20.8.19GuardianにCOVID-19とMEの論説記事

8月19日付のThe Guardianに、「COVID-19が『長引いている人々』について分かっていることがあまりに少なく、我々には包括的研究が必要」と題する論説記事が掲載されました。著者はハーバード大学のアンソニー・コマロフ先生と、米国の患者団体Solve ME/CFS Initiative代表のオヴェド・アミタイ氏です。

“Long-haulers(長距離運搬者)”という言葉は、もはやトラックの長距離ドライバーの職業内容を表すだけではありません。COVID-19にかかった後、検査で体にはウイルスが残っていないことが明らかになっても、100日以上も様々な症状が持続する人々が増えていますが、今ではこの人達も“Long-haulers”と呼ばれます。COVID-19が「長引いている人々」は、この破壊的な病気の陰で、多くは孤独に、体を衰弱させる症状と闘い続けています。

「長引いている人々」のフェイスブック・コミュニティーによって実施された1500人のCOVID-19確定患者、又はCOVID-19が疑われる患者の調査では、半分以上の人は体を衰弱させる症状が3ヶ月以上続くと報告しました。最近の米国疾病管理予防センター(CDC)の報告によれば、COVID-19検査が陽性で症状があった人の35%が、検査後2~3週間後たっても、元のような体調に戻ったとは感じていませんでした。

事実、様々なウイルスや細菌、他の微生物に感染後、体を衰弱させる症状が慢性的に出るのは珍しいことではなく、この現象は「感染後疲労症候群」と呼ばれています。伝染性単核球症やライム病のようなよくある感染症や、エボラウイルスやSARS、ウエストナイルウイルスが原因の重篤な疾患後に起こり得ます。

COVID-19が「長引いている人々」の様々な症状は、ME/CFSと呼ばれる疾患の典型的症状と区別ができない可能性があります。実際、多くのME/CFS患者において、感染症のような病気、又は確証のある感染症後に発症しています。米国科学アカデミー、全米技術アカデミー、全米医学アカデミー、CDCは、COVID-19のパンデミック前に250万人ものアメリカ人がME/CFSに罹患していたと推定しています。パンデミックによって、この数を増加させる可能性があります。

米国連邦政府の感染症研究所の所長であるアンソニー・ファウチ博士は、COVID-19とME/CFSの関連の可能性を認めました。「ウイルスが取り除かれた後でも、ウイルス感染後の様々な症状があります」と、Medscapeの取材に答えました。「著しくME/CFSに似た、ウイルス感染後症候群の人がどんなに多くいるかは驚くほどです。普段のエネルギーレベルや通常の健康感を取り戻せません。」

パンデミックを制御することが最優先であることは明白ですが、COVID-19の長期的影響を無視すべきでないというファウチ博士の意見に同意します。重篤な病気や死の恐怖は過去のものとなり、ウイルスが体の中から検出できないかもしれませんが、COVID-19患者の中には著しく健康を損なったままの人もいます。

COVID-19が「長引いている人々」の研究によって、ME/CFSやCOVID-19以外の感染に続く感染後疲労症候群も解明される可能性があります。COVID-19の長期的影響を理解する上での大きな障害は、入手可能なデータが欠如していることです。科学コミュニティーは、このCOVID-19時代の初期の内に、できるだけのデータを集めることが必要です。

ME/CFSに専念している団体であるSolve M.E.は、You + M.E.レジストリーとバイオバンク、コンパニオンアプリを開始しました。患者が症状や治療のような医療情報、活動、生活上の出来事などを報告し、研究者たちがCOVID-19とME/CSFの関連を解明する助けとなる血液検体を提供するためです。このデータベースは、「長引いている人々」やME/CFS患者を理解するのに必要なデータの情報源の一つになり得ます。

なぜ一部の人は回復しないのかを理解する必要があります。答えに到達する唯一の方法は、患者、介護者、医師、学会と業界の研究者、政策立案者、慈善団体が一致団結して、共に努力することです。

「長引いている人々」を今こそ、研究しましょう。この研究は、何百万というCOVID-19の感染者も、ME/CFSにすでに罹患している人へのケアも向上させることができるでしょう。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます