20.12.14AtlanticにCOVID-19とME/CFSの記事

2020年12月14日付のThe Atlanticに、「科学がどうこのウイルスを克服するか。そしてそのプロセスで何を失ったか」と題する6章に及ぶ記事が掲載されました。ここでは第4章をご紹介します。

SARSのウイルスが2003年に香港を襲った何年も後に、SARSから回復した患者の約4分の1は、極度の疲労、ブレインフォグのような症状が軽い労作後に劇的に悪化しうる慢性疾患である、筋痛性脳脊髄炎(ME)に罹患していました。MEの症例はウイルス感染に関連していると考えられており、大きなウイルス感染の集団発生後に、MEの集団感染がみられることもあります。そこで、新型コロナウイルスが広がり始めた時に、ME患者達は何万人もの「COVID-19が長引いている人々」が、何か月も続く身体機能を奪うような様々な症状を経験していると聞いても驚きませんでした。

「私のコミュニティーの人は皆、パンデミックが始まって以来、そうなるだろうと考えていました」と、啓発グループ#MEActionのエグゼクティブディレクターのジェニファー・ブレア氏は語ります。「長引くCOVID」は真剣に捉えられており、MEの姉妹疾患である自律神経失調症、線維筋痛症、マスト細胞活性化症候群など、長らく無視されてきた全てのウイルス感染後疾患に注目が集まることを、ブレア氏は願っています。

アンソニー・ファウチ博士は、他のウイルス性疾患後に長期にわたる症状が出た症例を個人的に診てきましたが、「それを科学的にうまく扱う手段がありませんでした」と語ります。通常、疾患を引き起こす病原体を同定することは不可能ですので、こうした症例は研究が困難です。しかしCOVID-19は、一つの既知のウイルスによってほぼ確実に引き起こされ、大量の長引く症状のある患者のコーホートを生むという、「考えられるこの上もなく稀な状況を」作り出したとファウチ博士は語ります。「これは逸することのできない好機です。」

 COVID-19のおかげで、より多くの研究者がウイルス感染のより稀な側面を探しあてつつあります。呼吸器系のウイルスは非常によくみられますが、無視されることが多いです。しかし、呼吸器系のウイルスこそが、パンデミックを引き起こす可能性が最も高い病原体であり、それらの集団発生はCOVID-19よりさらに悪い可能性があります。

別のパンデミックが起きることは避けられませんが、COVID-19の時とは非常に違う科学者のコミュニティーを見つけるでしょう。別の呼吸器系のウイルスである可能性が高いですが、直ちにこの病原体がエアロゾルを通して移動するかどうか、症状が出る前に他の人を感染させて広がるのかどうか、判断するために取り組むでしょう。何か月も議論する前に、ごく初期の段階からマスクやより良い換気を呼びかけるかもしれません。長引く様々な症状の波がせまってくる可能性を予測し、できればそれを予防する方法を発見するでしょう。最も有望な薬に優先順位を付け、大規模な臨床治験を調整するために、研究グループを組織するかもしれません。COVID-19に対して最も効果的だったワクチンのプラットフォームを取り出し、新しい病原体の遺伝物資をその中に入れ、数ヶ月の内にワクチンの準備を整えるかもしれません。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます