20.8.8CNN News:米国COVID-19とMEの研究

8月8日付のアメリカのCNNニュースで、「慢性疲労症候群はCOVID-19の長期的影響の可能性があると専門家が語る」と題する記事が掲載されました。NIHのファウチ博士の発言や米国でCOVID-19とME/CFSの研究が進んでいることについて書かれています。

慢性疾患であるME/CFSは、何十年も持続する可能性があり、例えばEBウイルスやロスリバーウイルスのような、何らかのウイルス感染後に発症することが多い。新型コロナウイルスは、体を衰弱させるこの病気の発症の引き金を引く可能性のあるもう一つのウイルスです。2014年に発症したワイルダー氏は、COVID-19後に何10万人もの人が彼女と同じ病気を発症することを心配しています。この道の医療専門家も同じことを懸念しています。

「ウイルスが取り除かれた後でも、ウイルス感染後の様々な症状が残ります。多くの人が電話をしてきて、経過について話してくれるので知っています。著しくME/CFSに似たウイルス感染後症候群の人がどんなに多くいるかは驚くほどです」と、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長であるアンソニー・ファウチ博士は、7月17日にMedscapeの取材に答えました。

多くの人が発症し具合が悪いまま
コロナウイルスの世界的危機が半年以上続いていますが、COVID-19患者の多くは完全には回復していません。アメリカの疾病対策予防センター(CDC)の7月24日の報告によると、コロナウイルス陽性の検査結果から2~3週間たっても、COVID-19と診断された人の35%までは通常の状態に戻っていませんでした。CDCは292人からCOVID-19後の回復について調査し、COVID-19から回復中の人々は、CDCの17の症状の内、中央値で7つの症状を報告し、35%は疲労を報告しました。他に何も慢性疾患をかかえていない18~34歳の若い人の5人に1人が、完全に回復していないと回答しました。

もし慢性COVID-19にかかったら、休養することが大事
「『運動しないように』、症状を悪化させる可能性があるから」とワイルダー氏は語ります。「このことを予め誰かが伝えてくれればいいと、ME患者は誰でも思っています。私達と同じことを経験してほしくありません」

CDCは、ME/CFS患者は活動量の管理、すなわちペースの調整をすべきであると推奨しています。身体的限界や認知力の限界を理解し、それを越えないようにすべきであるということです。超えてしまうと、クラッシュ(倒れ込み)し、回復を妨げるからです。「こうした限界内にとどまることを『許容量を超えない』と呼ぶ患者や医師もいる」とCDCは語ります。

患者たちの症状の経過を研究者はモニターしている
COVID-19の長期的症状と闘っている人々を助け、免疫系の異常がME/CFSに移行する経緯と理由を探究するために、複数の研究グループやサポートグループが設立されつつあります。ボディーポリティクスというウェブ上のCOVID-19のオンライン・サポートグループには、14,000人以上の人が参加しています。このコミュニティーは、検査で陽性だった人や、色々な症状を経験している人、COVID-19から回復中の人々へ、様々な情報を提供しており、COVID-19の症状が30~90日続いている人々の特別なセクションもあります。

国会議員も注目しています。メリーランド州のラスキン氏は、「COVID-19のサブセットとME/CFSを理解する法案」に協賛し、提案した法案では、米国国立衛生研究所(NIH)と退役軍人省によって、データの収集、共同研究センターや医学研究プログラムが実行されるよう、6000万ドルの連邦予算を求めています。

追加の連邦資源を競うであろうグループの一つが、スタンフォード大学やハーバード大学にセンターを持ち、ME/CFSに焦点を絞って科学者たちが共同研究しているオープン・メディスン・ファウンデーション(OMF)です。このグループは、COVID-19や恐らくその「後遺症」、特にCOVID-19患者が感染症後に起こす慢性の病態をモニターする研究に着手しました。研究者達は、患者たちのゲノム、たんぱく質と代謝の全プロファイルを解析します。

「ウイルス感染後の疾患への理解を向上させる類のない機会を、COVID-19は提供している」と、OMFと連携しているスタンフォード大学ゲノム技術センターで先端医療を率いるマック博士は語ります。2,3週間で、研究者がCOVID-19患者と症状をフォローし、ME/CFSと一致する症状をいつどのように発症するのかを追跡することができるアプリを作り終えたいと彼女は思っています。「どのような分子変化が起き、症状の消失を妨げるのかを見ることができるよう、長期的に数年にわたって血液検体を採取する計画です」

ファウチ博士が、7月9日の国際エイズ学会主催の記者会見で、ME/CFSとCOVID-19の関連を認めたことは、世界的大ニュースになり、7月中に少なくとも他の2か所でファウチ博士はME/CFSとCOVID-19の関連を公に発言しました。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます