16.11.15自民党の筋痛性脳脊髄炎議連発足

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e5%89%8d%e3%81%ae4%e4%ba%bahp11月15日に衆議院第一議員会館地1階第5会議室において、自民党の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)患者の救済を進める議員連盟(略称「筋痛性脳脊髄炎議員連盟」)の設立総会が開催されました。この議連は、筋痛性脳脊髄炎の難病指定の実現を目指し、深刻な神経難病である本疾患の病因・病態解明と根本的治療法開発の研究の推進を目的としています。

18名の議連の発起人:阿部俊子議員、石田昌宏議員、上野通子議員、上川陽子議員、北村誠吾議員、木原誠二議員、左藤章議員、高階恵美子議員、高鳥修一議員、高橋ひな子議員、とかしきなおみ議員、丹羽雄哉議員、野田聖子議員、橋本岳議員、船田元議員、三ッ林裕巳議員、村井英樹議員、森英介議員

出席された議員の方:赤枝恒雄議員、阿部俊子議員、金子恵美議員、上川陽子議員、北村誠吾議員、木原誠二議員、古賀友一郎議員、後藤茂之議員、左藤章議員、島村大議員、高橋ひな子議員、富岡勉議員、丹羽秀樹議員、丹羽雄哉議員、橋本岳厚生労働副大臣、羽生田俊議員、船田元議員、星野剛士議員、三ッ林裕巳議員、宮島善文議員、森英介議員、渡辺たけゆき議員

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e4%b8%b9%e7%be%bd%e5%85%88%e7%94%9f%ef%bd%88%ef%bd%90議連に入会され欠席:上野通子議員、小川克巳議員、木村義雄議員、塩崎恭久厚生労働大臣、高階恵美子議員

秘書の方が出席:石田昌宏議員、伊藤忠彦議員、神山佐市議員、神田憲次議員、小松裕議員、酒やすゆき議員、高鳥修一議員、竹本直一議員、とかしきなおみ議員、野田聖子議員、橋本聖子議員、松本純議員、御法川信英議員、村井英樹議員

発起人代表として、宮澤、小渕、森各内閣で厚生大臣を務められた丹羽雄哉議員より、「この病気は全身に神経症状が襲ってくる後天的な病で、3割の方々が寝たきりに近い状態である大変な深刻な状態ですが、難病の指定からも除外されており、患者の方々は精神的、経済的につらい思いをされています。診療する医師の数も少なく、診断も確立されていないという状態から一歩抜け出して、何とか患者の皆さま方に少しでも希望を持って頂けるようになればと思ってスタート致します」とご挨拶頂きました。続いて役員の選任が行われ、丹羽雄哉先生16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e5%b9%b3%e5%b2%a9%e8%aa%b2%e9%95%b7hpが会長に就任し、役員体制は会長に一任されました。

厚労省健康局難病対策課の課長より、難病対策の現状として、指定難病や患者の実態調査についてご説明いただき、厚労省として引き続き研究の支援を行っていきたいとの話がありました。

続いて、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)神経研究所免疫研究部部長の山村隆先生より、最先端の研究とこの病気をどう捉えるべきかについてお話し頂きました。山村先生は、神経内科の専門医で、25年間、多発性硬化症(MS)の研究と診療をされてきましたが、MSの研究を深める中で、ME/CFSという病気に非常に興味を持ち、研究を開始されました。

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e5%b1%b1%e6%9d%91%e5%85%88%e7%94%9fhp「慢性疲労症候群という病名は、この病気の実態を反映しておらず、こういう病名を使わないで皆さんに理解をして頂くことが大事であり、単なる疲労の延長ではなくて、独立した疾患であるという感覚を持つべきです。ところが、この病名を使って、色々と誤った情報を拡散しているところがあるそうです。

先ほどの厚労省の説明にもありましたが、一日の半分以上を横になっている重症の方も多くいらっしゃり、これは大変なことです。救えるものであれば、一刻も早く治療をやって救ってあげなければいけないというのが私の実感です。栄養補給は点滴のみ、母親が24時間つきっきりでケアをし、体重が26キロを切って、いつ何が起きてもおかしくない状態という患者さんもおり、表には出ない形で家でずっと面倒を看ていらっしゃいます。病気だと認められない状態で介護しますので、健康保険も使えず、病院で診ていただけないという方がたくさんいるということは、認識して頂きたいと思います。

脳の中に炎症があることが見つかっており、これが根本にある病気で、脳が萎縮しているという欧米のデータもあります。炎症が続いて脳が萎縮すると考えられ、こうしたことを啓発活動しないと、いつまでたっても前に進まなくて、患者さんが救われません。米国では患者さんがオバマ大統領に直接訴えて、2012年にはアメリカの研究機関であるNIHで研究をするようになり、2015年には予算規模を拡大して他施設共同研究を開始し、前にどんどん進んでいます。

%e5%85%a8%e4%bd%9316-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_hp今最も注目しているヨーロッパの動向は、筋痛性脳脊髄炎のノルウェーの患者さんが悪性リンパ腫になり、悪性リンパ腫を治療しようとしてリンパ球を殺すリツキシマブという抗がん剤を投与したところ、がんも消えましたが、それだけではなくてME/CFSの症状が全部なくなりました。リツキシマブは悪性リンパ腫に使うだけではなくて、血管炎とか多発性硬化症とか、免疫異常に使う薬ですが、筋痛性脳脊髄炎に非常に効くことが第一例で分かって、その後、ノルウェーの医師が臨床治験を進め、今ではノルウェーの国の支援を受けて、承認申請を目指した治験をやっています。根本的な異常がリンパ球にあって、これを殺すことによって良くなる病気だという可能性が出てきたということです。この情報は米国のNIHでも、とても重視しています。今は免疫系の薬をこの病気に使うということが、どんどん進んでいます

