20.9.13GuardianにCOVID-19とMEの記事

9月13日付のThe Guardianに、「3月に新型コロナウイルスにかかり、6ヶ月たっても体調が悪い」と題する記事が掲載されました。サブタイトルは「27歳のチャーリー・ラッセルは、60万人がかかっていると推定されるCOVID-19後症候群の一人だが、これはMEに対する洞察を与える可能性がある。」

チャーリー・ラッセル氏はCOVID-19にかかって182日たちましたが、以前のように週に3回、5キロ走ったり、パブに行ったり、仕事をしたりすることもできず、体調も良くなっていません。今は、胸痛、耐えがたい片頭痛、激しい息切れ、めまい、極度の消耗などに苦しむ、新型コロナウイルス感染後に長期に及ぶ症状が「長引くCOVID」の一人です。

英国公衆衛生庁によると、COVID-19陽性の20代の若者の数は記録的な多さで、9月最初の週だけで3,366人がウイルスに罹患しました。ラッセル氏のような20代の若者が、他のどの年代よりもはるかに多くCOVID-19にかかっており、新規感染者の28%近くを占めます。入院が必要になる人は少数ですが、長引くCOVID-19サポートグループや医療専門家たちは、少数だが無視できない数の人が、科学者たちがまだ理解していない非常に体を衰弱させる病状に移行することを懸念しています。

「若い人が外出すべきでない主な理由は、祖父母を感染させるといけないからという考えを未だに強調している」と、ME/CFS患者をサポートする英国ME協会の顧問医師であるチャールズ・シェパード先生は語ります。ME協会にサポートを求める「長引くCOVID」患者が、相当数います。「若い人は入院するほど悪化しないかもしれませんが、体を消耗させるCOVID-19後症候群にかかる可能性があります。大多数の人ではありませんが、無視できない数の若者に強い危険性があります。」

キングス・カレッジ・ロンドン遺伝疫学のティム・スペクト―教授によれば、約60万人の人が何らかのCOVID後の不調を抱えており、苦しんでいる人の約12%が、COVID追跡アプリに30日以上にわたって症状を報告しているとのことです。200人に1人が、影響は90日以上続いていると話しています。

長引くCOVID SOSというサポートグループの創設者のフランシス・シンプソンは、多くの人が経験している様々な症状を、医療従事者から真剣に受けとめてもらうのに苦労していると語ります。ラッセル氏は抗体検査を受けることができ、ウイルスにかかっていたことが確認され、今ではCOVID-19の影響を調べるCOVERSCAN臨床試験に参加する500人の患者の一人です。

長引くCOVID SOSや他のグループは、メンバーはほとんど助けを得られず、この病態に対する認知度も低いと語ります。ウイルスの長期的影響を政府が正式に認め、長引くCOVIDのために働けない人達のために経済的支援を提供し、患者のアセスメントや治療をするための多分野クリニックを創設してほしいと思っています。

研究者達は最近やっとCOVID-19の長期的影響についての研究を開始しましたが、新型コロナウイルスが免疫系を混乱させ、サイトカインストームや、ME/CFSの要因でもあると考えられている体の防御システムの過剰反応を引き起こすというのが実用的な理論であると、シェパード先生は話します。

「この2、3年のいくつかの研究で、恐らくMEには免疫系の機能障害が関与していることが示されています」と語ります。免疫系が低レベルで活性化し続け、すでに存在しないウイルスを撃退させようとしているようで、その反応が中枢神経系や視床下部に影響を与えているのかもしれません。

もしCOVID-19後疲労とMEが関連しているのであれば、研究は両方の病気に解決策を提供する可能性があります。ME患者のほとんどは、発症から何か月もこの病気を抱えていますので、この病気の研究をするのは困難でした。もしウイルスが関与していても、研究者たちが患者に会うまでには、ほとんど痕跡を残していないからです。

「患者を発症日に近い日からフォローできる、これが初めての機会です。研究者達は大きな患者群を作り、血液検体も採取し、感染してすぐの時点からウイルス感染後疲労を発症するまで、フォローすることができます。過去にこのような機会は一度もありませんでした。」

※英語の原文はこちらからご覧頂けます