20.7.7毎日新聞に新型コロナ「後遺症」の記事

7月7日付けの毎日新聞WEB版に、「『健康とはほど遠い』 陰性になっても続く倦怠感と嗅覚障害 新型コロナ『後遺症』」と題して、新型コロナウイルスの「後遺症」について取り上げられました。新型コロナの「後遺症」はまだ明確になっていなせんが、警鐘を鳴らす学会や医師も出てきています。

千葉県の男性(21)は4月1日に発症。高熱の他に下痢や嘔吐、血痰症状も加わり、近くの内科を受診し7日にPCR陽性との連絡を受けました。保健所からは「3~4日以内に入院できる」と言われましたが、入院できたのは、連絡から22日後の29日でした。CT検査を受け、肺炎と診断され、入院中には手足に湿疹も出ました。PCR検査で2回陰性判定となったため、5月9日には退院しました。

退院日にも37.5度の熱があり、退院後も発熱、倦怠感や頭痛、嗅覚障害も続き、買い物に行かれず、3日連続食事できない時もありました。血液検査で脱水症状を指摘され、再入院したことも。医師から「家族の助けなしでは生活できない」と言われ、実家に戻りました。「大学では5月半ばからオンライン講義が開始されていたが、試験勉強をするなどはとても無理」と大学の休学も決めました。

実家に戻ってからも、発熱、倦怠感や頭痛、湿疹などの症状は続き、「健康とはほど遠い」といいます。近くの病院を受診しましたが痛み止めが処方されただけで、男性は「いまだ社会復帰できておらず、ずっと続く症状の原因が分からないのが怖い。陰性になっても症状が続く人がいることを知ってほしい」と話しています。

新型コロナに感染すると、全身に血栓が発生することが明らかとなっており、新型コロナの後遺症の可能性を指摘している大阪市の太融寺町谷口医院院長は、「正確な作用機序は分かっていないものの、肺から侵入したウイルスが血中に入るとさまざまな臓器の細胞の表面に発現しているACE2受容体に結合することは確実で、ACE2受容体が存在する血管内皮細胞にウイルスが侵入して起こった血管内皮細胞炎と関係があるのかもしれない」といいます。

また、「新型コロナは、血栓が身体のさまざまな組織に影響を与えること、血管内皮細胞炎が起こり全身に影響が及ぶこと、さらに、重症化すると免疫系のさまざまな物質が嵐のように吹き荒れて(サイトカインストーム)、多臓器が障害されることなどから、重症化すれば単なる風邪とはまったく異なる」と話しました。

医療法人社団広士会理事長によると、運営する東京都内のクリニックに、「37度前後の微熱がずっと続く」「胸が苦しい」「倦怠感がある」などと訴える患者が、4月から5月末までに約180人来院。うち、5人は感染確認後に陰性となった患者でした。

同理事長は、患者の75%が1カ月以上症状に悩まされていますが、病院の血液検査では異常がないことから、医師が精神的なものではないかと診断するケースがあり、「ショックを受けている患者も多く、安易に精神的なものと医療従事者が決めつけることに警鐘を鳴らしたい」と話しています。

日本血栓止血学会は新型コロナの感染で、血管に炎症を起こし血栓症を発症する可能性を指摘しており、特に重症者で血栓症を発症する頻度が高く、全身症状を悪化させる因子となっているといいます。 厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症診療の手引き」には「後遺症」に関する記載はありませんが、同省担当者は「今後も情報収集を続け、必要であれば手引きに掲載していく」としています。