20.7.21STATにCOVID-19とMEの記事

20.7.21STATにCOVID-19とMECFSの記事7月21日付のSTAT(医療分野に特化した米国のニュースサイト)に、「慢性疲労症候群は新型コロナウイルス感染症後症候群を理解する鍵を握っている可能性がある」と題する記事が掲載されました。

米国トップの感染症の専門家であるアンソニー・ファウチ氏は今月、COVID-19後に長引く症状は筋痛性脳脊髄炎を“強く連想させる”と認めました。「我々は本当にこのことに真剣に目を向ける必要があります」と、ファウチ氏は語ります。

ファウチ氏が観察して気付いたことは極めて重要であり、他の人々も共鳴しており、このパンデミックによる長期に及ぶ健康への破壊的な影響の可能性について、警告を与えるからだけではありません。「COVID-19後症候群」とME/CFSが関連している可能性について言及することにより、ファウチ氏は長らく無視されてきたウイルス感染後の疾患の領域に光を当てたのです。ウイルス感染後の疾患は、ほとんど理解されていない現象であり、恐らく2つの病気の原因や治療法に関する重要な手がかりを握っています。

この数十年間に、SARS、ウエストナイルウイルス、2009年のN1NIインフルエンザウイルスのような急性感染症にかかった人々の一部にみられた持続的な後遺症について、研究者達は詳細に記録してきました。なぜ一部の人はこうした慢性の症状にかかりやすいのかは分かっていません。

ME/CFS患者のほとんどは、COVID-19後症候群と同じように、多くは伝染性単核球症やインフルエンザのような感染症の急性のエピソードから始まったと報告しています。研究によって、神経・免疫・代謝機能障害や他の様々な機能障害が記録されてきましたが、ME/CFSに特異的な原因は同定されておらず、薬理学的治療法は開発されていません。

中核症状は単なる疲労ではなく、最小限の活動をした後に、極度の消耗、認知機能障害や他の症状が長期にわたってぶり返すことで、一般に「労作後の消耗(不調)」と呼ばれています。ME/CFS患者は何十年も、医師、雇用者、家族さえからも、誇張している、あるいは心因性の病気だと片付けられてきました。COVID-19後症候群の患者の中には、悩まされている症状は、恐らく不安や抑うつ、あるいは外傷後ストレスに起因していると言われたと報告する人もいます。

ここ数年の間に、ME/CFSは心理的要因や行動面の要因によって長期化しており、心理療法や運動の介入によってうまく治療しうるという議論は、科学界においてほとんど受け入れられなくなりました。中核症状が労作後の消耗(不調)であることを考えれば、段階的運動を推奨することは、害があるだけで有益ではないとますます認識されています。

まだ十分であるとは到底言えませんが、米国国立衛生研究所(NIH)はME/CFSの生物医学的研究のための予算を増やしました。イギリスでも政府機関が最近「デコードME」と呼ばれる遺伝子研究に320万ポンドの予算をつけ、この病気に対する姿勢が変わりつつあるようです。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます