17.8.15「すべての人の社会」446号に記事掲載

篠原 三恵子
JD(日本障害者協議会)の機関誌「すべての人の社会」446号の、連載「日本国憲法と私」欄第11回に、「難病者の基本的人権の保障を望む」と題する記事を掲載して頂きました。

難病対策委員会は、2013年1月に難病対策の改革についての提言をまとめ、「難病は、その確率は低いものの、国民の誰にでも発症する可能性があり、生物としての多様性をもつ人類にとっての必然であり、科学・医療の進歩を希求する社会の在り方として、難病に罹患した患者・家族を包含し、支援していくことが求められている」との基本的な認識を示し、難病対策が国民全体の課題であると表明しました。「難病の治療研究を進め、疾患の克服を目指すとともに、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で尊厳を持って生きられる共生社会の実現を目指す」ことを難病対策の改革の基本理念とし、これを基に2014年に難病法が成立しました。

難病法が施行され、対象疾患が56疾患から330疾患(2017年4月現在)に拡大されましたが、指定されない難病はその恩恵を受けることができません。それに対して日本弁護士連合会は、難病者の人権保障の確立を求める意見を、2015年に発表しました。「国は、難病者の基本的人権を尊重し、障害者権利条約の求める共生社会の実現に向けて、障害者基本法に基づき、難病者を支援する各種法制度を有機的総合的に推進するために難病者に関する法制度を抜本的に改革すべきである」とし、 『難病者』の概念について、障害者権利条約を受けた改正障害者基本法に即し、『難病者』とは、『難病による心身の機能障害及び社会的障壁により、日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者』とする」ように求めました。

憲法第10章は最高法規と規定され、第97条は「憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」と書かれています。

2014年には厚労省によって、ME/CFSの患者の実態調査が行われ、約3割が寝たきりに近い重症患者であるという深刻な実態が明らかになりましたが、未だに指定難病になっていません。患者数が人口の0.1%程度に達しないこと(18万人未満)と、客観的な診断基準が確立していることという指定難病の要件を満たさないからです。WHOで神経系疾患と分類されているこの病気の研究が、当法人の働きかけによって、専門医である神経内科医によって本格的に開始されたのは、つい2年前のことです。

いつまで待てば、憲法で保障された基本的人権が守られるようになるのでしょうか。すべての難病者の基本的人権が、一日も早く保障されるようになることを切に願います。

 

 

 

 

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