20.10.5BBC NewsにCOVID-19とME

10月5日付のBBC Newsに、「長引くCOVID-19:なぜ一部の人は回復しないのか」と題する記事が掲載されました。

「長引くCOVID-19」として知られる状態が、人々の生活を衰弱させ、短い散歩をするだけで体が疲れ果てるという話をよく聞きます。これまで、パンデミック中に命を救うことに焦点が絞られてきましたが、人々がCOVID-19の長期的健康上の影響に直面しているという認識が、今では広がってきています。COVID-19には全ての患者に共通の医学的定義や症状のリストもなく、2人のCOVID-19患者がいれば、非常に異なる経験をしている可能性があります。しかし、最もよく見られる特徴は、壊滅的な疲労で、患者の生活の質を徹底的に破壊する可能性があります。

「長引くCOVID」は、集中治療室に入院後の回復に時間がかかっている人々だけではありません。比較的軽症の人にも、持続的で深刻な健康上の問題を残し得ます。慢性疲労症候群のクリニックで「長引くCOVID」患者をすでに診療している、英国のエクセター大学のデヴィッド・ストレイン教授は、「『長引くCOVID』が存在することを疑っていません」と語りました。

米国医師会誌に発表された、ローマで最大の病院における143名の患者の研究では、退院後の患者を追跡しました。2ヶ月近くたっても87%に少なくとも1つの症状があり、半分以上の患者はまだ疲労を感じていました。

英国で約400万人が使っているCOVID症状追跡アプリによると、30日後に12%の人にまだ症状が残っていました。最近の未発表データでは、全感染者の2%もの人に、90日後も「長引くCOVID」の症状があることを示唆しています。

ダブリンの研究では、新型コロナウイルスに感染後10週間たっても、まだ半数の人に疲労が残っており、3分の1の人は身体的に仕事に戻ることができませんでした。重要なことに、医師たちは感染の重症度と疲労には何の関連性がないことを見つけました。しかし、極度の消耗は「長引くCOVID」の一つの症状にすぎません。

ウイルスは体のほとんどの部分から取り除かれているかもしれませんが、小さな嚢状腔の中に残存し続けます。「長期間下痢が続けば、ウイルスは消化管の中で見つかり、嗅覚を喪失していれば、神経の中というように、それが問題の原因になっている可能性があります」と、キングス・カレッジ・ロンドンのティム・スぺクトー教授は語ります。

コロナウイルスは体の多種多様の細胞に直接感染し、過活動の免疫応答の誘因となりえ、体中のダメージの原因となります。免疫系がCOVID-19後に正常に戻らず、これが体調不良の原因とるという考え方もあります。

感染は臓器の機能を変えてしまう可能性や、代謝作用も変化させる可能性があります。脳の構造の変化に関する初期の兆候も見られますが、これはまだ調査中です。COVID-19は、異常な凝固など、血液に対して奇妙なことをし、体中に血液を運ぶ管のネットワーを損傷します。

「組織に酸素や栄養を届ける微小血管の早期の老化ではないかという仮設に取り組んでいます」と、ストレイン教授はBBCに語りました。しかし、「長引くCOVID」の原因が何であるのかが分かるまでは、「治療法を把握するのは困難です。」

ウイルス後疲労やウイルス後の咳はよくみられ、明確に文書化されています。伝染性単核球症の約10人に1人には疲労があり、数ヶ月も持続します。特に1918年のパンデミック後は、インフルエンザとパーキンソン病様の症状が関連している可能性があります。

ウイルスは2019年末に現れ、今年の初めに世界的になったばかりなので、長期的データが欠如しています。「私達は計画的に25年間は人々を追跡するよう求めました。1年以上も問題が持続する人は非常に少数であってほしいと思っていますが、間違っているかもしれません」と、患者の回復を追跡するPHOSP-Covidプロジェクトの主任研究者であるレスター大学のブライトリング教授は語ります。

今は回復しているように見えても、一生涯続く危険に直面する可能性が懸念されています。以前にCFSであった人は再発しやすいでしょうし、今後感染すれば、更なる再燃を引き起こす可能性があります

英国国民健康保険には、特に入院治療の必要だった人のための助言の書かれた「COVID回復計画」があります。そこではエネルギーを温存するための「3つのP」を推奨しています。「無理をしすぎないように、自分のペースを保ち(Pace)、必ず十分に休息する」「最も疲れる活動は一週間の中で分散することができるよう、日々の計画を立てる(Plan)」「行う必要のあることと延期できることを考えて、優先順位をつける(Prioritise)」

「長引くCOVID」の人々への支援が十分ではないという懸念の声が上がっています。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます