16.4.1「リハビリテーション」に記事掲載   

img098篠原 三恵子
鉄道身障者福祉協会発行の月刊誌「リハビリテーション」4月号の障害者差別解消法の特集に、「慢性疾患を抱えていても『他の人の平等』に社会参加を」と題する原稿を、4ページにわたって掲載していただきました。昭和25年に身体障害者福祉法が施行されましたが、その頃は身体障害者についての専門誌はほとんどなく、鉄道身障者福祉協会は啓発のために、昭和28年に雑誌「リハビリテーション」第1号を発刊しました。

日本も2年前に障害者権利条約を批准し、4月1日からは障害者差別解消法が施行されました。難治性疾患に起因する心身の機能の障害も、障害者差別解消法の対象です。難治性疾患を抱える障害者も、障害の特性(病気の特性)に応じた、一人ひとりの体調や体力に応じた社会参加の権利を保障するための合理的配慮が必要です。平成26年に厚労省によってME/CFS患者の実態調査が行われ、寝たきりに近い重症患者が約3割もいるという深刻な実態が明らかになりました。障害者差別解消法では、「不当な差別的取扱い」と「合理的配慮の不提供」の2種類の差別を禁止しています。

厚労省から出された「医療関係事業者向けガイドライン」の第三(1)「不当な差別的取扱いと考えられる例」の項目に、サービスの提供に当たって、他の者とは異なる取扱いをすることの例として、「わずらわしそうな態度や、患者を傷つけるような言葉をかけること」があげられています。ME/CFSは病気に対する社会の認知度が非常に低いため、患者たちはしばしば “詐病”とみなされ、医療関係者からも差別的な処遇を受けてきました。患者達からは多くの不当な差別的取扱いの例を聞いており、これは人間の尊厳を踏みにじる行為だと思います。

昨年、障害者総合支援法の福祉サービスの対象疾患が拡大されましたが、ME/CFSなどの多くの難治性疾患が除外されています。疾患によって日常生活又は社会生活に相当な制限を受けているのに、病名により除外される難治性疾患があることは、「行政機関において不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない」としたことと矛盾するのではないでしょうか。福祉サービスの対象を病名で区切らず、生活の困難さに応じて支援する仕組みに抜本的に変え、慢性疾患によって生活のしづらさがある全ての人に必要な合理的配慮が提供されるようにすべきです。

ME/CFS患者は身体障害者手帳取得が極めて困難である上に、障害者総合支援法の対象疾患でもないために、必要な合理的配慮はほとんど提供されておらず、他の人と平等に社会参加する権利、必要な介護を受ける権利、外出する権利、選挙権を行使する権利、教育を受ける権利、医療を受ける権利、就労する権利等を保障するための合理的配慮が提供されていないことは、差別に当たると考えます。

難治性疾患を抱える障害者も、障害者差別解消法の対象であることを、難病当事者はもちろん広く国民にも周知し、難病者が合理的配慮を求めやすくなるような環境整備が必要です。また、各行政機関及び事業者等において、支援者となるべき職員が、難治性疾患を抱える障害者の特性を考え、そのことをよく理解するために、当事者を呼んで研修することを必須とすべきです。

障害者が社会の一員として尊厳を持って生きることができる社会こそが、真の意味で豊かな社会といえるます。社会を真に豊かなものに変革するためにも、声を上げ続けたいと思います。

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