20.5.2The TelegraphにCOVID-19とMEの記事

5月2日付のThe Telegraph(イギリスの全国紙)に、「コロナウイルスはCFSを含む二次疾患の原因になる可能性があると専門家は警告している」と題する記事が掲載されました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者の中には、その後ME/CFSを発症する人がいる可能性について書かれています。

感染によって長期にわたって健康に深刻な影響をもたらしうるというエビデンスが積み重なってきており、新型コロナウイルス感染症がウイルス感染後疲労症候群の引き金になる可能性があると、専門家は警告しています。初期の報告は、新型コロナウイルスが呼吸器系に与える強い影響について焦点を合わせていましたが、この数週間に発表された様々な医学論文は、感染が血管系、さらには脳に深く侵入することができることを示唆しています。

「パンデミックによる長期的影響を理解するという点において、我々は非常に初期の段階にいますが、ウイルスが肺だけを攻撃するのではないことは明らかです」と、トロント大学睡眠と時間生物学センターの精神医学部の元教授であるハーヴィ・モルドフスキー先生は話します。「SARSの経験から考えると、最初の感染後、数ヶ月か数年にわたって慢性疲労症候群に悩まされる患者が出るでしょう」と、モルドフスキー先生はThe Telegraphに話しました。

筋痛性脳脊髄炎としても知られている慢性疲労症候群は、ウイルス性髄膜炎、伝染性単核球症の原因となるEBウイルスのようなウイルス感染後に発症する可能性があるというエビデンスがあります。2002~2003年のカナダでのSARSの集団発生後にモルドフスキー先生が実施した研究では、このSARSを引き起こしたコロナウイルスに感染したと診断を受けた後、何年もME/CFSに似た症状が持続した患者がいました。このコロナウイルスは、新型コロナウイルスと非常に関連しているウイルスです。

2009年に米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された研究によると、中国において調査されたSARSから回復した369人の患者の40%が「慢性疲労の問題あり」と報告し、27%の患者は米国疾病管理予防センター(CDC)のME/CFSの定義を満たしていました。

新型コロナウイルス感染症による長期に及ぶ健康への影響を調査する研究は、優先的に実施されなければならないと専門家達は警告しています。英国王立精神医学会前会長のサー・サイモン・ウイスリー教授は、「このウイルスがどう脳に強い影響を与えるかという研究は、まだ初期段階です」とThe Telegraphに語りました。「新型コロナウイルスがME/CFSを引き起こすかどうかは分かりませんが、なるべく早くこの病原体に感染した患者のコホート研究を準備し、短期・中期・長期的に詳細に追跡調査する必要があります」

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