17.5.11民進党難病議連が勉強会開催

5月11日に衆議院第一議員会館地下第2会議室において、民進党障がい・難病政策推進議員連盟が、ME/CFSの勉強会を開催して下さいました。海外では根治薬の承認が間近いのではとの期待が高まっている中、患者の救済を支援するために企画されました。

出席された議員の方:井出庸生議員、大西健介議員、金子恵美議員、川田龍平議員、小宮山泰子議員、重徳和彦議員、鈴木克昌議員、篠原豪議員、武正公一議員、中根康浩議員、原口一博議員、本村賢太郎議員、柚木道義議員、横路孝弘議員(50音順)

秘書の方が出席:(衆議院)泉健太議員、大串博志議員、大島敦議員、太田和美議員、奥野総一郎議員、菊田真紀子議員、郡和子議員、佐々木隆博議員、辻元清美議員、津村啓介議員、西村智奈美議員、伴野豊議員、前原誠司議員、水戸将史議員、(参議院)石橋通宏議員、大野元裕議員、桜井充議員、杉尾秀哉議員、田名部匡代議員、長浜博行議員、牧山ひろえ議員、矢田わか子議員、(50音順)

議連事務局長の小宮山議員が司会をして下さり、会長の原口議員より、「私も5か月前に骨形成不全症という難病を公表しましたが、驚いたのは悩んでいる方がどれだけ多いかということです。多くの方が声なき声を持っているということをお伝えし、勉強会を始めます」とのご挨拶を頂いた後、当法人よりの要望書を読み上げ、原口会長にお渡ししました。

川田議員より、「6年前に篠原さんに会った時に、慢性疲労症候群という名前自体がこの病気の理解を難しくしていると話しました。現在では研究が進み、WHOで神経系疾患と分類されたこの病気が、神経難病として研究され、リツキシマブという新しい治療法が出てきています。筋痛性脳脊髄炎として、しっかりと治療の研究が進むような体制が作れるよう、一緒に勉強していきたい」とご挨拶頂きました。

その後、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生より、医学の専門家として客観的な情報提供をして頂きました。先生は神経内科の専門医で、多発性硬化症(MS)の研究・診療をされてきました。

「患者会から、私達の持っている技術や学識を、この病気を克服するために使ってほしということを受け、やらなければいけないという思いで診療・研究を開始しました。この病気の問題は、今ある検査法では確たる異常がでないために、病院で診断してもらえないということです。普通の病院では、「何も異常がない」「神経を病んでいるかもしれないので他の病院に行ってほしい」などとあしらわれ、非常に悲惨ですので、客観的診断法を開発しなければならないと思っています。

最近、脳に何かが起きていることが、集中して言われるようになってきました。この病気の方は脳に異常があり、長期間診ていくと脳が萎縮しているというデータがあり、2005年に発表されています。PETの画像診断で、脳の中に炎症が起こっているとも言われ出しています。炎症の病気は色々あり、きちんと炎症を抑える薬を使えば治るはずです。米国でも病気の認知度は低かったのですが、2012年にオバマ大統領が患者さんの訴えを取り上げ、米国国立衛生研究(NIH)に調査を命じ、2014年には予算規模を拡大して研究を立ち上げました。

ノルウェーの血液腫瘍内科のお医者さんが、リツキシマブという抗がん剤が劇的に効くという2つの論文を発表しており、リツキシマブを投与された患者さんの6割くらいが良くなったそうです。そういう薬があるのですから、具体的に前に進むために何ができるのかということが、今の課題だと思います。リツキシマブは、B細胞というリンパ球の腫瘍を殺す薬で、免疫系を修飾する薬だと考えられており、筋痛性脳脊髄炎に免疫系を修飾する薬を使ってみようとする試みが色々なところで起きています。

私達は強い疲労を訴える病気である、視神経脊髄炎という病気の治療をしています。目や脊髄に炎症が起こり、疲労が強くでますが、IL6という炎症性物質が患者さんに増えているので、関節リウマチで使われている薬を使ったところ、疲労に劇的に効いたという例があります。疲労はかなり免疫と関係していて、免疫をターゲットにすることが重要です。

