20.4.15NewScientistにCOVID-19の記事

4月15日付のNew Scientist(科学とテクノロジーをあらゆる角度から取り扱う週刊の科学誌)の健康ニュースに、「新型コロナウイルスはウイルス感染後疲労症候群の引き金となりうるか」と題する記事が掲載されました。「慢性疲労症候群のような病態は、ウイルス感染と関連付けられてきましたので、新型コロナウイルス(COVID-19)が似たような病態を発症する引き金となる可能性があります。」世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス発症後、ウイルス感染後疲労症候群が集団発生する可能性について書かれています。

研究者の中には、新型コロナウイルス感染症にかかった後、ウイルス感染後疲労症候群を発症する患者が集団発生する可能性を指摘する人々がいます。ME/CFSはウイルス感染後に発症することもあり、ME/CFS患者は極度の疲労や痛み、光過敏等の様々な症状を経験しますが、病態の理解が進んでいません。2002~2003年のSARSの集団発生後、カナダのトロント市で罹患した患者の中に、3年後にも疲労や筋力低下、睡眠障害等に悩まされていた人がいたことが記録されています。

トロントでの集団発生では273人が罹患し、当時トロント大学で精神科と睡眠の専門家であったモルドフスキー先生は、集団発生終息後に継続的な健康問題を抱えて仕事に戻れなかった22名の患者を調査しました。「コロナウイルスは、多くのウイルス感染後疲労症候群患者の発生につながると思います。」モルドフスキー先生の研究チームは、多くの患者が睡眠障害、昼間の倦怠感、痛み、全身の筋力の低下、抑うつ等の症状があったとする論文を発表しました。「これらの症状はME/CFSを思い起こさせます。」新型コロナウイルスのパンデミックは違うウイルスが原因ですが、同じコロナウイルス科のウイルスですので、ウイルス感染後疲労症候群を引き起こすかもしれません。「私はそのことを心配しています。」

イギリスの患者団体「ME協会」の顧問医師であるシェパード先生は、「中にはウイルス感染後疲労症候群を発症し、その後、ME/CFSのような病気に移行する人がでる可能性はあるでしょう」と語ります。「急性感染症後に何が起きるかは、明らかに調査する必要があります。」

オーストラリアのメルボルン市ディーキン大学のグスリッジ先生はME患者でもありますが、「ME/CFSと診断されるには、症状が少なくとも6ヶ月以上持続していなければなりませんので、私達がさらなる情報を得るには、しばらく時間がかかるかもしれません」と語ります。

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