20.10.15ハーバード大学医学部HPにCOVIDとME

10月15日付のハーバード大学医学部のHPに、ME/CFS研究の第一人者であるアンソニー・コマロフ医学部教授による「COVID-19が長引いている人々の悲劇」と題する記事が掲載されました。

COVID-19に罹った後、元の自分には戻れない人々がいます。エネルギーがなくて、家庭でも職場でも責任を果たせず、日常の仕事である掃除機をかけるなどの身体的労作後にも疲労困憊し、体中が痛みます。テレビを見るのさえ集中力が続かず、異常に忘れっぽく、簡単な計算も間違え、脳は霧の中にあるようです。

医師はもうウイルスが検出されないと祝ってくれますが、体調は良くありません。COVID-19に罹った恐ろしい経験のせいで少しうつっぽくなったのか、軽いPTSDになったのかもしれないと、医師は示唆します。身体的にどこにも異常はないので、ことによると精神科の治療が効果的かもしれないと言われ、試してみますが効果はありません。

アメリカの何万人もの人が、COVID-19後にこのような長引く病気にかかっています。アメリカでは「COVID-19が長引いている人々」と呼び、イギリスでは「長引くCOVID」と呼んでいます。公表された研究や患者グループによる調査は、COVID-19発症後3ヶ月たって検査ではウイルスが検出できなくなった後でも、50~80%の患者が煩わしい症状が続いていることを示しています。最もよく見られる症状は、疲労、痛み、息切れ、集中力低下、運動できない、頭痛、睡眠障害です。

Scienceの記事によると、軽症患者でも症状が長引く可能性があり、重症患者でも2ヶ月後に正常に戻りうると言及しています。しかし、50歳以上の人、2~3つの慢性疾患を抱えている人、COVID-19が重症だった人が、継続的な症状が起こる可能性が高いです。

「長引いている人々」には、「機能する能力に影響を及ぼしうる、肺・心臓・腎臓・脳への永続的損傷のある人」「臓器への損傷が検知できないにも関わらず体を衰弱させる症状が持続する人」の2つのグループがあります。

アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長のアンソニー・ファウチ博士は、2番目のグループの多くがME/CFSを発症するのではないかと推測しています。ME/CFSは、伝染性単核球症、ライム病、SARS、他のコロナウイルスの病気等の他の感染症が誘因となり得ます。WHOのテドロス事務局長も、COVID-19に引き続いてME/CFSを含む慢性疾患を発症する可能性があることをますます懸念しています。

ME/CFS患者、そして多分「COVID-19が長引いている人々」には、脳内の低レベルの持続的炎症、脳への血流低下、体が脳を攻撃する抗体を作る自己免疫の状態、或いはこれらのいくつかの異常がある可能性があります。 現在、700万人以上のアメリカ人がウイルスに感染しています。もしその5%が長引く症状がでて、もし症状のあるほとんどの人がME/CFSを発症したら、今後2年間の内にME/CFS患者のアメリカ人は2倍になるでしょう。COVID-19以前にME/CFSを発症した患者は、何十年も病気のままです。COVID後のME/CFSの症例もそうなるかどうかは、時間がたてば分かります。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます