21.1.13日経メディカルに小児のCOVID神経症状

1月13日の日経メディカルに、「Lancet Child & Adolescent Health誌からSARS-CoV-2感染小児の中枢神経異常の特徴~MRIやCT画像は急性散在性脳脊髄炎などを示唆する」と題する記事が掲載されました。

米国California大学San Francisco校のCamilla E Lindan氏らは、SARS-CoV-2感染小児の中枢神経系の症状について分析するために、世界中から症例データを集めて神経画像データを中心に検討し、それまで健康に成長していた小児でも、SARS-CoV-2感染に関連した急性期または遅発型の中枢神経系異常が見つかったと報告しました。結果は2020年12月15日のLancet Child & Adolescent Health誌電子版に掲載されました。

世界的な患者数の増加と共に、呼吸器以外の臓器や全身性の異常についての報告が増えており、小児でも多臓器炎症症候群(MIS-C)と呼ばれる症例が見つかるようになりました。複数の症例研究をレビューしたところ、MIS-C患者の34%に神経症状が見られたといいます。American Society of Pediatric Neuroradiology(ASPNR)の呼びかけに対して、2020年4月30日~9月8日までに32カ国から429件の返答があり、最終的に、SARS-CoV-2感染に関係する中枢神経障害と判定された小児患者38人を選んで分析しました。

それらの患者を、SARS-CoV-2に曝露したと考えられるタイミングと症状に基づいて、以下の4群に分類しました。急性COVID-19(カテゴリー1;12人)、無症候性の急性または亜急性のSARS-CoV-2感染症(カテゴリー2;8人)、MIS-C(カテゴリー3;11人)、不確定(カテゴリー4;7人)。

カテゴリー1の患者の画像で最も多かったは、自己免疫性と見なされる兆候で、12人中6人(50%)に認められました。カテゴリー2に分類されたのは、受診時にはCOVID-19の症状はありませんでしたが、PCR検査でSARS-CoV-2感染が診断された8人の患者(症例13~20)でした。カテゴリー3に分類されたMIS-C患者11人のうち7人(症例21、23、26~30)は、脳梁膨大部に単独病変があるか、または脳の他の部位にも病変が見られました。カテゴリー4に含まれている7人は、SARS-CoV-2抗体陽性で、神経画像により病変が見つかった患者で、PCR検査を受けた患者も、受けていなかった患者も含まれていました。

これらの結果から著者らは、小児には急性期型と遅発型のSARS-CoV-2に関連する中枢神経異常が見つかったと結論しています。SARS-CoV-2感染に由来すると思われる神経画像には、非定型的なパターンが多く見られ、アウトカムは良好な場合が多いですが、急性期に他の感染症を合併した小児は、既往症がなかったにも関わらず全員が死亡しました。感染が小児の中枢神経系に及ぼす短期的および長期的な影響に関する理解を進めるためには、小児のコホート研究が必要だと著者らは述べています。

原題は「Neuroimaging manifestations in children with SARS-CoV-2 infection: a multinational, multicentre collaborative study」