17.1.2プレジデントに山村隆先生の記事掲載

2017年1月2日号のプレジデント「患者だけが知らない医者の診断のウラ側」と題する特集号の「30代から黄信号、ビジネスマンに急増中『新病・奇病・慢性病』診察ノート」というセクションで、慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎)が神経内科の病気として取り上げられ、国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部長・多発性硬化症センター長である山村隆先生のコメントが掲載されました。山村先生は国際神経免疫学会理事、日本神経免疫学会理事を務めていらっしゃいます。

慢性疲労症候群を「心の病気」ととらえるのは早計です。発症メカニズムは明らかではありませんが、ウィルスや細菌の感染などの複合的な要因が引き金になると考えられ、最近の研究では、患者の血液や髄液を調べたところ、健常者に比べて炎症を引き起こす物質であるサイトカインがわずかに上昇していると報告され、患者の脳は各所に炎症を起こしていることがPET検査で明らかにされています。そのため慢性疲労症候群という病名はこの病気の実態を正確に表していないとして、ヨーロッパの一部やカナダでは筋痛性脳脊髄炎(ME)という名称で統一されており、日本でも慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎と併記する動きがあります。

神経難病に詳しい山村先生は、「患者は免疫の異常によって起こる病気にかかったことのある人が多く、家族も慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患をもっているケースが少なくありません」と説明します。内科で血液検査をしても異常が見つからず、精神の病気が疑われることもあり、正しく診断されずに寝たきり状態になることもあります。難病ですが公的支援の対象外で、治療に絶望して自殺する患者も少なくないそうです。

「診断がつきにくく、効果的な治療法もまだありませんが、病気の解明は少しずつ進んています。」ノルウェーの臨床試験では、悪性リンパ腫を併発した慢性疲労症候群の患者に、B細胞性悪性リンパ腫の治療薬であるリツキシマブを投与したところ、慢性疲労症候群の症状も劇的に改善したそうです。いまのところは完治させるのは困難で、予防法もありません。健康な人で風邪のような症状がいつまでも長引いて、休んでも改善せず、不眠などを伴ったりする場合には慢性疲労症候群の可能性がありますので、医療機関を探して受診することが勧められます。

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