20.11.11米国微生物学会誌にCOVID-19

11月11日付のAmerican Society for Microbiology(米国微生物学会誌)に、「新型コロナウイルスの日本への移入に関するゲノム疫学研究」と題する、国立感染症研究所の黒田誠先生らによる論文が発表されました。
 
要約
1月15日に日本で初めてCOVID-19の症例が確認された後、2月末までに全国的に多数のCOVID-19のクラスターが確認された。政府は全国的な感染症発生動向調査を実施することで、新たに発生するCOVID-19のクラスターを抑えることに焦点を絞っていた。しかし、4月初めまで症例数はますます増え続け、多くは感染経路が不明で、日本外への渡航歴もなかった。我々は、2020年4月初めまでのCOVID-19の症例から、日本における感染拡大経路の可能性を明らかにするために、新型コロナウイルスの遺伝子配列を評価し、系統的ネットワークの特性を明らかにすることを目指した。

2020年1~2月に日本で確認された最初のクラスターのいくつかは、武漢-胡-1と直接関連する系統であった。武漢-胡-1は中国で分離されたものであるが、(同時期の日本での)他の別のクラスターからも分離された。3月中旬までにクラスターはほとんど抑えられた。ハプロタイプネットワーク解析により、3月末~4月初めのCOVID-19の症例は、ヨーロッパでの集団発生に関連した追加の大規模クラスターを引き起こし、国内で更なる感染拡大につながった可能性が示された。結局、ゲノム動向調査によって、中国と他の国々から日本に少なくとも2つの別個の新型コロナウイルスが移入されたことが示唆された。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます