20.12.4PCR検査の正確さ by 日本疫学会

一般社団法人日本疫学会のHPの新型コロナウイルス関連情報サイトに、「新型コロナウイルスの検査はどのくらい正確なのですか」とするQ&Aが掲載されています。

今回のコロナウイルス感染症については、実際に感染していることの把握が難しいことから、実際の感染者に対してPCR検査がどれほど正しく診断できているかについての正確性の計算がまだできていません。

いくつかの研究では、PCR検査は新型コロナウイルス感染症を完全には診断できていないのではないかと報告するものもあります。例えば、中国・温州医科大学附属病院のファンらの研究では、新型コロナウイルスに感染する状況にあった症状のある患者51人に対してPCR検査を実施しました。症状が出てから平均3日の時点で行われた検査では、36人(71%)が陽性で、その後のPCR検査では、最終的に全員が陽性となりました。

このように、新型コロナウイルスに既に感染していると考えられるのに、感染から日数が経っていない場合、60~70%くらいしかPCR検査が陽性にでない可能性が報告されています。

では、PCR検査は正確ではないのかというと、PCR検査自体が問題というわけではありません。検査するために採取した検体(鼻やのどなどのぬぐい液や喀痰など)にウイルスがいない、または、ウイルスを見つけることができるPCR検査の限界のウイルス量(測定限界値)よりも少ない量のウイルスしか検体に含まれていないとどんなに精度の高いPCR検査でもウイルスを見つけることができないことになります。

例えば、ウイルスに感染していても、鼻やのどにウイルスがいない場合、PCR検査は陰性(ウイルスがいない)という結果になります。これは、検体を取る場所やタイミングの問題であり、ウイルスが存在していない、または非常に少ない場所から検体を取っている場合や、感染して日が余りたっていないためにウイルスが増えておらず、PCRで見つけることができるウイルス量の限界以下である場合などには、PCR検査結果が陰性になることもあります。実際に、今回の新型コロナウイルスの感染は、下気道(肺の奥の方)にウイルス量が多いことが指摘されていることから、痰などの肺の奥の方から得られる検体での検査が望ましいとされています。

このように、PCR検査は、ある程度のウイルス量があれば、ほぼ正確に診断できると言えますが、検体の取り方や場所、感染からの経過日数などによってその正確さは変わります。

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