20.4.10武漢のCOVID-19患者に神経症状の論文

4月10付けの米国医師会雑誌(JAMA Neurology)に、「中国の武漢における2019年のコロナウイルス感染症で入院した患者の神経症状」と題する論文が掲載されましたので、一部をご紹介致します。

要約

重要性:中国の武漢における2019年のコロナウイルス感染症(COVID-19)の集団発生は深刻で、世界的に流行する可能性がある。いくつかの研究には、発熱、咳、下痢、疲労を含む典型的な臨床症状が書かれている。しかし、我々の知る限り、新型コロナウイルス感染症患者に神経症状があるとは報告されていない。

主なアウトカムと方法:臨床データは電子カルテから抽出され、すべての神経症状のデータは、2人の訓練された神経内科医によってチェックされた。神経系症状は3つのカテゴリーに分けられる:中枢神経症状(めまい、頭痛、意識障害、急性脳血管障害、運動失調症、痙攣発作)、末梢神経症状(味覚障害、嗅覚障害、視覚障害、神経痛)、骨格筋損傷症状。

結果:新型コロナウイルス感染症で入院した214人の患者(平均年齢52,7歳±15,5、男性87人[40,7%])の内、呼吸状態により分けると、126人(58.9%)は重症ではなく、88名(41.1%)は重症であった。全体では、78人(36,4%)の患者に神経症状があった。重症でない患者と比較すると、重症な患者はより高齢で、基礎疾患、特に高血圧をより多く持ち、熱や咳などの新型コロナウイルス感染症に典型的な症状が少なかった。感染が重症な患者ほど多くの神経症状を示した。たとえば、急性脳血管障害(5人[5,7%[)対1人[0,8%])、意識障害(13人[14.8%]対3人 [2.4%])、骨格筋損傷(17 人[19.3%]対6人 [4.8%])だった。

結論と関連性:新型コロナウイルス感染症患者には神経症状がよく見られる。新型コロナウイルス感染症が流行している間に神経症状のある患者を診る時には、診断が遅れたり誤診して、治療する機会を失いさらなる感染を広げることを防ぐために、臨床医は鑑別診断として新型コロナウイルス感染症を疑うべきである。

英語の原文はこちらからご覧頂けます