「集中」7月号に実態調査と和温療法の記事掲載

img070病院経営者のための月刊医療情報誌「集中」7月号に、「『慢性疲労症候群』で求められる医療機関・行政の理解~3割寝たきり、7割未就労」と題して、厚労省が患者の要望に応え、初めて重症患者を含む実態調査を行ったことを、写真入りで取り上げていただきました。

日本では病名ゆえに、多くが疲労感が続くと慢性疲労症候群ではないかと思いますが、患者の極度の疲労や消耗は、一般的な疲労とは比べ物になりません。回復には病的に長い時間がかかりますが、何日も何ヶ月も休めば一時的に動けるので、しばしば周囲からはさぼっていると見られ、低い評価を下され、社会的に疎外されます。ある医師によると、原因はウイルス感染症が強く疑われ、世界保健機関によって1969年より神経系疾患と分類されていますが、現在の医学界では、エビデンスレベルでの原因は不明で治療法も未確立です。

厚労省が聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターに委託し、初めて重症患者を含む実態調査を行ったところ、軽症が31.5%、中等度が35.1%、重症が30.2%で、ほぼ寝たきりの患者が3割に上ることが明らかになりました。「発症に関与したと考えられる要因」(複数回答)では、「感染症」76人(30.3%)、「発熱」68人(27.1%)などが多く、研究センター長は「著しい消耗症状が起きていたことを確認。また、頭痛、筋肉・関節痛などの耐えられない痛みを常時感じていることが分かった。睡眠障害もあり、7割が睡眠導入剤を使用」と語ります。

重症患者は「歩けない」が15.3%、「10メートル以内」が27.8%、全体でも18.9%が10メートル以内しか歩けません。発症後に通学を続けられたのは26人(42.6%)にとどまり、就労状況では全体の71.7%が働いていませんでした。「行政に望むこと」では、「病気の研究」(95.1%)、「病気の認知」(87.1%)、「医療費助成」(79.3%)などが並び、「患者は、専門医がいないこと、治療法が確定しないこと、病気への無理解や社会からの孤立を訴えている状況。行政にはサービスを受けやすくしてほしい」とセンター長は語ります。

自身も寝たきりの患者である「筋痛性脳脊髄炎の会」理事長は、「周囲の理解が得られずに無理をして悪化している人が多い。実態が社会に知られていないのが問題で、今回の調査で浮かび上がったことが正しい認識につながることを心から願っている」と訴えます。同会は「慢性疲労症候群」の病名では深刻さが伝わらないと、国際的な医学誌が提唱した「筋痛性脳脊髄炎」を団体名にしています。

清風荘病院特別顧問の天野惠子氏は、慢性心不全のための治療として2012年に高度先進医療として認定されている和温療法を、2010年から本格的に開始しました。乾式遠赤外線サウナ室を用い、低温の60℃に15分入った後に、27~28℃の部屋で30分ほど温めた布団で保温すると、深部体温が1℃上がり、「血行が良くなって、障害がある臓器で修正が生じ、交感神経も緊張が是正される。ひどい状態でありながら、患者は精神的には非常に健康。和温療法は発症後なるべく早い時期にすると画期的によくなる」と、天野氏は語ります。受診の結果、スキューバダイビングの仕事ができるようになった30代の女性もいたそうです。

ある患者は「会社からは“怠け病”といわれ孤立しているが、家のローンを抱え、2人の子供がいるで、生活のために耐えなければならない。病名の変更から取り組んでほしい」と訴えます。今回の実態調査をどのように患者たちの生活改善や治療につなげるのか、医療機関や行政の今後の対応が注目されます。

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