20.12.4「深層ニュース」でコロナ後遺症

12月4日にBS日本テレビの「深層ニュース」で、「強い倦怠感…“コロナ後遺症”の実態」と題して、COVID-19の後遺症について取り上げられました。

コロナ後遺症の治療にあたっている平畑光一医師(VTR):(後遺症患者が)どんどん増えており、多い時は一日で40人を超えると思います。ちょっと微熱があっただけなのに、後遺症だけが強くでたというような方が非常に多いです。PCR検査を受けておらず、自分ではコロナではないと思っていたら、実はコロナの後遺症にかかって苦しんでいるという方もたくさんいらっしゃると思います。

新型コロナの重症患者や後遺症の治療にあたる自治医科大学付属さいたま医療センター副センタ―長の讃井將満医師:(後遺症は)非常に多彩な症状が出ると言われ、日常生活や会社・学校などに中々戻れずに本当にお困りの方がたくさんいることが分かってきました。中等・軽症・無症状の方に多いのが、慢性疲労症候群というふうに一括して言える状態のようです。まだ研究途中で原因ははっきりしないわけですが、ウイルスが排除された後も免疫の軽い調節異常が長く続くと考えたら良いと思います。

讃井医師:無症状や軽い症状だったが、後から感染だったと気づく程度で、数ヶ月たっても体がだるい、色々な痛みやブレインフォグ等の症状が出てきて、もしかしたらと平畑先生等のクリニックにかかったり、Twitterの情報で気付くというような状況があるようです。

讃井医師:(後遺症の)パターンは4つあると言われています。治ったかと思ってもウイルスが肺の奥等に潜んでいて再燃し、1~3ヶ月以上かかってしまうパターン。それから炎症で臓器の修復に非常に時間がかかる、いわゆる肺線維症のようなもの。そしてウイルス排除後に免疫の調整異常が続いてしまう慢性疲労症候群で、軽症や中等症の方がかかります。重症な方がかかる集中治療後症候群と相称されているものは、特に筋力の低下や脳の機能の低下が非常に強く残ると考えられています。

讃井医師:回復には早くて半年と考えて頂き、場合によっては完全にはなくならず、一緒に暮らしていかなければならない方がでてくるかもしれないと懸念しています。完全には戻れなくとも、社会復帰に向けて症状が軽くなり、気持ちの両面からサポートをお手伝いしたいと考えています。

讃井医師:集中治療後症候群という後遺症は、急性期に非常に強い炎症が各臓器に起こり、血栓症によって臓器の中の細胞の酸素をうまく活用できずに機能が悪くなり、それを直す過程が非常に長くかかると考えています。慢性疲労症候群の方は、急性期の免疫の炎症がおさまり、ウイルスが排除された後も免疫の調節がうまくいかないことが今のところ想定されていますが、はっきりとした原因は今後検討する必要があると思います。

厚生労働大臣政務官の大隈和英・衆議院議員:心配なのは精神的に長く悩まれる方や、検査で陽性が分かっておらず、無症状で経過した後に症状が出てきた時に、どうやって対応していくかも問題だと思います。

司会:平畑医師によると後遺症は20~40代が多いということですが。

讃井医師:重症の方に比較して慢性疲労症候群の病態になる患者さんの層が、比較的若い方ということが考えられます。ある意味、免疫が少し強いと言ってもよいかもしれません。また、重症の方は男性に多いという特徴があり、後遺症が残り慢性疲労症候群になる方は女性が多い。自己免疫といって免疫の異常が慢性的に続く疾患は比較的女性に多く、それともしかしたら関連があるかもしれないですが、明確なことはまだ分かりません。

大隈政務官:国立国際医療センターが先に実態調査の良い研究をされましたが、国も全容を解明できるよう、解決法や治療法をしっかり進めていかなければいけないと思います。

讃井医師:患者さん本人も、特に最初は無症状や軽症だった方は悩まれると思います。医療機関でも、後遺症の病態が分かってきても、一回治って別の疾患にかかったという可能性をまず除外した上で患者さんと向き合う必要があると考えます。

讃井医師:患者自身が色々と情報共有するというサポートグループが、各国でできており、非常に重要だと思います。医療従事者にいくら訴えても、検査をしても異常が見つからないので、気のせいではないかと言う医療者もいる時に、患者同士で症状や気持ちを共有するということで、少なくとも心は少し和らぐ可能性があります。

大隈政務官:日本では治った後でも公表しにくい、他の疾患のように患者さんの会みたいな形でオープンな形で支え合ったりすることが難しいという課題もあるかもしれず、偏見とか差別も社会的な後遺症だといえるかもしれないです。

平畑医師:うちに来られる患者さんの半数以上は多分働けていないと思います。微熱やだるさでまともに働けず、受験生も学校に行けない、これから受験なのにどうしようという方がかなりいるのが実情です。

司会:社会復帰できるかという不安の声があります。

讃井医師:一般の方だけではなく医療従事者でも、恐怖感や不安が先に立ってしまい、ウイルスの感染性のない患者さんに対しても引いてしまう。まだ研究途中で、検査の結果もよく分からず特異的な治療法があるわけではないし、患者さんに様子をみて下さいという言葉を吐いてしまうことがあります。ですので、平畑先生と協力し、皆さんをサポートしていることが伝わるような体制を作りたいと思っています。

大隈政務官:公費負担の治療が終わった後のバックアップの体制を、どこまでしっかりとケアしていけるかを、社会全体で取り組んで行かなければいけないし、社会的な理解、みんなでサポートしていくという体制を整えていかなければならないと思っています。

讃井医師:データがでて行政の仕組みとして何か確立されることは大事ですが、それに至るまで現場の医師として、先行して良い事例を作っていかなければならないと認識しています。地域でクリニックにかかれる体制をつくるためには、医療従事者の認識、この病気がどういう病気であって、どういう治療が効果的であるかとうことを広めていかなければいけないと考えています。早急に全国各地で診て頂けるような体制作りを考えています。

大隈政務官:非正規やパート、フリーランスの方が非常に厳しい状態にあることは、政府も危機感を持って注視しており、ひとり親の方の実態調査も繰り返し進めています。介護の分野では人手不足が続いていますし、雇用を維持し休職者に対する補償をしっかりしていきながら、できることはすべて取り組んでいきたいと思っています。

讃井医師:会食の機会も12月は増えるでしょうし、地域によって差があり、重症患者が増えています。これから2月3月まで長丁場ですので、医療機関が崩壊しないように患者数をぐっと下げる施策を打って頂きたいと思います。

大隈政務官:医療関係者、介護の職員、病気と闘っている患者さんの努力が、差別や偏見、誹謗中傷にあってはならないですし、日本人は相手を思いやる力がありますので、ワンチームで今わかっている感染予防をしっかりと実践して、頑張っていこうではありませんか。