20.5.11市民による COVID-19後の不調調査②

アメリカの「ボディーポリティクスCOVID-19サポートグループ」により、5月11日に「COVID-19からの回復は実際にはどのようなものか~患者主導の調査グループによる長引くCOVID-19の症状の解析~」が発表されました。概要に続き、詳細の報告書の要約の一部をご紹介致します。

この調査の目的は、データに基づいたアプローチを使って、COVID-19後の長引く症状に苦しんでいる患者の経験を捉え、全体像を共有することである。このウイルスの新しさゆえに現在は入手できないが、様々な症状を経験している患者には時を得た研究と自分達に関連のある内容が必要なため、このアプローチはCOVID-19に対して特に重要である。

この調査は、長期にわたる(2週間以上)症状が続いている患者(2週間より短い期間の患者も数人含む)を対象としたことに留意することが大事である。調査は、4月22日~5月2日までに640人から回答を頂いた。

約4分の1(23.1%)の回答者はCOVID-19の検査で陽性、27.5%は陰性で、残りの47.8%の方は検査を受けていない。解析において、検査の結果に関わらず全ての回答を含めた。多くの地域において検査を受けることが非常に困難であったし、偽陰性も広くみられることから、検査で陽性の結果が出なかったからといって、人々のCOVID-19の症状の経験を無視するべきだとは考えない。データを構成要素に分けていた時に、検査で陽性だった人と陰性だった人の主な違いは、経験している症状ではなく(ほとんどの症状は似てい)、発症後どのくらい早く検査を受けられたかどうかであった。

 現在行われている検査は、COVID-19の大部分の患者を捉えておらず、この件はさらなる調査が必要であると考える。検査の結果が陽性であった人だけに解析を限定すると、重要な情報を失う可能性があり、長期にわたる症状があるにも関わらず発症の早い時期に検査を受けられなかった、又は一度も検査を受けられなかった、何十万人ではないにしても、何千人もの人々への益にならない可能性がある。ウイルスの理解を深め、早期に広範囲な検査を実施することの重要性を強調するために、将来の研究は、検査の結果いかんに関わらず、COVID-19の症状のある全ての人の経験を検討しなければならないと考える。

 この調査の結果を考察する時に、この調査対象者はCOVID-19患者の典型的な患者ではないことを念頭におくことが大事である。進んで調査に協力したのは誰か、この調査にたどり着いたのは誰かという点において、サンプリングにはバイアスが働いている。調査対象者は白人、シスジェンダー(身体的性と性自認が一致している)の女性、アメリカ人が不釣合に多い。この調査の後続版を作成し、もっと多様なグループの回答者を含む報告するために、国際的なもっと広範囲なアウトリーチを実施する計画である。

その点を考慮すると、患者主導で行われたCOVID-19の経験のこの解析は、この種では最初のものである。この参加型研究は、現在アカデミックやメディアの報告において過小評価されている、このウイルスの短期的・長期的影響に光を当てる可能性があると考える。医学界は急性期の重症患者に焦点を絞っているが、この調査の回答者は、地域において医学的サポートが受けられない可能性のある、回復が長引いている軽症から中等度の症状の患者を表している。我々のデータ解析とボディーポリティクス・サポートグループにおける事例報告によって、下記を捉えた。

・検査結果の状況に及ぼす検査のタイミングへの影響
・回答時において思いがけなく6週間以上にわたって経験する周期的症状
・週ごとの様々な症状の特質、重症度、回復時間、経過
・陽性と陰性の検査結果の患者によって報告された時間経過ごとの様々な症状の違いの解析
・回復期の患者が経験した内面的・外面的スティグマ
・身体的活動と自己隔離を含むライフスタイルに与えた影響

COVID-19の影響は一人一人違うことを認識しており、そのことを強調する。この報告書が、医療従事者や研究者が患者の観点からこのウイルスについてさらに理解し、将来の研究の出発点となる上で役立つことを願っている。また、この解析が、家族、友人、雇用主、同僚、一般の方々へ、COVID-19を抱えて生きている人々の経験への洞察をいくらかでも与えることも願っている。

※英語の原文はこちらからご覧頂けます