20.3.27Neurology TodayにCOVID-19の記事

3月27日付けの米国神経学会の正式ニュースNeurology Todayに、「COVID-19:イタリアの神経内科医からアメリカの同僚へ:コロナウイルス患者の非特異的な神経系の異常を予期せよ」と題する記事が掲載されました。

3月下旬の時点で、イタリアでは8万人以上が陽性と診断され、約8000人が死亡しており、このパンデミックの最前線の神経内科医達は、このウイルスが肺や心臓を特異的に侵すのではなく、誰も予想していなかった多くの神経系異常を引き起こすだろう心配な一連の症状に気付いていました。

ブレシア大学神経学のA・ツィーニ准教授と同僚達は、コロナウイルスの兆候がなく急性の神経系の障害のある患者を分けるために、神経系病棟をすでに創設していました。「18床の病棟で、患者は脳卒中、せん妄、てんかん発作、脳炎に非常によく似た非特異的な神経症状の治療を受けながら、新型コロナウイルスと闘っているのです」とツィーニ准教授は語ります。

これらの神経症状はウイルスが中枢神経に侵入したことが直接の原因であるのか、患者の体で起きているウイルスの急襲に対する間接的な応答であるのかが明らかではないですが、ブレシア大学の神経内科医達はイタリア中の同僚たちに情報を流し、患者の急性の神経系の訴えに注意するように警告しています。ツィーニ准教授は、病院において急性脳卒中の数が増加しており、ウイルス以外に脳卒中の原因を同定できない症例があると語ります。

「呼吸器系の問題と脳血管系の急性障害に対処し、非特異的な神経症状を持つ患者もいる可能性を考慮せよ」というのが、ツィーニ准教授からアメリカの同僚に対するメッセージです。ウイルスと神経症状の関連について、さらに調査する必要あると語り、中枢神経系の負荷が加わることで、患者の病状が悪化することに注意を促しました。「COVID-19陽性で急性の神経症状のある患者の数が多いので、我々はこの病棟を創設することにしたのです。」ツィーニ准教授の同僚達は、他のセンターと共同で、COVID-19と中枢神経系疾患との関係を積極的に研究しようとしています。

新型コロナウイルスは中枢神経系にも到達することを示唆する最近のデータがあります。COVID-19患者の神経症状は3つのカテゴリーに分けられます:基礎疾患における症状の神経系の表出(頭痛、めまい、意識障害、運動失調症、てんかん症状、脳卒中)、末梢神経を起源とする症状(味覚低下障害、嗅覚障害、神経痛)、肝障害や腎障害としばしば関連する骨格筋損傷症状。

武漢の中国人科学者らは、 華中科技大学・同济医科大学の一部であるユニオン病院の3つのCOVID-19ケアに指定されている病院において、214人の患者のデータを報告しました。214人の患者の内78名に神経症状がありました。より重症の患者には、より急性脳血管疾患、意識障害、骨格筋損傷のような神経症状がありました。

コロラド大学医学部のK・タイラー神経内科教授は、「現在まで、神経症状のほとんどはより重症のCOVID-19患者に現れ、主要な臓器系不全、及び/又は播種性血管内凝固症候群や敗血症の二次的影響の結果である可能性があり、これらには特に急性脳血管のイベントや脳症を含みえます。SARS患者やMERS患者で稀に起きましたが、脳炎のような中枢神経への新型コロナウイルスの侵入の直接の影響が出るかどうかはまだ分かりません。SARS患者やMERS患者でも起きた、急性播種性脳脊髄炎やギランバレー症候群のようなウイルス感染後の免疫介在性の合併症も現れる可能性があります。

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