20.11.19GuardianにCOVID-19とME/CFS

11月19日付のThe Guardianに、「治療法についての議論も含め、長引くCOVIDとMEが重なる部分が浮かび上がってきた」と題する記事が掲載されました。サブタイトルは「疲労を含むCOVID後に持続する症状で苦しむ人が増えてきており、ME患者の支援者達は彼らが間違ったアドバイスを受けることを懸念」。

最近の推定にも基づくと、約10%のCOVID-19患者は持続的な症状を発症し、最もよく見られる症状の一つは疲労です。発症機序は未だに不明ですが、心臓や肺の損傷が原因で組織への酸素供給が減ったことや、長期にわたる臥床安静による筋力低下等が説明として考えられます。

しかし一部の医師達は、長引くCOVIDともう一つの主にウイルスが誘因となる疾患との重なる部分について、ますます憂慮しています。「著しくME/CFSに似た、ウイルス感染後症候群の人がどんなに多くいるかは驚くほどです」と、米国トップの公衆衛生当局者であるアンソニー・ファウチ博士は7月に語りました。「患者達は通常のエネルギーや健康であるという平常の感覚を取り戻せません。」

ME/CFS患者のように、多くの長引くCOVID患者は、頭痛、ブレインフォグ、睡眠障害、心臓のドキドキ、関節・筋肉痛、疲労などを訴えます。対応できる以上の運動をすると、「労作後の消耗(体調不良)」として知られる、再発する発熱、筋肉痛や極度の疲労を経験する人もいます。「長引くCOVIDとME/CFSには類似点が非常に多く、恐らく発症機序は同じであろうと信じるようになりました」と、MEに特別関心を持っている感染症の顧問医師であるウイリアム・ウィア博士は語りました。

この2つに共通するもう一つのことは、病気が引き起こす疲労を一番よく治療する方法について、医療的な意見の相違があることです。先週、英国国立医療技術評価機構はME/CFS患者に対する段階的運動療法の処方推奨を中止しました。患者の支援者達は、段階的運動療法は患者の健康に持続的なダメージを与える可能性があると長い間主張してきましたし、長びくCOVID患者にも似たような害が及ぶ可能性を憂慮しています。

「英国国立医療技術評価機構はすでにCOVID後に症状がある患者に、段階的運動療法は適切でない可能性があると発表していますが、英国国民保健サービスのCOVIDのリハビリテーションクリニックでは患者に段階的運動療法や同様の療法を推奨していることを懸念しています」と、患者の啓発グループである#MEActionのシアン・リアリーは語りました。

作業療法士のオリビア・ホアレ氏は、5月にCOVID-19疑いで具合が悪くなり、今でも極度の疲労があります。「クラッシュ(倒れ込む)」の日には、ベッドでお茶を一杯飲む間、座っていることさえやっとです。「何人かの共感して話をきいてくれる開業医と話しましたが、有酸素運動を増やすように言われました。一人の開業医には、15分散歩して、次の週には10分間走るように言われましたが、身近な家族にME患者がいますので、無視しました」と語ります。

国民保健サービスの「COVIDからの回復」のHPでは、COVID後の疲労で苦しんでいる人々に、エネルギーレベルを維持するのに役だつので、活動を続けるようにと指示しています。休むことなく5分歩くことから始め、徐々に毎日1,2分時間を増やしていくように提案しています。「軽い運動のように聞こえますが、労作後の消耗(体調不良)で苦しむ人に、疲労が増しても続けるように言うことは危険です」と、#MEActionのボランティアのヘレン・マクデイドゥ氏は語ります。それにも関わらず、多くの医療従事者は軽い段階的運動はCOVID-19からの回復に極めて重要だと主張します。

「長引くCOVID患者全員がCFSのような反応を示す訳ではないことを認めることが重要です」とリーズ市内で長引くCOVIDのクリニックを開業する、リーズ大学リハビリテーション医学のマノヤ・シバン臨床准教授は語ります。「疲労には多くの要因があり、段階的運動療法が有効かもしれないディコンディショニング(長期間の安静・臥床の結果、運動能力の低下・身体調節機能の異常が生じること)や虚弱な患者もいますが、ウイルス後疲労と一致して『良くなったり悪くなったり』するパターンの症状を呈している患者には、段階的運動療法は逆効果である可能性があります。」それゆえ一人一人にあった患者評価が非常に重要です。「長引くCOVIDは異なったパターンの症状を呈することが分かっていますので、将来の研究では、特定の患者グループには特定のリハビリテーション・アプローチを狙う研究が行われるでしょう。」

それまでは、ME/CFS患者の支援者達は長引くCOVID患者達に、ウイルス後疲労に対応する自分達の経験から学ぶように勧め、「ペースの調整」の重要性を強調します。そのためには、無理してスタミナを上げようとするのではなく、自分の体に耳を傾け、身体的及び脳を使う活動と休養のバランスを取ることです。「何もしないという意味ではなく、休む必要を感じたら、やっていたことをやめて休むべきであるということです」と、長引くCOVIDから継続して回復中でこのアプローチを信頼しているある医師は語ります。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます