20.5.19OMFでCOVID-19とMEの研究開始

アメリカのOMF(オープン・メディスン・ファウンデーション)というME/CFSの研究に力を入れているNPO団体が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とME/CFSの研究を開始するというニュース速報を、5月19日に発表しました。このパンデミックをME/CFSの理解を促進する機会と捉え、新型コロナウイルス感染症回復後の患者の研究を通して、ME/CFSのトリガー(引き金)・メカニズムを明らかにするとしています。

OMFの科学諮問委員会委員長は、米国スタンフォード大学の生物学・遺伝学の研究者でゲノム技術センター長であるロン・デービス教授。OMFには米国スタンフォード大学、ハーバード大学、スウェーデンのウプサラ大学、カナダのモントリオール大学に4つの共同研究センターがあり、この4つの研究センターが協力し、数年かけてME/CFSのトリガー(引き金)・メカニズムの研究を行おうとしています。今後の数ヶ月間で、研究や進捗状況の詳細を共有し、また、この国際的研究を実施するため、そして4つの研究センターで現在行われている30以上の研究や治療法開発プロジェクトを遂行するのに必要な研究費を獲得するために、努力を続けるとしています。
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COVID-19患者がME/CFSに移行するかどうかを確かめ、もし移行したならその分子転換を調べるために、COVID-19患者の病気の経過と後遺症をモニターするという、COVID-19患者の研究を開始することを誇りに思います。この研究には、頻回の体液のサンプル収集、ウェアラブル装着での継続的な健康モニター、2年間の多くの時点での症状のデータ記録を含みます。他の多くのウイルスがこの病気の引き金となりますので、中にはME/CFSを発症する人があるという結果が予測されます。

COVID-19のパンデミックは、ME/CFSの発症を決定、あるいは発症を予測する可能性のある生物学的要因を研究する、過去に類を見ない機会です。かなりのパーセントの患者は、ME/CFS発症に深刻なウイルス感染が先行しています。現在のCOVID-19のパンデミックにおいて、COVID-19が引き金となり、多くの人がME/CFSを発症する可能性があると思われます。

EBウイルス、Q熱(コクシエラバーネティー)、ロスリバーウイルスや他のウイルスによる重度の感染症を罹患した患者の11%までの人が、ME/CFSを発症すると考えられています。他のSARSやMERS後に調査した他の研究は、さらに高い割合(50%)の人がME/CFS、あるいは線維筋痛症を発症したことを示唆しています。

急性期から回復したCOVID-19患者は、その後、長期にわたるウイルス感染後疲労を経験するリスクが高く、以前の正常の状態に戻るまで6ヶ月かそれ以上、その疲労が持続する可能性があります。しかし、患者の中には、疲労が良くなることがないか、この最初の6ヶ月の間にさらに深刻になり、それがいつまでも続きME/CFSに移行する可能性があります。

長期間の詳細なゲノム解析、メタボローム解析、プロテオミクス解析によって、ME/CFSを予測、診断、あるいは治療するために役立ちうる経路をどう同定するかを理解するための、非常に深い洞察を得られるでしょう。世界中が現時点でCOVID-19に熱心に焦点を合わせています。何千という患者が生涯にわたる苦しみの原因となる病気に移行する可能性は、やっと世界がME/CFSに対してふさわしい注意を払うユニークな機会を提供しています。

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