ある難病を根本的に治療するには、病態の基本を考えなければなりません。エイズを克服するにおいて、症状の一つにすぎない疲労の研究だけをやっていても、絶対に上流(根本的治療法)には達しません。エイズはウイルスを見つけた結果、撲滅できる可能性のある病気になったわけで、病気の根本的治療法を考えることが非常に重要なポイントで、上流を攻める事が大切です。

私どもは上流を攻めることによって、視神経脊髄炎という難病を治すことに成功しつつあります。視神経脊髄炎では、IL-6という炎症性の物質が増えているということを見つけましたので、IL-6という分子をブロックする薬を使ってこの病気を治療し、大変に良くなりました。この病気も筋痛性脳脊髄炎と同じように再燃症状が出る病気で、患者さんが病院に行ったら、その後、一週間寝たきりで動けなくなりますが、コントロールするべきところをブロックしたら、それが改善されました。ME/CFSでもIL-6とかIL-1βとかの炎症性物質が重要ではないかと考えており、実際にデータがある程度出ています。これからは末梢の方(疲労等の症状)ではなく、上流(根本的治療法)のほうに攻め込んで、治療をしないといけないと思います。

私たちの病院に来られたME/CFS患者さんやご家族には、びっくりするほど免疫病を合併している方が多いです。私たちは今、リツキシマブという抗がん剤で死ぬリンパ球を、世界最先端の技術を使って詳しく調べています。視神経脊髄炎に使った薬をこの病気に使ったら、良くなる可能性がかなりあると思っています。

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e5%85%a8%e4%bd%93%e2%91%a1hpこれまで疲労という症状を強調しすぎてきたため、疾患概念等があいまいになりましたので、単なる疲労のレベルの病気ではないことを啓発しないといけないと思います。それから、病気を攻めるには、末梢ではなく上流の方を攻めていかなければならず、免疫を標的にする治療の開発に対する研究費を給付して頂くことが必要です。また、脳の炎症をきちんと理解できる専門の先生(神経免疫が専門)が関与しないと、この病気には対応できません。

視神経脊髄炎の治療研究は、たかだか4年で成果が出ました。ですから、難病だからと言って10年、20年のスパンで考える必要はなく、良い薬にあたれば3年で結果が出て解決できるのですから、この病気で10年戦略とか20年戦略とかいうのをやってはいけないと私は思っています。患者会では日本医師会会長と面談したり、日本神経学会の代表理事と面談したりと、徐々に理解を深めつつあります。」

16-11-15%e8%ad%b0%e9%80%a3%e8%a8%ad%e7%ab%8b%e7%b7%8f%e4%bc%9a_%e4%b8%89%e3%83%83%e6%9e%97%e8%ad%b0%e5%93%a1hpその後、「診断基準をいつごろどう確立できるのか」「神経内科の中でこの問題が大きく取り上げられないと先に進まないように思う」「この病気は疾病と整理されていないのはどうしてか」「指定難病の定義には患者数が一定数に達しないとあるが、これは財政上の理由か」「どこに問題があってこの筋痛性脳脊髄炎は難病にならないのか、どのハードルをクリアしなければならないのか」「客観的な診断法は、新規のバイオマーカーを見つける以外に狙うことがあるのか」「患者さんは生活をどうしていくかということで非常に困っているのだから、良い方法はないのか」「筋痛性脳脊髄炎はWHOのICD10で神経系疾患と分類されているのに、日本だけはなぜ難病の指定についてこだわるのか」等の質問が出されました。

患者会から一言ご挨拶をさせて頂きました。「この病気は、50年近く前からWHOで神経系疾患と分類されている病気ですが、なぜ今まで神経内科中心の研究がなかったのでしょうか。昨年、アメリカの研究拠点であるNIHから神経系疾患のセクションが主導して研究をするという発表がありました。患者会ではカナダの診断基準をまっ先に訳しましたが、この診断基準をもとにアメリカでは研究を進めています。10月に国際シンポジウムを開催し、日本神経学会代表理事の高橋先生に、これからはしっかり神経内科学会としてやっていきたいとご挨拶頂きました。今後は神経内科中心に、世界的レベルの研究を推進していただきたいと思います。

有名なALSや全身性エリテマトーデスでも、確固としたバイオマーカーはなく、客観的ないくつかの数値を集めて客観的な診断基準として厚労省で認めているのですから、私たちの疾患でも認めて頂きたいと思っています。世界的には、3年か4年のうちに良い薬ができて、3人に1人くらいの患者さんが社会復帰できるかもしれないという状況であることをご理解ください。日本神経学会だけではなく、日本医師会会長の横倉先生も患者会を非常に応援してくださっています。国会議員の先生方のお力も借りし、また厚労省の方々のご理解を頂いて、研究を本格的に推進して頂きたいと思いますので、宜しくお願い致します。」

最後に丹羽会長より、「色々なお話をお聞きして、私も皆様方の先頭に立ってこの問題の解決のために頑張らなければならないという思いがしております。この議員連盟が患者の方々の朗報になって、治療法を確立し、一日も早く社会復帰ができますように、私ども全力で政治家の一人として頑張っていきたい」とご挨拶頂きました。

厚労省難病対策課から4名、障害保健福祉部企画課より2名が出席され、朝日新聞、読売新聞、共同通信、日本医事新報社、薬事ニュース、福祉新聞の方が取材して下さいました。

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