19.10.21総合内科のジャーナルにME/CFSのケア

2019年10月21日付のJournal of General Internal Medicine(総合内科のジャーナル)に、国際ME/CFS学会会長のフレッド・フリードバーグ博士らによる「ME/CFSのケアの標準を再考する」と題する記事が掲載されました。

害となるエビデンス
ME/CFS患者に対する認知行動療法と段階的運動療法は安全であると、文献のレビューにおいてしばしば報告されてきたが、安全だとする主張はそれを支持する十分なエビデンスがなく、臨床医や患者達の経験と矛盾している。2014年の米国医療研究・品質調査機構(AHRQ)のレビューによると、「症状や障害の悪化について、様々な治験において十分に報告されていない」と報告している。経験のある臨床医達も、PACE trialのような認知行動療法や段階的運動療法を治療法として推奨しない。

更に、大規模な国際的患者調査の解析によると、50%以上の患者が認知行動療法と段階的運動療法は有意な改善が得られなかったばかりか、十分考えられていない活動や運動を処方されたことにより、多くの場合健康の悪化につながったと報告している。

ME/CFS患者のケア
診療において、よくある症状である疲労が続くという多くの患者には、活動をベースとした行動的介入が効果的かもしれないが、多くの症状を呈し体を衰弱させる疾患であるME/CFSと、ただの持続する疲労は同等ではない。承認された治療法や完全にはっきりした標準的医療ケアはないが、医療サービスが十分に受けられていないこの患者達を助けるために、医師ができることはたくさんある。第一に開業医は、この疾患が生物医学的なものであり、患者は真に病気であることを認めることができる。次に臨床医は、「エネルギーの許容量」を超えないことを学び、体を衰弱させる労作後の消耗(体調不良)を最小限にする方法によって、大きな疾患負荷をより良く管理することで、患者を助けることができる。

エネルギーの許容量は、ME/CFS患者が全ての活動に使用可能なエネルギー量を示す。このエネルギーの許容量の大きさは、日によって、また患者によって変わりうる。患者によっては基本的な身の回りのことを行うエネルギーすらない。患者が限られたエネルギーレベルを越えると、症状や身体機能が労作後に悪化する。医療提供者は、自分のエネルギーの限界を認識する方法や、「ペースの調整」(症状を生じさせる活動を小さく区切り、区切りと区切りの間に休憩時間を取るようにする)をするように、患者に教えることができる。

開業医は、適切な薬物療法と非薬物療法によっても患者を助けることができる。患者は薬に敏感であり得るので、一般的に低用量から始めるべきである。最適な患者のケアのためには、ME/CFSの専門医、又は多くの専門分野のチームによって支援される専門医センターを推薦するが、残念ながら専門医やセンターはほとんどなく、この疾患に関する教育やトレーニングを提供する必要性を浮き彫りにする。現実的に、専門医がいない場合には。免疫学、感染症、心臓学、神経学、心理学、作業療法、ソーシャルワークなどの専門知識を持った多くの専門分野のチームの一員として働く内科やファミリードクターなどの一般医によって、患者のケアは一番よく提供される。こうした専門家の連携アプローチによって、患者の健康、身体機能、生活の質を可能な範囲で改善させるのを助ける際に、開業医は患者に与える害を少なくすることができる。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます