20.9.9EMS WORLDにCOVID-19とME

9月9日付のEMS WORLD(救急医療分野の報道)に、「長びいている人々:COVID-19による障害者」と題する記事が掲載されました。

慢性疲労、労作時呼吸困難、心筋炎、凝固亢進障害、ブレインフォグ(脳に霧がかかったようで頭が働かない)、筋肉痛、知覚障害、睡眠パターン変容、精神障害、肺の瘢痕化、胃腸障害、COVIDつま先、脱毛。これらは、COVID-19から回復中の患者が闘っている、一握りの体を衰弱させる病状にすぎません。COVID-19のパンデミックの大半において、医学界は病人が何とか死なないように懸命な努力をしてきました。今は、ウイルス感染に続発して機能障害を抱えた生き残った患者を、助けるために努力する時です。

不思議なことに、こうした「長引いている人々」の多くは、若くて感染以前は健康だった人達であり、また病気の重症度によってどんな障害を患者が発症する可能性があるのかを強く示すことはないようです。この「長引いている人々」の中で、最もよく見られる長く続く症状は、体を衰弱させる疲労です。多くの研究で、生残者の78~87%が感染症から回復後数週間も、様々な症状が続いていることが示されています。

患者の多くが、ウイルス感染が関連していることで知られる、いつまでも続く病気であるME/CFSの診断基準を満たす方向に向かっていることに、フロリダのEMS医療部長であるケン・シェプケ先生は気付きました。SARSの流行の研究から洞察を得ることができます。シェプケ先生がレビューした一つの研究において、369名のSARSから回復した人の27%近くが、ME/CFSを発症し、感染から何年もたって、40%の人が他の症状を抱えていました。このウイルスで死ぬことがなくとも、何年でないとしても、何か月も障害が残る可能性があることを、一般の人に教えることが重要だとシェプケ先生は話します。

「世界が直面しているCOVID-19の規模の大きさから、医療・財政システムに計り知れない負担となりうる、膨大な数のME/CFSや他の長引く様々な症状の患者が見込まれる可能性を示唆しています。医学や科学が、ウイルスにかからないためのワクチンや抗ウイルス薬に追いつくまでは、COVID-19の拡大を最小限に抑えるために、できることは何でもする必要があります。もし多くの人を感染させてしまえば、このパンデミックは何十年にもわたってそれが反映される可能性があり、障害を持った人々の大群を生んでしまいます」とシェプケ先生は語ります。

ME/CFSは、SARS、EBウイルス、ロスリバー熱を含む多くのウイルスの副作用であると、シェプケ先生は語ります。ME/CFS患者は比較的少数であるため、主流医学はこの病気の研究に、十分なエネルギーを集中してきませんでした。しかし、今は無視することが不可能です。

「今こそ医学がこのウイルス感染後症状群や疲労に結集した目を向け、この病気で苦しんでいる人達を助けることができるよう、何が起きているのかを把握する時です」とシェプケ先生は語り、COVID-19により死亡する危険性を一般の人に知らせることは重要ですが、他の危険性が存在することも、特に、高齢者や併存疾患を持った人よりも自分達はかかりにくいと思っている可能性のある健康な若い人に対して、警告しなければならないと付け加えました。

ME/CFSに根治薬はありませんが、活動した12~24時間後にクラッシュする(倒れ込む)ことが多いので、患者は十分に休み、身体活動のレベルのペースの調整をすることを学ぶよう勧められています。「このウイルス感染後症候群にかかっている人が非常に多いので、将来はME/CFSに医学は注目するのではないかと私は思う」とシェプケ先生は語りました。

科学者や医師たちの長引く症候群の説明として、免疫系にやられて検査では検出できないくらいの「生ウイルスの蓄積」が残っていて、まだ体には影響を及ぼすという説や、ウイルスㇽが特に確固として根付いてしまった臓器から免疫系が完全にウイルスを取り除くことができないという説があります。細胞に残ったウイルスの破片が存在し、それが炎症反応を引き起こし、症状が出ると考える人もいるし、ウイルスは完全に体から出たにも関わらず、免疫系を改造してしまい、過剰に反応する状態のままにするのではと推測する人もいると、シェプケ先生は語ります。ウイルスがミトコンドリアを損傷し、エネルギー産生の欠乏を生じさせ、最終的に慢性疲労状態を引き起こすという説もあります。

英語の原文はこちらからご覧頂けます