナス先生は語ります。

ゲージウィットヴィエ氏のような患者を研究することは、COVID-19の長期的転帰だけではなく、ME/CFSのごく初期の段階を含む他のウイルス感染後の症候群を理解するまたとない機会を医師や科学者に提供するだろうと、ナス先生はすぐに気が付きました。そこで、NIHにおいて急いで2つの研究に着手し、この現象を検討してきました。 

COVID-19が長引いている人々とME/CFS患者の類似点は明らかだと、ナス先生は語りますが、同じ現象であると推定することには注意を呼びかけます。長引いている人々の中には、回復がただもっとゆっくりである可能性の人もおり、表面的には似ているようにみえて、分子レベルではME/CFSと違う病気である可能性もあるからです。しかし、たとえナス先生がME/CFSとの関連を見出せなくとも、世界中に9250万人以上の記録されたCOVID-19患者がいるのですから、すぐに回復しない相当数の感染患者にとって、この研究は重症な意味をもつでしょう。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます。