17.1.30国際ME/CFS学会会報に実態調査掲載

菜の花国際ME/CFS学会のニュースレターVolume 10,Issue 1に、2015年7月の「ノーマライゼーション」に掲載された患者の実態調査の記事とその補足を英語に訳したものを、「日本政府により委託されたME/CFS患者の全国調査」と題して、Reserch(研究)欄に掲載して頂きました。

「2014年に日本の厚生労働省は、日本全国のME/CFS患者の実態調査を委託しました。この結果、日本のME/CFS患者の30%は重症患者であることが明らかになりました。NPO法人「筋痛性脳脊髄炎の会」理事長の篠原三恵子氏は、実態調査について補足し、実態調査の結果を要約してくれました。この調査は元々2015年7月号の『ノーマライゼーション』に掲載されたものです。」

(科学の共通語としての英語のステータスにも関わらず、英語で出版あるいは翻訳されないために、英語圏の科学界や医学界にとって、ME/CFSに関する貴重な調査が”失われて”います。従って、もしあなたが英語以外の言葉で書かれた興味深い研究論文を読み、その結果を今後のニュースレターのために要約して下されば、歓迎致します。)

【実態調査の補足】
日本では、この疾患をストレスが原因の疲労の病気として捉えた研究が、今も継続されている。2010年には、40%の患者は完治し、5年以上症状が続いている患者の多くは学校や会社に復帰できるとする発表さえあった。このため、重症患者は必要な家事支援を受けられず、医療からも行政からも顧みられることはなかった。こうした状況で、患者会の強い働きかけにより厚労省による実態調査が行われ、初めて深刻な実態が明らかになった。

中等度~重症患者の日常生活は、多くが家族の支援に依存している状況にあることが明らかになり、家族・親戚など近親者のサポートが日常的に受けられない一人暮らしの患者の日常生活困難度の深刻さを考えると、本疾患に対して早急な支援体制構築・対策が急務であると考える。本疾患は進行性疾患ではないが、重症化する患者も多いことから、環境因子が悪化の一因となり得ると考えられる。また、重症化を防ぐために、重症患者に加えて中等度困難者から支援・介入を行なう意義が高いと考える。

電話や訪問での聞き取りにより、身体障害者手帳を取得後、寝返りもできないほど重症で日中は家族が仕事のために誰もいないにもかかわらず、行政より居宅介護を1日1時間しか認められないといった事例や、行政より居宅介護が認められても、ヘルパー不足により介護者が見つからず、ほとんど介護が受けられないといった事例もあることが判明している。こうした問題の解決も急務である。苦しんでいる患者を救済し、実際に患者の生活の質の向上にむすびつく研究が遂行されることが切に求められている。

※掲載にあたって、学会副会長のLily Chu先生とやり取りしましたが、他の人種にもME/CFS患者がいることは知っていますが、欧米の研究論文の95%は白人対象の研究であるため、アジア圏の患者に関するこの情報は、非常に貴重だと言って頂き、今度も日本の状況を投稿してほしいと頼まれました。

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