これまで患者さんを診療し、患者さんは何らかの免疫の異常がある方が多く、家族の中にも免疫の異常がある体質があって、その上でこの病気を発症した方が多いということがわかりました。最先端のフローサイトメトリーという技術を使って、患者さんのリンパ球を詳細に解析したところ、そのB細胞の一部に明らかな異常があるということがわかってきています。リツキシマブという薬は、B細胞をターゲットにしますので、リツキシマブが効くのは確かに納得でます。ですから、従来の疲労研究から、免疫を標的にする治療開発の研究にかじを切る必要があって、世界的にそうした流れになっています。

6月14日に米国で臨床免疫学会が開かれ、NIHが4時間にわたる特別なシンポジウムを組んでいます。筋痛性脳脊髄炎における免疫異常に関する情報をみんなで勉強しようというシンポジウムで、私も参加します。こうした非常に良い流れですので、決して先の見えない病気ではなく、一刻も早く患者さんを救って差し上げたいと思っています。」

患者会からもご挨拶させて頂きました。「私は1990年に米国に留学中に発症しましたが、すでに1992年の段階でMRIを撮ると脳に異常があるということがわかっていましたし、1988年にはアンプリジェンという免疫を調整するお薬が治験に入っていました。欧米では1990年代から、神経免疫系の病気という認識で研究がずっと進んできたということです。米国のNIHが研究対象を選ぶ際にはカナダの診断基準を基にしており、この診断基準にWHOで神経系疾患と分類されていることが書かれています。また、国際ME/CFS学会から2012年に出された臨床医の手引きにも、そのことが明記されています。ME/CFSは1969年からWHOで神経系疾患と分類されており、この病気が神経系疾患であることは基礎中の基礎です。

病気の医学論文が初めて出されたのは、1930年代の米国での集団発生を受けてのことでした。その後1995年にイギリスで集団発生し、1956年に筋痛性脳脊髄炎という病名がランセットに提案されました。慢性疲労症候群という病名がアメリカで提案されたのは1988年です。

今、ノルウェーで研究が行われているリツキシマブの第三相試験は、10月に終了します。日本では第三相試験が終わり、良い効果が認められれば承認へという流れになると聞いており、治験の承認が間近であることは間違いありません。ですから世界中の患者さんが、その結果を固唾をのんで待っています。病歴20年、30年という患者さんがたくさんおり、厚労省の実態調査で、約3割の患者が寝たきりに近いという深刻な実態が明らかになっています。患者さんの願いは、早く良くなりたい、早く治験をして頂きたいという一つです。先生方や厚労省の方々には患者達の気持ちをよく理解して頂き、患者の救済のために動いて頂けますようお願い致します。」

患者会で製作中のドキュメンタリー映画の製作支援ビデオを見て頂いた後、厚労省健康局難病対策課の平岩課長より、難病法やこれまでのME/CFSの研究についてご説明頂きました。

活発な質疑応答が行われ、「ノルウェーの試験の結果が出た場合に、すぐ使えることになるのか、どんな準備をしているのか」「集団発生しているということだが、ウイルスの感染であることは証明されているのか」「神経内科の専門家が参画して治療薬の治験や診断基準策定のための研究を推進することはできるのか」「NCNPに専門外来を開設できるのか」「一日も早く指定難病にするにはどうすれば良いのか」「指定難病にするには患者数が多すぎるのか」「筋痛性脳脊髄炎と慢性疲労症候群が併記されている理由は」等の質問が出されました。

それに対して、「ノルウェーでの第三相試験の結果が良く、政府によって薬事承認され、臨床で使われることになると、リツキシマブの会社が、日本でも使えるように日本のPMDAという審査機関に情報を提供することになると思う」「病気の発症の引き金にウイルスが関与した例がたくさんあり、その後に免疫の異常がどんどん起こっていくが、発症した患者の体内でウイルスが増えることはない」「患者さんの要望もあるので、役所的には今後は両名併記する形でやっていきたい」などの回答がありました。難病対策課からはさらに、「患者会や山村先生と相談し、あるべき方向に皆で一緒に取り組んでいきたい」と言って頂きました。

最後に議連幹事長の中根議員より、「患者会の皆さまの大変に切実な思いをお伝え頂きまして、しっかり受け止めさせて頂いた思いです。医療でも行政でも、どこでも予算の話が大きなバリアーになっていますが、そこを何とかするのが政治の役割ですので、原口会長を先頭に一歩でも前に進めるように頑張っていきたいと思いますので、どうか宜しくお願い申し上げます」との挨拶がありました。

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