16.6.24薬事ニュースに当法人の紹介記事掲載 

ろうぜんがずら6月24日付け薬事ニュースの「患者会リレーインタビュー」という連載コーナーで、「『ただの疲労の病気』との誤解解消へ~NPO法人『筋痛性脳脊髄炎の会』篠原三恵子理事長」と題して、写真入りで大きく当法人の紹介記事を掲載して頂きました。

日本では「慢性疲労症候群」(CFS)と呼ばれますが、英国やカナダなどでは「筋痛性脳脊髄炎」(ME)とされ、近年では世界的に「ME/CFS」と両名併記されることが多いです。2015年の厚生労働省調査で、患者の約3割が寝たきりに近いことが明らかになりましたが、詳しい病態は不明で有効な治療法はありません。「筋痛性脳脊髄炎の会」理事長は、「慢性疲労症候群」の呼称が「ただの疲労の病気」というイメージを与え、正しい診断や治療を阻害していると問題視しています。一方海外では、神経系疾患としての研究が進み、治療薬としてリンパ腫や免疫疾患の治療薬「リツキシマブ」の有効性が示唆され、再来年にはノルウェーからこれまでの研究をまとめた論文が発表される予定です。

患者会の活動の中でも、海外の最新情報を翻訳して発信することが会の強みです。海外の診断基準や講演、パンフレットなどを翻訳してホームページで公開し、今まで7冊の小冊子を発行し、難病支援センターや医師会に配布しています。2014、2015年には衆参両院で国会請願が採択され、今年度は神経内科を中心とした診療体制の確立と、「リツキシマブ」の治験を含む治療法開発の研究促進を求め、秋の臨時国会に請願を提出する予定です。10月23日には医療関係者向け国際学術シンポジウムを開催し、米国からME/CFSの権威である専門医や国際ME/CFS学会の前会長を迎えて、最新の研究状況について講演して頂きます。この他、重症患者の実態を描くドキュメンタリー映画を製作中で、2017年春の完成をめざしています。

ME/CFSの正しい認知が広がっていないことが大きな課題で、今でも多くの医師が「治らないのは精神的な問題だ」と考えており、正しい診断や治療の障害になっています。2011年の医学誌「ランセット」に認知行動療法などの有効性を主張する論文が掲載され、日本においても認知行動療法などが行われていますが、2015年に米国コロンビア大学のブログに、適切でない解析方法などの重大な欠陥について、研究者による詳細な報告記事が掲載されて以来、世界の多くの研究者や患者団体が「ランセット」にデータの再解析を求めており、論文は撤回間際の状況だと聞いています。深刻な神経難病であるという認知を広げることが急務で、患者が適切な治療や福祉を受けられるようになるために、「指定難病」の認定を受けることを目指しています。

2004年にノルウェーで悪性リンパ腫を合併したME/CFS患者に「リツキシマブ」を投与したところ、悪性リンパ腫だけでなくME/CFSの症状も回復しました。2011年と2015年には、ME/CFSに対する「リツキシマブ」の有効性を示唆する研究が発表され、現在も研究が進んでおり、ノルウェーの研究者からは非常に良い結果が出ていると聞いています。一方アメリカでも、2015年にME/CFSの研究拠点である米国国立衛生研究所(NIH)が研究を強化するために、神経系疾患のセクション主導で、免疫に焦点をあてた研究を推進すると発表され、治験の承認は秒読み段階に入ったと考えられます。日本でも、国立精神・神経医療研究センター神経研究所で、免疫に焦点を当てた本格的な研究が進められています。

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