患者の実態調査の最終報告書確定  

けいとう皆様にご協力いただいた平成26 年度「慢性疲労症候群患者の日常生活困難度調査事業」は、3月に国に提出された後、厚労省が精査しておりました。この度、最終報告書が確定したと、厚労省より連絡を受けました。報告書の最終版ダイジェスト版は、9月30日に都道府県や政令市、中核市の衛生主管部局、障害保健福祉主管部局宛に周知されたそうです。

身体障害者手帳、補装具・居宅介護等を申請する際には、実態調査の報告書が厚労省から届いているはずですので、担当部署の方に読んでいただけるようにお願いしましょう。患者さんたちの手帳や補装具の取得が、少しでもスムーズになることを願っています。

実態調査の背景として、「本疾患は、前述の臨床症状に起因する多様なADL 障害を来す。患者の約25%は寝たきりもしくはそれに近い重症患者であり、重症患者が発症前のレベルの身体機能に回復する率は、0~6%と報告されている。重症患者は通院も困難になり得るため、患者実態の明確な把握が進まず、日常生活困難度に関する調査は、今まで報告がない」と書かれており、病名について、「本疾患は、1956 年の医学誌Lancet に良性筋痛性脳脊髄炎と名づけることが提案されたことから、ME/CFS(Myalgic
encephalomyelitis / chronic fatigue syndrome)と併記されることがある」という注が記されています。

調査の目的は、「調査票を用いて本疾患患者の生活・医療・福祉などの実態を調査・解析し、本疾患患者に対する生活、医療福祉の向上に資する資料を作成する」とされています。日常生活困難度を評価するために、パフォーマンスステータス(PS値)が使用され、PS値が0~5(軽症)、6~7(中等度)、8~9(重症)の3群に分けて解析が行われました。

調査対象患者のうち軽症群が31.5%、中等症群が35.1%、重症が30.2%でした(n=248 名)。患者は体調が良い時だけしか受診できず、医師は体調が悪い時の患者の状態を見ることはできないにも関わらず、患者申告による調査時の平均PS 値は6.0 で、主治医情報による現在の平均PS 値は5.6(ただし、主治医からの回答データ分のみの平均)と、著しい乖離はありませんでした。国際ME/CFS 学会は、患者の約25%は寝たきりもしくはそれに近い重症患者であると発表しています。本調査では、通院困難な重症患者を含めて、中症~重症患者への電話・訪問聞き取りによる調査を実施したため、多くの重症患者から参加同意が得られたものと考えました。

調査考察には、「軽症患者でも約45%が家事後に寝たきりになっており、中等度~重症患者ではさらに高率であることから、家事など日常生活上の障害に対して支援の必要性が示唆された。調査結果項目23 にみるように、中等症~重症患者の日常生活は、多くが家族の支援に依存している状況が明らかとなり、重症患者に加えて、家族・親戚など近親者のサポートが日常的に受けられない一人暮らしの患者では、日常生活困難度は深刻であることが推察され、本疾患の日常生活困難者に対する早急な支援体制構築・対策の検討が必要である」と書かれています。

調査評価には、「本疾患の重症患者は通院すら困難とされており、医療機関でその実態を把握することが難しく、重症患者を含めた実態調査は世界的にもほとんど行われていない。本調査も、調査期間が非常に短かったために、実態調査が行われていることを周知する時間が十分であったとは言い難い。また、訪問・電話聞き取りや、調査票の自力での回答、家族の代返や代筆が難しいとの問い合わせも患者・家族からあったことから、実際には本調査で慢性疲労症候群とされる患者全てを把握することはできなかったことが示唆される」と書かれています。

実態調査の報告書の最終版はこちらからご覧いただけます
実態調査のダイジェスト版はこちらからご覧いただけます

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