17.3.7テレビ東京に山村隆先生が出演

3月7日(火)夕方3:55からのテレビ東京のL4YOU(エルフォーユー)という番組で、「疲れが取れない…疲労回復徹底研究!慢性疲労症候群とは」と題した特集の後半で、ME/CFSが取り上げられ、この病気を神経系疾患と捉えて研究してくださっている、国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生が生出演されました。

国内で慢性疲労症候群の研究の第一人者である山村先生は、「慢性疲労症候群は脳の成分に対する免疫応答が異常に活性化して起こる自己免疫疾患ではないかという議論が、最近盛んになっています」と話します。慢性疲労症候群は自己免疫による神経系疾患で、疲れとは全く別のメカニズムで起こる病気だそうです。

「免疫は、ガン細胞を殺す良い免疫もありますが、一方で悪い免疫、自分を攻撃してしまうような免疫もあります」と山村先生。私達の体の中には病原体を倒そうとする免疫システムがあります。免疫には二種類あり、体にとって良いものと、時として悪い働きをしてしまう悪い免疫があります。例えば花粉症は、花粉に対して悪い免疫が過敏に反応し、炎症を起こすために起きる症状です。山村先生によると、慢性疲労症候群は、その悪い免疫が脳細胞に対して過敏に反応し、脳が炎症を起こして運動障害を起こしている可能性があるのだそうです。

なぜ慢性疲労症候群という名前がついてしまったのか。「その病名をつけられた教授と、昨年話しましたが、先生はこの名前を付けたことを後悔されていました。病気の本質をあまり言い当てていませんから」と山村先生。慢性疲労症候群は1988年にアメリカで命名され、当時の医学では原因不明、極度の疲労によるものと判断されました。こうしたことから怠け病と呼ばれ、差別を生んだ時期もありました。「今は筋痛性脳脊髄炎という病名が代わりに使われるようになっていますが、この方がまだ患者さんの実態を反映していると思います」と山村先生。

(スタジオから)疲労が名前に付いていますが、疲労とは全く違い、深刻な病状です。「この病気は、一般の検査をしても異常は出ないため、診断がつかずに発見も遅れるのが問題です。元々、アレルギーや免疫病になりやすい体質があって、その上に強い感染症が重なって発症することが多いです」と山村先生。

「治療法として、まず和温療法があります。低温サウナに入って芯から体を温めるもので、リンパ液の流れが良くなり、自律神経のバランスを整えます。一部の患者さんには効果があり、かなり有効です。ビタミン剤や酵素でいくらか症状が軽くなることもあるようですが、根本治療ではありません。根本的な治療を開発して、深刻な病気を克服し、完治させることが我々の目標です」と山村先生。

(映像)実際にこの病気と戦っているMさんは中等度で、坐りながらであれば台所仕事や洗濯を行うことができます。Mさんが発症したのは2年前で、臨床検査技師の仕事をフルタイムでこなしていましたが、経験のない体調の変化に、すぐに検査を受け、筋痛性脳脊髄炎と診断されました。

「お正月にインフルエンザにかかり、1ヶ月近くだるい状態が続きました。その内に3月に別の風邪にかかってしまい。自分の脳と意思に反して、足が半歩しか動かなくなり、一生懸命動きたいのに動けないので恐ろしかったです」とMさん。「最初はどうなることかと思って、本当に不安でした」とMさんのお母様。聞きなれない病名に最初は恐怖心があったものの、ネットを使い海外から資料を取り寄せて丹念に病気について勉強するにつれ、この病気についての理解を深めました。

Mさんは慢性疲労症候群という病名のせいで、中々理解されなかったそうです。「主人にこの名前を使うと、慢性疲労ということは、頑張ってリハビリなどをすれば治るのではないかと言われました」とMさん。今は理解を得られ、家族で病気と戦っています。発病当初から和温療法を続け、一年前から臨床検査技師の職場に復帰し、週2日4時間ずつ働いています。「この病気を慢性疲労ということではなく、筋痛性脳脊髄炎という言葉で皆さんに知って頂けるように啓発し、病気と戦っていきたいです」とMさん。

(スタジオ)「周囲の人にはよくわかるようです。とくかく動かない、理由もないのに会社に行けない、起き上がれない、突然眠りこけてしまうなど、色々な症状が出てきます」と山村先生。早期発見できれば、進行は抑えられるのでしょうか。「医学の根本は早期発見、早期治療なのですが、この病気は早期に診断しても、次に何をするかが今一つはっきりしていません。ただ、診断がつかずに関係のない治療を受ける場合もありますので、きちんとした診断を受ける方が良いと思います」と山村先生。

今後の治療の方向性として何があるでしょうか。「血液のがんを治す薬で、リツキシマブという薬がありますが、これをノルウェーの医師がある患者さんに使ったところ、劇的に良くなりました。それをもとに100名以上の患者さんにリツキシマブを使う研究が海外で進んでおり、それが日本にも入ってくる可能性があります」と山村先生。まず病気のことをきちんと知ることが大事だと思います。

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